おやすみ、東京 の商品レビュー
夜中の東京で働いている少しずれた人たちが密やかに繋がり合い、自分の立ち位置を見定めて生きていく。 タクシーのルートの様にあちこちを関係している人がぐるぐる出てくるのに、なかなか当人同士が出会うことは無くもどかしい。
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午前1時から始まる12の連作短編。 深夜専門のタクシー運転手、夜勤の電話相談室オペレーター、深夜の定食屋に、夜だけ空いている不思議な古道具屋。『おやすみ、東京』というタイトルに反して、登場人物自身は夜にこそ活動的になる。そして何かや誰かを探しているどこか不器用で親しみのある彼...
午前1時から始まる12の連作短編。 深夜専門のタクシー運転手、夜勤の電話相談室オペレーター、深夜の定食屋に、夜だけ空いている不思議な古道具屋。『おやすみ、東京』というタイトルに反して、登場人物自身は夜にこそ活動的になる。そして何かや誰かを探しているどこか不器用で親しみのある彼らは少しずつ繋がり合っていく。 吉田篤弘さんらしい柔らかくユーモラスな文体で語られる物語だし、確かに一冊の本としてもハッピーエンドと言えるが、所謂「ハッピー」な「エンド」という表現が何となく余所余所しく感じられるのは、きっと彼らの生活がこれからも幾夜も続いていき、この本で語られたように、これからも色々な人と繋がったり悩んだりしていくのが想像できるからだろうか。でもそれは本の人物に限らず誰だって同じこと。まだまだ続くであろう(と期待する)自分の人生を「ハッピーエンド」と言うのはちょっと早いか。 相変わらず変な職業の人たちが多い、吉田さんの小説だが、相変わらず身近に感じる魅力的な人たち。そして優しく寄り添ってくれる魅力的な夜。
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短編集のようで、でも1話目に出てきた人が2話目で主役となってその次でもそのような繰り返しで繋がっている話なのかな?と思いきや、皆同じタクシードライバーを利用していてそちらがメインの軸なのかと思いきやそうでもなく、少しずつ皆の話しが進んで繋がっていく。 大きな動きがある訳でもないの...
短編集のようで、でも1話目に出てきた人が2話目で主役となってその次でもそのような繰り返しで繋がっている話なのかな?と思いきや、皆同じタクシードライバーを利用していてそちらがメインの軸なのかと思いきやそうでもなく、少しずつ皆の話しが進んで繋がっていく。 大きな動きがある訳でもないのに読みやすく、何か引き込まれる。 先日読んだ『それからはスープのことばかり〜』に出てくる映画館の店員はこの物語と同一人物なのか?設定が同じだけなのか⁈
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静かに模索している大人たちの 少しずつキラキラした夜々のお話。 ちょっとずつリンクしたオムニバス大好きだし ムードと浪漫漂う雰囲気も大好きだし お気に入りの1冊!! 松田さんのタクシーに乗って古道具屋さんに行きたいな。 公園のフェンスに腰掛けて星空と枇杷の実を眺めたいな。 真...
静かに模索している大人たちの 少しずつキラキラした夜々のお話。 ちょっとずつリンクしたオムニバス大好きだし ムードと浪漫漂う雰囲気も大好きだし お気に入りの1冊!! 松田さんのタクシーに乗って古道具屋さんに行きたいな。 公園のフェンスに腰掛けて星空と枇杷の実を眺めたいな。 真夜中の映画に浸って、朝焼けの街を歩いて。 食堂でちょっと疲れた足を休めながらほっとしたいな。
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同じ空の下、生活があって、悩みがあって、仕事があって、ほんのりドラマがあって…。。。 どこかで交差しながら、繋がっている。 その交差する場所に食堂があり、夜の暗さのなかに安心感や安らぎが生まれる。 いいなぁーー!!!! 全部のお話がほっこりする。
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少しずつ繋がりのある登場人物たち オムニバス形式で読むのが楽しい 頼り頼られ、ちょっとしたひと言が誰かの人生を 方向転換させる モリイズミさんとイバラギさん、 合うんじゃない?? 2020.01
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東京の夜って楽しいんだなっ! 俺も二十代の頃はただただ夜を友達とフラついてるだけで楽しかったし、面白い事が起こる街だった 今も俺が寝てる間に不思議な出会いや出来事が 人知れずたくさん起こってると思うと ワクワクする この本は俺の中ではベスト10に入るくらい好きな本です
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久しぶりに吉田篤弘さんの作品です。 この作品、中身もなかなか素敵ですが、装幀が素敵過ぎです。 筆者である吉田篤弘さんと奥様の吉田浩美さんのユニット、クラフト・エヴィング商會がデザインしたわけですが、作品名のおやすみ東京を体現したカラーリングや文字体、レイアウト、とても私のツ...
久しぶりに吉田篤弘さんの作品です。 この作品、中身もなかなか素敵ですが、装幀が素敵過ぎです。 筆者である吉田篤弘さんと奥様の吉田浩美さんのユニット、クラフト・エヴィング商會がデザインしたわけですが、作品名のおやすみ東京を体現したカラーリングや文字体、レイアウト、とても私のツボです。 さて中身ですが、舞台は東京、時間帯は深夜、登場人物は「何かを失った」人達、非常にシンプルな構成です。 村上春樹の作品「アフターダーク」も深夜の渋谷の出来事の物語ですが、感じる雰囲気は似てます。 深夜という何がおきてもおかしくない時間帯の魔力、そこに生きる訳ありな人々。朝が近づくにつれ深夜の魔力は混乱度合いを増し、そして朝日とともに一気に混乱は一掃され、人々は目を覚ます。 この作品の最後は詳しくは言えませんが、吉田篤弘さんの作品らしく暖かなものでした。 (のこあたりは村上春樹作品とは違うところ) 素敵な装幀を手に取っていただき、そして一読されることをお勧めします。 PS. 毎エピソード、深夜1時に物語が始まるのも、結構ツボ。
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吉田さんの本には、ものすごい当たりがあります。 この本も、その当たりです。 芝居か映画にしてみたい、作品です。
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午前1時から午前4時にかけての東京を舞台にした12の短編連作集。 「おやすみ」な時間帯に、登場人物たちは働いていて、それぞれがちょっとずつ接点を持ちながら、自分にとって足りていないパズルのピースを見つけていくような仕立てになっている。 12の短編が巡り巡って1年後の同じ場所に戻...
午前1時から午前4時にかけての東京を舞台にした12の短編連作集。 「おやすみ」な時間帯に、登場人物たちは働いていて、それぞれがちょっとずつ接点を持ちながら、自分にとって足りていないパズルのピースを見つけていくような仕立てになっている。 12の短編が巡り巡って1年後の同じ場所に戻ってくる展開、時間軸の構成のしかたがおしゃれだなと感じます。
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