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世界の果てのこどもたち の商品レビュー

4.4

46件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2026/03/25

素晴らしい作品だ。 本書は、戦時中の満州で、全く異なる境涯の3人の女の子たちが出会うところから始まる物語。 戦争の過酷さ、無慈悲さが彼女たちを翻弄する。 しかし、それでも本作は、生きる希望の物語だ。 高知の貧村から、「分村」政策により開拓移民として家族と共に満州に渡った珠子。...

素晴らしい作品だ。 本書は、戦時中の満州で、全く異なる境涯の3人の女の子たちが出会うところから始まる物語。 戦争の過酷さ、無慈悲さが彼女たちを翻弄する。 しかし、それでも本作は、生きる希望の物語だ。 高知の貧村から、「分村」政策により開拓移民として家族と共に満州に渡った珠子。 皇民化政策により日本の教育を受け、満州に移住した美子。 横浜の裕福な貿易商の家庭に生まれ、ほんの少し満州を視察旅行しただけの茉莉。 この3人が一緒にいたのは、少女の頃の本当にいっときだけ。 だが、その時の記憶が、彼女たちのその後の過酷な人生を生きていくともづなとなる。 本書には、幾度となく「記憶」が出てくる。 私が生まれてくることを喜んでくれた人たちの記憶、幼い頃に一緒に暮らした記憶、愛してくれた記憶、懐かしみ、再会を待ち望んでくれていた記憶… どんなに人生が過酷でも、誰かを想う気持ちや、誰がに想われていることが、生きていくよすがになる。 人は、人に想われることで、その人の記憶の中に刻まれることで、生かされる。生きてきて良かったと思える。生きていこうと思える。 本書の特徴の一つは、徹底的なリアリズムにある。 筆致は抑制の効いた文体で、読者の感情を煽ることはない。淡々と、出来事が記されていく。 また、満州や、そこで生きた人たちの戦時中や戦後の生活についても徹底的に調べ抜いたのであろうと感じさせる、自然かつ詳細な描写が全編にわたる。 本書の登場人物の人生が、単なる作り話とは思わせない力がある。 だから、読んでいて辛い箇所も多い。 でもだからこそ、本書に満ちる希望のこともまた、信じることができる。 人生で読むべき一冊を読んだと、素直にそう思う。

Posted byブクログ

2026/03/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

茉莉が戦争体験を通して弱い立場の人の心を理解できるようになり、不遇な生まれの子どもを大切に育てていく姿に胸をうたれた。 一方で、こんな辛い体験をせず、当たり前に自分の幸せを追求して幼い頃の夢(お嫁さん)を叶えて欲しかったという気持ちも強く残った。

Posted byブクログ

2025/06/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

戦時中の3人の女の子の物語。満州で出会い、別れ日本と中国でそれぞれの道を歩む。茉莉にとって、もう二度と戦争をしないということは、もう二度と、母や父たちが焼き殺されたりしないということだった。そんなことを子供に思わせてしまう。恐ろしい。ただただ恐ろしくて、悍ましい。それが戦争ということを思い知らされる。そして、異国から戦争の為に移らせれ暮らすこと。その難しさも。 力のない子どもに、戦争は容赦がない。そんな戦争がもう二度と起きてはならない。

Posted byブクログ

2025/06/02

もう少しほのぼのした物語だと思ったから読み進めるのが辛くなるくらいに戦争による悲惨な物語だった。中国、朝鮮、日本と国をまたがって少女時代に出会った3人の生き様を体感したような気分になった。後半に伏線が回収されていくのでもう一度サラッと読み流していた前半を再読したくなった。戦争とい...

もう少しほのぼのした物語だと思ったから読み進めるのが辛くなるくらいに戦争による悲惨な物語だった。中国、朝鮮、日本と国をまたがって少女時代に出会った3人の生き様を体感したような気分になった。後半に伏線が回収されていくのでもう一度サラッと読み流していた前半を再読したくなった。戦争という黒歴史の現実を知り教科書では知り得ないものを得た気がする。

Posted byブクログ

2025/03/01

 これを読むと大人の始めた戦争で罪のない子供たちが苦しい思いをしなくてはならないって、すごく感じます。中国残留孤児については、一時よくテレビのニュースで言葉を耳にしたので、知っている言葉だと思っていましたが、これを読んで私は全然わかってなかったんだって思いました。在日朝鮮人につい...

 これを読むと大人の始めた戦争で罪のない子供たちが苦しい思いをしなくてはならないって、すごく感じます。中国残留孤児については、一時よくテレビのニュースで言葉を耳にしたので、知っている言葉だと思っていましたが、これを読んで私は全然わかってなかったんだって思いました。在日朝鮮人についても同じです。早く戦争のない世界になってほしいと思います。

Posted byブクログ

2025/02/05

2016年本屋大賞3位。第2次大戦中に満州で出会った3人の女の子たち。その後生き別れ、苦悩しながら懸命に生きる姿を描く。フィクションではあるが、膨大な調査をもとに、戦争の真実を語り継ぐ貴重な1冊。

Posted byブクログ

2024/11/25

戦時中に満州で出会った三人の娘達の激動の人生 以下、公式のあらすじ --------------------- 戦時中、高知県から親に連れられて満洲にやってきた珠子。言葉も通じない場所での新しい生活に馴染んでいく中、彼女は朝鮮人の美子(ミジャ)と、恵まれた家庭で育った茉莉と出会...

戦時中に満州で出会った三人の娘達の激動の人生 以下、公式のあらすじ --------------------- 戦時中、高知県から親に連れられて満洲にやってきた珠子。言葉も通じない場所での新しい生活に馴染んでいく中、彼女は朝鮮人の美子(ミジャ)と、恵まれた家庭で育った茉莉と出会う。お互いが何人なのかも知らなかった幼い三人は、あることをきっかけに友情で結ばれる。しかし終戦が訪れ、珠子は中国戦争孤児になってしまう。美子は日本で差別を受け、茉莉は横浜の空襲で家族を失い、三人は別々の人生を歩むことになった。 あの戦争は、誰のためのものだったのだろうか。 『きみはいい子』『わたしをみつけて』で多くの読者に感動を与えた著者が、二十年以上も暖めてきた、新たな代表作。 --------------------- 私はこの時代に生まれていたとしたら、こんな過酷な状況の中、それでも生きていたいと思えただろうか?と考えた 戦中もさることながら、戦後も決して安心できるような社会ではなかったし、寧ろ更に過酷な生活の始まりでもあったんだよな 一方で、現地中国人の心境を思えば、先祖代々の土地を奪われ、日本軍の言いなりになっていたけど、日本軍が撤退したので奪われたものとその損を取り返したというものなのでしょうね 珠子視点では、戦後の中国のあれこれがわかる 中国残留孤児、文化大革命、大躍進政策などの実態など 日本語を忘れるような環境、そして日本に帰国してからの生活の大変さ むしろ、中国にいた方がよかったのではとも思える 私が子供の頃は中国残留孤児が帰国というニュースがたびたび目にした事があったけど、一概に日本に帰国できたことが幸せとは言えない状況でもあり得るのですね 美子視点は、日本の在日問題のあれこれが今までとは違った視点で見える 「祖国に帰れ」という暴言がどれだけ正確性があるのかどうか もしかしたら、祖国なんてものはもうどこにもないのかもしれない かと言って、日本に帰化という選択も躊躇われるのでしょうねぇ 茉莉の環境変化が一番ギャップがある 戦後は誰もが生きていくのに精一杯で、人のものを奪うのも自分のため家族のためというのはお互い様なんんだよな 子供の頃の約束のまま迎えに来てくれたけど、その手を取らなかった選択はなぁ 幸せになってもいいと思うだけどねぇ…… この本は読んでいて辛かった 内容もさることながら、眼の前ではないけれども、今もなお世界で戦争が起こっている事実があって そしてその被害を受けている人、そして子供がいる事を思い知らされる

Posted byブクログ

2024/08/21

2024/08/21 戦争の中で生きる子どもたちの様子。国籍や、その時の選択によってもたらされた状況がありそうだと思える。どこかの国を恨む感じでなく身の回りの出てくる人物目線で書かれているのがよかった。

Posted byブクログ

2024/03/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2016年本屋大賞第3位。 戦時中の満州で出会った珠子、茉莉、美子、3人の少女の、ほんのひとときの間、一緒に遊んで過ごしただけの3人の友情。 その後の壮絶な人生。 「中国残留孤児」言葉だけは何となく耳にしていたが、こうゆうことなのか、、と深く知る事ができた。 「死」が日常過ぎて、読んでいて辛く重く、悲壮な表情の読者タイムだった。 ただ、ラストに珠子が日本の産みの母との、、そのシーンは号泣、、。 北朝鮮拉致被害の横田さん夫妻を想起させた。 なんとも重みのある小説だった。

Posted byブクログ

2023/11/01

2016年本屋大賞三位。 過酷なエピソードばかりだったが、ラスト、また3人で穏やかにお茶を飲める、奇跡の様なひとときが眩しかった。 入念に取材し、丁寧に紡がれた素晴らしい作品でした。

Posted byブクログ