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暗幕のゲルニカ の商品レビュー

4.2

584件のお客様レビュー

  1. 5つ

    216

  2. 4つ

    244

  3. 3つ

    83

  4. 2つ

    13

  5. 1つ

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2024/08/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

全体的に悪くなかったな、という感想。戦争や正義、そしてアートについて考えさせられる作品だった。 過去パートは面白かったが、現代パートは途中で失速した感じがする。 個人的にはルースがパルドに「提案」を持ちかけた辺りが現代パートのピークだったと思う。 その後出てきたテロリストたちに関してはどうしても舞台装置という印象がぬぐえなかったし、最後の結末に関してもだからどうなんだ?と感じてしまった。 ただ、これに関しては私に戦争やテロ、アートに対する思い入れがそんなにないのも原因かもしれない。 ただ、過去パートでのピカソやドラ、パルド達それぞれの情熱や、戦争が否応なく近づいてくる中での息詰まるような空気感の描写は見事だった。 前作の『楽園のカンヴァス』はもう少しエンタメ寄りだと聞いたので、いつかそちらも読んでみたい。

Posted byブクログ

2024/08/20

楽園のカンヴァスに引き続きのアートミステリー。 …というよりは、反戦に向けてのメッセージ性の方が強く感じる作品。 ゲルニカが何たるかもわからない状態で読み始めたので、ある意味世界史や美術史の勉強にもなったし、興味をもつきっかけにもなったので、アートに抵抗がある人にもぜひお勧めした...

楽園のカンヴァスに引き続きのアートミステリー。 …というよりは、反戦に向けてのメッセージ性の方が強く感じる作品。 ゲルニカが何たるかもわからない状態で読み始めたので、ある意味世界史や美術史の勉強にもなったし、興味をもつきっかけにもなったので、アートに抵抗がある人にもぜひお勧めしたい一冊。 戦時中×9.11直後の情勢ということもあり、かなり展開はスピーディーかつ予想を上回る展開で楽しめました。 もう原田マハ全制覇したいくらい!

Posted byブクログ

2024/08/19

ピカソのこと好きになりかけた。 そして泣けた。 ゲルニカが世界を動かせるほど写真的でメッセージ性が強いんだからみんな戦争なんてやめようね。 楽園のカンヴァスを先に読んでいてよかった〜ティム…!嬉しい

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2024/08/15

原田マハさん、アート作品はさすが、これまで読んだ作品はどれも面白くて一気に読んでしまう。アートの力に魅せられます。この作品も最後まで飽きなかった一冊。

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2024/08/14

いつまでも懲りずに戦争をし続ける人間だけれど、どこまでも諦めずに戦争と戦い続ける人間もいる。 楽園のカンヴァスで、「この人は○○だったのか!」の驚きがあったけれど本作にもあり。 そしてティム・ブラウンにまた出会えて嬉しい。

Posted byブクログ

2024/08/09

楽園のカンヴァスがとってもおもしろかったので、少し開きましたが読めてよかったです。美術にはまったく明るくなくて、勉強になることばかりでした。 芸術は飾りではなく戦うための武器、という言葉が、一冊を通して何度も何度も訴えかけてくるようでした。 ゲルニカは私たちのもの。私たちが憎むの...

楽園のカンヴァスがとってもおもしろかったので、少し開きましたが読めてよかったです。美術にはまったく明るくなくて、勉強になることばかりでした。 芸術は飾りではなく戦うための武器、という言葉が、一冊を通して何度も何度も訴えかけてくるようでした。 ゲルニカは私たちのもの。私たちが憎むのは戦争そのもの。 とても読みごたえがありました。

Posted byブクログ

2024/08/08

ドキドキわくわくしながら読み進めた。 ピカソのゲルニカについて漠然と戦争というテーマなのは知っていたけど深く考えたことはなかった。 物語としても面白くぜひ今読んでほしい。

Posted byブクログ

2024/08/04

人の感情に1番訴えるのは言葉って思っていたけど、アートによって伝えられたメッセージって心にずどんときて、言葉だけでは感じられないようなパワーがある。 1枚の絵の力をこんなにも感じさせる物語はないんじゃないかな。 ドラの視点が自分にはとても響いて、弱さもあるのに強く美しい自分を保つ...

人の感情に1番訴えるのは言葉って思っていたけど、アートによって伝えられたメッセージって心にずどんときて、言葉だけでは感じられないようなパワーがある。 1枚の絵の力をこんなにも感じさせる物語はないんじゃないかな。 ドラの視点が自分にはとても響いて、弱さもあるのに強く美しい自分を保つ姿がとても素敵だった。

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2024/08/04

ピカソがゲルニカに込めた反戦への想い、 それを守る者たちの情熱に 熱いものが込み上げた アートには力がある この本を読むまでは ゲルニカに対して 『戦争の絵』 のイメージしかなかった 『ゲルニカ』の意味さえ知らなかった 暗幕のゲルニカは重いテーマだったけれど ピカソへの強い敬...

ピカソがゲルニカに込めた反戦への想い、 それを守る者たちの情熱に 熱いものが込み上げた アートには力がある この本を読むまでは ゲルニカに対して 『戦争の絵』 のイメージしかなかった 『ゲルニカ』の意味さえ知らなかった 暗幕のゲルニカは重いテーマだったけれど ピカソへの強い敬意を感じた マハさんのアートミステリー面白いなあ

Posted byブクログ

2024/07/30

アメリカでの同時多発テロ後のイラク攻撃の会見時、背後にあるはずのゲルニカのタペストリーに暗幕がかけられていた出来事と、「ゲルニカ」制作の当時について描かれる物語 MoMAを舞台にしているので、前作の「楽園のカンヴァス」で活躍したティム・ブラウンも登場しているのは嬉しいですね ...

アメリカでの同時多発テロ後のイラク攻撃の会見時、背後にあるはずのゲルニカのタペストリーに暗幕がかけられていた出来事と、「ゲルニカ」制作の当時について描かれる物語 MoMAを舞台にしているので、前作の「楽園のカンヴァス」で活躍したティム・ブラウンも登場しているのは嬉しいですね 以下、公式のあらすじ ------------------------ 暗幕の下にこそ、決して目を逸らすことのできない真実がある ゲルニカを消したのは誰だ――? 衝撃の名画を巡る陰謀に、ピカソを愛する者たちが立ち向かう。現代と過去が交錯する怒濤のアートサスペンス! ニューヨーク、国連本部。イラク攻撃を宣言する米国務長官の背後から、「ゲルニカ」のタペストリーが消えた。MoMAのキュレータ ー八神瑤子はピカソの名画を巡る陰謀に巻き込まれていく。故国スペイン内戦下に創造した衝撃作に、世紀の画家は何を託したか。ピカソの恋人で写真家のドラ・マールが生きた過去と、瑤子が生きる現代との交錯の中で辿り着く一つの真実。怒濤のアートサスペンス! ------------------------ 過去と現在が交差して描かれる 9.11、イラク攻撃の決定、MoMAでのピカソ展にゲルニカの展示を巡る現代パート 第二次世界大戦当時、ピカソの愛人ドラ・マール視点でのゲルニカ制作からその後の経緯、そしてピカソとの別れまでのパート 巻末の注釈は下記の通り ---------------------- 本作は史実に基づいたフィクションです。 二十世紀パートの登場人物は、架空の人物であるパルド・イグナシおとルース・ロックフェラーを除き、実在の人物です。 二十一世紀の登場人物は、全員が架空の人物です。架空の人物には特定のモデルは存在しません。 ---------------------- 人物は架空ではあるけど、パウエル国務長官が会見する際に、ゲルニカのタペストリーに暗幕がかけられていたのは史実 (作中では人名がパワーになっている) 二十世紀パートも架空の人物が大部分で拘ってきているので、結構な部分が創作になっている はず 冒頭でピカソの言葉が引用されている 「芸術は、飾りではない。敵に立ち向かうための武器なのだ」 この言葉は事実なのでしょうけど 作中の他の言葉はどうなんでしょうね 万博や自分のアトリエでナチスの兵隊から「この絵を描いたのは、貴様か」と尋ねられて、「いいや、この絵の作者は、あんたたちだ」と答えるシーンがある カッコいいなぁという思いと、もしかして逮捕されるのでは?という恐れを感じるけど 果たしてこのやり取りも史実なのだろうか? ゲルニカの移動に関するやりとり ルースの提案は、とある場所に本物の「ゲルニカ」を掲げること 作中で何度も問いかけられておる「ゲルニカは誰のものか?」 「私たちのもの」という答えがそれなのだろうなぁと思う ただ、国連も皆のものではないんだけどね 過去や現在の立ち位置からしても、決して地球人類全員の総意とは思えないしなぁ 何というか、欺瞞を感じる 現実でも、今尚解決をみないウクライナやパレスチナとイスラエルの問題 所詮は大国同士の政治闘争の場所でしかないように思う だからこそ、決してこのような酷い状況を起こしてはいけないという戒としての意義があるのかも? あと、あの人の境遇について バルドよ、ちゃんと面倒を見るというか、見守ってないからあんな事になったのでは?と思う 美術品については責任を持つけど、人に関しては雑な対応に思える そこら辺の設定はなんかモヤモヤする

Posted byブクログ