寝ても覚めても 増補新版 の商品レビュー
朝子の視点で切り取られる街のにおいや音。現在よりも遡ったところから始まるので、おそらくその時期だろうと思いながら読む。当時の空気を感じながら。物語の進捗をテンポよく感じるというより、じっくり一枚一枚絵や写真を眺めるような小説。『フランスの港町でパステルカラーのお揃いの服を着た美人...
朝子の視点で切り取られる街のにおいや音。現在よりも遡ったところから始まるので、おそらくその時期だろうと思いながら読む。当時の空気を感じながら。物語の進捗をテンポよく感じるというより、じっくり一枚一枚絵や写真を眺めるような小説。『フランスの港町でパステルカラーのお揃いの服を着た美人姉妹の恋物語』のタイトルが何であるか、そしてこれがマイベストムービーのひとつであること、外国のサッカーリーグの『しましまのユニフォーム』はもしかして、白黒?とかそんな部分がふと楽しい。後半はどこか夢のような印象がずっとあった。
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再読。映画を観てから読んだ。麦と亮平はもう東出くんのイメージ。川の描写が出ると主題歌を思い出す。ラストのスピード感はやっぱり凄まじい
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映画を観た後読んだ。映画を観た人は朝子に感情移入できないと言い、嫌いだという。俺は感情移入出来ていなかったと思うけど、感情の流れは把握出来て、こういう考え方の人もいるんだくらいだった。でも原作ではめちゃめちゃ嫌いになった。特にばくからパンを奪って勝手にフェードアウトするところが最...
映画を観た後読んだ。映画を観た人は朝子に感情移入できないと言い、嫌いだという。俺は感情移入出来ていなかったと思うけど、感情の流れは把握出来て、こういう考え方の人もいるんだくらいだった。でも原作ではめちゃめちゃ嫌いになった。特にばくからパンを奪って勝手にフェードアウトするところが最悪。服とかも私に似合うと思って着たとかエゴ・自分中心感が凄い。途中途中の景観文章とかも本文とのリズムに対してノイズだとしか感じなくて合わなかった。映画がどれだけ人に対して真摯に向き合って対話している作品なのかが分かった。本だと映画以上に主観だから、感情移入したしないの観点が大きくなる? 本だから果たしてばくと亮平が似てる似てない分からないというカラクリは良かった。
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途中まで読んで、映画観て、そして読み終えた。総括感想としては、映画と小説は表現手法において同じではないってこと(当たり前ですが)。すなわち映画も独立して面白く(そうでなくっちゃ!)、小説もなんかこう不思議ワールドに引き込まれる感じで読んでいてとても心地よかった。(鉛筆線いっぱい引...
途中まで読んで、映画観て、そして読み終えた。総括感想としては、映画と小説は表現手法において同じではないってこと(当たり前ですが)。すなわち映画も独立して面白く(そうでなくっちゃ!)、小説もなんかこう不思議ワールドに引き込まれる感じで読んでいてとても心地よかった。(鉛筆線いっぱい引いたよ。) 内容に関しては、映画には映像の現実的なリアリティが描かれ、小説には文章による夢見るようなリアリティがあった。そのいずれにも、人とは何か? 人が正直に生きる、あるいは愛するということはどういうことか? そんな根本命題を否が応にも考えさせる迫力がありました。小説の文章表現の新鮮さに驚き、かつ愉楽した。
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あなたを「あなた」たらしめているものは何なのか? 冒頭の一文の通り、脇役もエキストラも「ぼやけたり適当に雑になったりしないで細かいところまで手を抜かずにきっちり」描かれているから、この結末でも納得がいくと思った。
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