ギケイキ の商品レビュー
義経とか弁慶の話をあまり掘り下げて読んだことがないので、町田康の手によって生まれ変わった本作で触れてみることに。本一巻では、二人が出逢うまでの少年期が中心に描かれている。”こんなん、無敵やん”っていう義経の早業をはじめ、荒唐無稽な場面も頻出するけど、徹底的に遊び心を盛り込むことで...
義経とか弁慶の話をあまり掘り下げて読んだことがないので、町田康の手によって生まれ変わった本作で触れてみることに。本一巻では、二人が出逢うまでの少年期が中心に描かれている。”こんなん、無敵やん”っていう義経の早業をはじめ、荒唐無稽な場面も頻出するけど、徹底的に遊び心を盛り込むことで、完全なエンタメ作品として生まれ変わっている印象。崩れ過ぎてて読みづらく感じるところもありはするけど、逆にここまでいききっているからこそ、スイスイ読めるってのはメリット。
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源義経の独白録。母の常盤御前が平清盛に色仕掛けで自らと息子達の命乞いをしたとか、義経自身が牛若と呼ばれた幼少時に鞍馬を含む京都中の僧から男食の標的になったとか、そもそも巷間に言われることがこれ以上余計な設定不要。今だと厨二病と揶揄されるだろう独白が残っていて、更に町田康の文体で書...
源義経の独白録。母の常盤御前が平清盛に色仕掛けで自らと息子達の命乞いをしたとか、義経自身が牛若と呼ばれた幼少時に鞍馬を含む京都中の僧から男食の標的になったとか、そもそも巷間に言われることがこれ以上余計な設定不要。今だと厨二病と揶揄されるだろう独白が残っていて、更に町田康の文体で書き連ねるのだから面白くないわけがない。確かに面白い。しかしそれだけ。一気に読まないと一晩や一日置いたら途端につまらなくなる。他愛ない人物、義経ってのは。平家憎しの勢力に利用されただけの生涯なんだな。頼朝との対面は次巻以降だそうな。
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義経について知識がまったくない私でも楽しく読めた。とてもありがたい。町田康さんの小説、いつもながら読者を楽しませるサービス精神がすごい。心情の描写も事細かで、あるある、という心情を的確に描いていて面白い。早く続きが読みたい。
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