過ぎ去りし王国の城 の商品レビュー

宮部みゆき(編者)

2023/04/07

綺麗な世界だけど、どことなく寂しい感じがして…
多分、もっと歳をとってたら、外の色んな世界に触れて楽しいものや好きな事がよりたくさん見つかっていれば
仮に同じように絵に自分の世界を作っても、もっと賑やかで楽しいものにも変わったのかな、と感じた

2023/03/11

不思議な話。
だけどそれだけではないとても重い話。
絵の世界に入れるなんてファンタジーな小説なのかなと思い手にしたけど、その世界ができたきっかけが悲しい。
接点のない登場人物たち。境遇も思いも違い、思い合ってるようですれちがいもある。ハッピーエンドともちがう終わり方でした。
作者の宮部さんも、物語を書きながらその世界に行ってしまうことはあるのだろうか。

2023/02/02

中学生の子にあげるために読んで購入。力量のある作家の本をたくさん読んで心も頭も豊かになってほしいなと思います。お花畑のファンタジーじゃない、底知れぬ悲しさや辛さがある中でのファンタジーと救いのある世界がいいんだよね。

2023/01/21

絵のなかに入るまでは繊細でファンタジー小説として楽しめる

この絵の世界の意味は実は美しいものではなく人間の裏側を描いていた…

後半、主人公そっちのけでバタバタと解決してしまうのが勿体無かった

2023/01/10

【2023年6冊目】
現実はそうそう、バタフライエフェクトのように単純にはいかない。一人の人間に起こった変化が他人の人生を好転させるなんてのは稀だ。けれど行動を起こしたからこそ、少しずつ変化が訪れる。それは、他人から見れば小さな変化に過ぎないが、本人からすると大きな第一歩だったりする。

人生は選択の連続で、一度の選択でもうやり直せないことだってたくさんあるけれど、かといって行動しなくては何も始まらないものだ。

全てがまぁるくハッピーエンドに収まる物語ではないものの、三人の他人が起こした行動で、一人の人間が笑顔になれた。やっぱり人は繋がっているのかもしれない。

2022/11/15

銀行で拾った、不思議な城の絵。

絵の中に入り込める上に、入った後
恐ろしくエネルギーがなくなっている。
普通なら、恐ろしくて捨ててしまいそうなものですが
さすが学生、というべきなのか。

城の中にいるのは誰なのか。
一体何故城にいるのか。
当然の事ながら、そこが徐々に分かっていって
絵の秘密がわかっていくのですが
色々なハラハラがあって、どうなるのかどうするのか
非常に気になる展開でした。

2022/10/04

ファンタジー好きにはたまらない設定。じわじわと城の絵の謎が増えていって、それを考察できる感じが良かった。ただ、伏線回収らしき要素はなくて、最後に急に謎が解けた感じだったから、ストーリーとしてはあっさりとした印象を受けた。もう少し捻りがあるとより読み応えがあった気がするなぁ。あと主人公の性格があまり好きになれなかったのが残念。
と言いつつ、ラストの結果にはちょっと感動した。世界は変わらなかったけど人が変わったっていうところも良かった。さわやかエンドで満足。

2022/09/18

あらすじも読まず、世界観も知らず、題名だけで読み始めました。

絵に入ることができるところから城田と組んで城を目指して、、、という序盤の展開的にもっと冒険たっぷりRPG的なお話なのかと思っていたら、案外そうでもなく

現実でも問題視されている虐待、育児放棄(ネグレクト)、誘拐、事件を巧妙にいかして不可思議な世界観を表現されていた
その点ではすごく引き込まれていくが、結末までの盛り上がりが少し弱い気がして、もったいないなあという印象で⭐️⭐️⭐️

2022/08/23

ラスト20ページでの、宮部節爆発な言い回しに大感動！！この粋な情緒こそが宮部みゆきなんですよ！

ご都合主義的に感じる箇所はたくさんあった。しかしリビングレジェンド/宮部みゆきがそこをスルーするはずがなく、もしやスポットさえ当ててないのか？と深読みさえしてしまう。

この作品のテーマは「変わりたい者と変わりたくない者」と感じました。

特に主役の真は変わりたくないんだろうか？それとも変わりたいけど踏み出せないんだろうか？ある意味1番大人なのかもしれないけれど、ラスト2行が彼の人間性を非常に奥深くさせている。彼が望んだ事なのだろうか？Noならばもっと勇気出せ！と言いたい。この終わり方は非常に印象的でした。後々までいい意味でモヤモヤがつきまとう作品、いいですね！！

2022/08/20

結末がよかった。
そこに至るまでは、偽善めいててイライラした。何があっても生きるのが正しい！っていう正義を振り翳して、古城に閉じこもる選択を外野から否定してくるのがお節介で。結末を経て、まあ根底の価値観はそれと変わりないんだけれど、精神論や偽善ではない現実的な解決策が実を結んでいるのがよかったなと思った。
結局現実を変えようとするのは城田の言うように「横着」で、パクさんのように自分が変わるしかない。
子ども向けのノリというか、三人称小説なのに地の文に真の独り言やツッコミが入ってくるのが個人的には鬱陶しかった。