過ぎ去りし王国の城 の商品レビュー
スケッチに惹かれるまでの描写が長かったが、不思議な絵の構造が徐々に明らかになる過程が面白かった。終盤で展開が凝縮していたものの、最後まで楽しむことができた。
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厳しい現実の中に突如として現れた絵の中の世界。必死に自分たちの頭で考え、もがこうとする主人公たちの強さに心打たれた。ファンタジー、ミステリー、青春の全てが詰まっている小説。
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やっぱり、宮部みゆきは面白い 決して軽くない内容をスラスラと 読ませる著者の技術は素晴らしいです。 内容はゲームっぽいファンタジーです 読了感もサッパリしており オススメしやすい本です
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安易な文章ではないのにスラスラ読める。 自分の本心を表に出すことのなかった真と城田さんが、親しくなるに連れ本心でぶつかり合っていく所が良かった。
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推薦で早々に進学が決まった中3の尾垣真が古城のデザイン画を拾った。絵の中にアバターを書き込むことよってその中に入れることがわかり、ハブられ女子で美術部員の珠美に描いてもらった。絵の中に冒険するうちにパクさんという漫画家のアシスタントと知り合い、塔の中に閉じ込められている女の子が10年前の失踪事件に絡んでいることに気づいた。中学生活のスクールカースト。理不尽ないじめ。大人の事なかれ主義。同調圧力。異質な意見を排除しようとする強いベクトル。絵の正体は恐しく苦しくなったが、干渉して救われた結果でよかった。
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ファンタジーも謎解き要素もある作品。 謎の絵の中に入れる事を知り、さらに数年前に行方不明になったとされる女の子が居る事が判明。そして、その女の子を元の世界に連れ戻す事を試みる。絵の中の世界が変わったら、現実の世界も変わってしまう。 自らの意思で絵の中に居る女の子を現実に連れ戻す事...
ファンタジーも謎解き要素もある作品。 謎の絵の中に入れる事を知り、さらに数年前に行方不明になったとされる女の子が居る事が判明。そして、その女の子を元の世界に連れ戻す事を試みる。絵の中の世界が変わったら、現実の世界も変わってしまう。 自らの意思で絵の中に居る女の子を現実に連れ戻す事が正しい事なのか、今の平穏な暮らしを危険に曝してまで成すべき事なのか。良い方向にも悪い方向にも、何も変わらない可能性もあるけど、自分だったらどうするだろう。ほんの少しの可能性に賭けて女の子の救出に向かうだろうか。どうだろう。 結果、女の子の周りで起きてる現実の世界以外は何の変化も起きてなかったわけだけど、それで良かったんだと思う。変わってないけど、何も変わってないわけではないし。これはこれで良かった。
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絵の中の城に入り込むというファンタジックな設定にはすごくワクワクしましたが、その城に隠された秘密はとても現実的なものでした…。自分の置かれた状況に納得していなくて今までの世界線を変えようとするパクさん&珠美と、今の世界を受け入れてこのままにしておこうとする真との対比に考えさせられました。自分だったら今までの世界線を変えるか変えないのか…。登場人物達それぞれの城に対する向き合い方を通じて、改めて今の自分が置かれた状況を考え直すきっかけになりました。
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2023.05.30 ★3.2 ↓↓↓内容↓↓↓ 中学3年の尾垣真が拾った中世ヨーロッパの古城のデッサン。分身を描き込むと絵の世界に入り込めることを知った真は、同級生で美術部員の珠美に制作を依頼。絵の世界にいたのは、塔に閉じ込められたひとりの少女だった。彼女は誰か。何故この...
2023.05.30 ★3.2 ↓↓↓内容↓↓↓ 中学3年の尾垣真が拾った中世ヨーロッパの古城のデッサン。分身を描き込むと絵の世界に入り込めることを知った真は、同級生で美術部員の珠美に制作を依頼。絵の世界にいたのは、塔に閉じ込められたひとりの少女だった。彼女は誰か。何故この世界は描かれたのか。同じ探索者で大人のパクさんと謎を追う中、3人は10年前に現実の世界で起きた失踪事件が関係していることを知る。現実を生きるあなたに贈る、宮部みゆき渾身の冒険小説!
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思ってたのと違ってた。ファンタジー、ファンタジーしたモノかと思いきや、意外にもミステリーの要素が入っていた。 高校を推薦で安易に決めてしまった真が、おつかいで頼まれて行った銀行で気になる絵を見つけて持って帰ってしまう。古城が描かれたスケッチ画。 ある時その絵にしかけがあることに気...
思ってたのと違ってた。ファンタジー、ファンタジーしたモノかと思いきや、意外にもミステリーの要素が入っていた。 高校を推薦で安易に決めてしまった真が、おつかいで頼まれて行った銀行で気になる絵を見つけて持って帰ってしまう。古城が描かれたスケッチ画。 ある時その絵にしかけがあることに気づく••• ファンタジーはやがて、現実のある事件と折り重なっていく。 最後はスピード感があってヒヤヒヤした。 そしてじんわりしたラスト。 “市井の人々”という言い方があるけど、その一括りにされてる人達のそれぞれに生活があり、人生がある。何者になるか、自分にはどんな使命があるかなど考えることもなく、ただ毎日を必死で生きていく大勢の人たち。そうして生きていくことが大事なのであって、どんな状態が成功なのかなんて分からない。 そんな事を思わされた。
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もしも絵の世界に入れたら、もしも異世界にいけたら、誰もが1度は想像を膨らませたことがあるテーマだと思う。 現実にやり切れない思いを抱える3人の登場人物が、異世界での体験を通してほんの少しだけ自身の現実を乗り越える、しかしながらあくまで主軸は現実世界にあり、劇的な変化が生まれる訳でもないところもこの本の魅力だと思った。
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