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その話は今日はやめておきましょう の商品レビュー

3.8

41件のお客様レビュー

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2024/03/08

意外な結末だった。 タイトルやジャケットも謎めいていて、怪しい雰囲気だったからだ。 作品は登場人物のゆり子、昌平、一樹のそれぞれの視点から描かれており、描写が丁寧で気持ちやその変化が読み取りやすかった。 老人=弱い立場=憐みのイメージが最後にはいい意味で払拭されて清々しい気持ち...

意外な結末だった。 タイトルやジャケットも謎めいていて、怪しい雰囲気だったからだ。 作品は登場人物のゆり子、昌平、一樹のそれぞれの視点から描かれており、描写が丁寧で気持ちやその変化が読み取りやすかった。 老人=弱い立場=憐みのイメージが最後にはいい意味で払拭されて清々しい気持ちになった。

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2024/02/08

素敵過ぎる老夫婦。本当は優しい?のかよくわからない一樹。現実感ないまま終わった。 お隣さんと、息子が死んだって言いに来た人はなんだったん??

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2024/01/27

70代前半の夫と60代後半の妻が老夫婦といえるのか微妙なところだが、若者から常に憐れまれ、蔑まれてると半ば自意識過剰になってるのが寂しい。 「その話は今日はやめておきましょう」と怖いこと不安なことから目を背け、後回しにして、気にしないと決めて問題に蓋をしてしまうと、小さな綻びが...

70代前半の夫と60代後半の妻が老夫婦といえるのか微妙なところだが、若者から常に憐れまれ、蔑まれてると半ば自意識過剰になってるのが寂しい。 「その話は今日はやめておきましょう」と怖いこと不安なことから目を背け、後回しにして、気にしないと決めて問題に蓋をしてしまうと、小さな綻びがそのうち取り返しのつかない問題に発展してしまうという内容。 若者に引け目を感じている夫の昌平が、何かを吹っ切ったかのように3人の若者に話しかけに行き、結果的に何も恐れることはなかったのだと、3人と楽しく話ができたシーンと、 自分たち夫婦を騙した一樹に、妻のゆり子が最後の電話をかけるシーン。 これをきっかけにこの夫婦は何かが変わっていくんだろうな。 盛り上がる部分は無いけど、登場人物の心情が丁寧に表現されていて、こちらも感情移入したり、第三者目線で傍観したりしながら一気に読めました。

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2023/08/15

相手のことを想って、あるいは自分のエゴのために、またあるいはただ面倒臭いことから目を背けたくて、後回し後回しにしていた問題が最終的に爆発して、取り返しのつかないことになる。そんなお話。あらすじにするとなんてことないけど、なんてことのないテーマでこんな豊かな一冊の本が書けてしまう井...

相手のことを想って、あるいは自分のエゴのために、またあるいはただ面倒臭いことから目を背けたくて、後回し後回しにしていた問題が最終的に爆発して、取り返しのつかないことになる。そんなお話。あらすじにするとなんてことないけど、なんてことのないテーマでこんな豊かな一冊の本が書けてしまう井上荒野さんはやっぱりすごいなぁと思う。奇を衒うわけでも、目立とうとするわけでもなく、日常性の静寂の中からじっくりと時間をかけて人間の本性が炙り出されてくるような作品。

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2023/08/11

定年後の夫婦の趣味としてクロスバイクを楽しんでいた昌平とゆり子。 昌平が交通事故で骨折してしまい、通院やリハビリ、これからの生活のことで不安に駆られるなか 夫婦が出会ったのはかつてサイクルショップで見た一樹という青年だった。 一樹に通院や家の手伝いのアルバイトを頼むことになり...

定年後の夫婦の趣味としてクロスバイクを楽しんでいた昌平とゆり子。 昌平が交通事故で骨折してしまい、通院やリハビリ、これからの生活のことで不安に駆られるなか 夫婦が出会ったのはかつてサイクルショップで見た一樹という青年だった。 一樹に通院や家の手伝いのアルバイトを頼むことになり、彼の素性や知らないままだったが、関わっていく中で彼に対する信頼はゆるぎないものだった。 大楠夫婦はいい人たちで、たとえ衝動的に破滅的な思いに駆られたとしても、決して彼らを裏切れないと思っていた一樹だったが、 出来心からゆり子のジュエリーを盗んでしまい、悪い友達にそそのかされ金銭の要求にまで及んでしまった。 老いていく体。残された時間。 結婚し子供が独立し、お金にも多少の余裕があり、夫婦水入らずの静かな時間に突如あらわれた、魔が差した青年の存在。 誰もが老いていくのは事実で、私も身を引き締められたような感じ。 恐喝で目が覚めるゆり子、大楠夫婦の決断が、よかった。 甘いよとかもっと早く警察に言うべきとか思うんだけど、一樹を信用していたからこその行動が、またリアルで、荒野さんすごいです。

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2023/02/11

いつもどんよりとした曇天を連想する井上作品 今回もそこかしこに不穏な空気が漂っていました。 72歳の昌平、69歳のゆり子、二人が住む一軒家で通いの家政夫として働く事になった若者、石川一樹、この3人を軸として物語は展開します。 どこにでもいそうな人の良い初老の夫婦が、一樹と関わ...

いつもどんよりとした曇天を連想する井上作品 今回もそこかしこに不穏な空気が漂っていました。 72歳の昌平、69歳のゆり子、二人が住む一軒家で通いの家政夫として働く事になった若者、石川一樹、この3人を軸として物語は展開します。 どこにでもいそうな人の良い初老の夫婦が、一樹と関わる事で気持ちが揺れ動きます。 根は「いい子」隣人とのトラブルを小気味よく解決したり頼まれた仕事は快くこなす、その反面、厭世的で暴力的、自暴自棄な面もある一樹 一樹の危うさと、「老人」と呼ばれる事に抵抗を持ち、老いに逆らおうとする夫婦の感情がリンクしてそこにリアリティーを感じます。 実際に存在しているかの様な登場人物様、それぞれの心理描写が秀逸で絶えず脳内映像で場面が見えた作品。

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2023/01/25

自分にとっての近未来のリアルを示された気分。それだけに終わり方がありがたい。映画『パラサイト』を、縮み志向&曖昧な含みで日本的にリメイクするとこんな感じになるのかなと思った。何にせよ文章がうまい。

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2022/07/08

リタイア後の老夫婦と、一人の青年の物語。青年は仕事もなくただそのひぐらしで生活していたが、ひょんなことから老夫婦のところで、「何でも屋」として、小遣いを稼ぐようになる。 元々不器用だが性格は悪くない青年は、自分のできることで、老夫婦の生活をささえていくが、方や心のどこかで彼らを...

リタイア後の老夫婦と、一人の青年の物語。青年は仕事もなくただそのひぐらしで生活していたが、ひょんなことから老夫婦のところで、「何でも屋」として、小遣いを稼ぐようになる。 元々不器用だが性格は悪くない青年は、自分のできることで、老夫婦の生活をささえていくが、方や心のどこかで彼らを蔑む感情を持つ。 少しずつ、悪い感情と行動、またそれに徐々に気づきながら、彼の行動と決めつけたくない老夫婦。 性善説の中で揺れ動き、あるタイミングでそれらが衝突する。なんとも日常の中でありそうな、リアルな物語で不思議な読後感であった。

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2022/03/19

友達に貰って読む。最初 ン?骨折?自転車?同じような年代の話で他の本を放って読み進める。 若い、元気と思ってる私も、もうこの年代、若者から見たらこの本のようにうざったい存在なのだろう。気をつけて暮らさないと、荒野さんはよくも良くもこんな心理の本を書けるもんだ!流石小説家だわ 自分...

友達に貰って読む。最初 ン?骨折?自転車?同じような年代の話で他の本を放って読み進める。 若い、元気と思ってる私も、もうこの年代、若者から見たらこの本のようにうざったい存在なのだろう。気をつけて暮らさないと、荒野さんはよくも良くもこんな心理の本を書けるもんだ!流石小説家だわ 自分も年寄りの真っ只中気をつけて暮らさないとね。

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2022/01/24

7/100 リタイア後の趣味で知り合った若者と初老夫婦の関わりの中で人の優しさと信頼感… 「それ、あるあるー」 「分かる分かるー」 と共感を得る中で相手の心を考えていきたい。

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