ほぼ命がけサメ図鑑 の商品レビュー
サメの出産について知ってからというもの、サメが気になって仕方なくなり、いろいろ読んだ。これもその一つ。 やっぱり、わからないことが多いのだということがわかった。大きさがそもそも20センチ(ツラナガコビトザメ)から17m(ジンベエザメ)と幅がある上、生息域も様々、種類も多い。サメは...
サメの出産について知ってからというもの、サメが気になって仕方なくなり、いろいろ読んだ。これもその一つ。 やっぱり、わからないことが多いのだということがわかった。大きさがそもそも20センチ(ツラナガコビトザメ)から17m(ジンベエザメ)と幅がある上、生息域も様々、種類も多い。サメは卵を産むものもいるが、変な形で(ネコザメのドリル型、ナヌカザメの人魚の財布)中に入っている卵は少なく、孵化するのにも時間がかかる。母胎内で子ザメが生まれて、ある程度成長してから出産するものの中には、卵黄を栄養とするのはまだ想像の範囲だが、胎内で母が産んだ未受精卵をエサとして食べる、ミルクのような分泌物を飲む、胎盤から臍の緒を経由して育つ、(胎内で!)子ザメ同士が共食いするなど、奇想天外のバリエーションがあり、その過程は謎に包まれている。(妊娠期間も長い。体長2mのラブカは3年半) 「サメ」を「アジ」とか「犬」とかの範囲で捉えてはいけないのではないか。「哺乳類」くらいの大きさがふさわしいのではないかとか思ったりする。哺乳類で変わった出産するのは単孔類くらいで、ネズミからゾウ、クジラまで同じように妊娠出産していることを考えると、サメすごいとしか言えない。 サメの顔を見てると、私たちと共通の感情を待っているとは思えず、その得体の知れない感じも非常に面白いと思う。ただ、私たちとは違うというだけで「凶暴」とか「残酷」というわけではない。(そもそも残酷なことをしてたのしむ感情を人間意外が持っているとしたら、チンパンジーくらいじゃないかと思う。)サメはただそういう生き方なのだ。「凶悪」のレッテルを人間がサメに貼ったせいで(「ジョーズ」以降)、たくさんのホホジロザメが殺されてしまった。それが海の生態系に与えた悪影響は、人間はすぐに気がつかないだけに恐ろしい。人間が勝手に怖がって殺したせいで、海は大変なことになってるよ!って海の生物が言わないだけ。 昔は滅多に見られなかった幻のサメがしょっちゅう目撃されるようになったり、漁業関係者や研究者は海の生態系の変化を感じているようだ。 海は陸よりずっと広く、人間が知らないことがたくさんある。今私たちに必要なのは、他の生物に対する畏敬の念ではないか。日常目にすることのない海の生物にはさらに想像力と敬意を持たねばならないと、読んでつくづく感じた。 著者のサメ愛にもその気持ちを感じた。
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サメといえば、人を襲う魚ってイメージを持っていたけど、それはほんの一部だけ。 フカヒレしか食べる所がないと思っていたので、 お刺身やフライなんかでも食べれると知り、今までもっていたサメのイメージがころっと変わりました!! サメ料理食べてみたいなー。
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タイトルに図鑑とあるけど実際には著者の体験を元にしたエッセイ本。海の生き物が好きなひとや子どもは楽しめると思う。鮮度の良いサメは美味しいらしいのでいつか刺身で食べてみたい。
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サメ好きな人がかいた、さめのこと。 人喰いザメはいない。 なんと1体でもメスは妊娠できる!? →5年間オスと接触しなかったメスが妊娠した
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沼口さんは、以前ニチテンで紹介されて、気になっていた。 題名に「ほぼ命がけ」(このタイトルは秀逸だと思う)とあるが、冒頭で沼口さんは「人食いザメ」なんてどこにもいません。と言っている。 映画「ジョーズ」の罪についても。 サメについてのぼんやりした怖そうなイメージを払拭できた。 国...
沼口さんは、以前ニチテンで紹介されて、気になっていた。 題名に「ほぼ命がけ」(このタイトルは秀逸だと思う)とあるが、冒頭で沼口さんは「人食いザメ」なんてどこにもいません。と言っている。 映画「ジョーズ」の罪についても。 サメについてのぼんやりした怖そうなイメージを払拭できた。 国内にこんなにサメが見られるダイビングスポットがあって、はやってるっぽいのも知らなかった。 個人的には、子どもの頃に浜辺でよく見たネコザメの項が良かった。 東海大の水族館、また行きたい。
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サメ好きには堪らない本 いつかホホジロザメを目の前で見てみたいなぁと。どちらかと言うと「怖いイメージのかっこいいサメ」が好きなので、ところどころ飛ばしてしまう部分もあったけどいろんな方面からサメを学べて楽しかった
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[江東区図書館] 面白い本がないかなと漁った大人(非子供)向け返却本コーナーで。 見るからに小学生向けじゃない?と目を惹いた背表紙の文言。「ほぼ」「命がけ」…(笑)ただ、その背表紙は分厚い。サイズもA5よりB5に近いサイズで小さめ。角川文庫の対決シリーズみたいな作りかと思いつつ...
[江東区図書館] 面白い本がないかなと漁った大人(非子供)向け返却本コーナーで。 見るからに小学生向けじゃない?と目を惹いた背表紙の文言。「ほぼ」「命がけ」…(笑)ただ、その背表紙は分厚い。サイズもA5よりB5に近いサイズで小さめ。角川文庫の対決シリーズみたいな作りかと思いつつパラ見してみると、思った以上に字のオンパレード!「本」だ! …先日机上においてあった絵本をパラ見していた中1の息子が、置いておけばこれも見るかもと思ったけれど、たとえめくってみても期待薄かなぁ、、、 たまたまめくったのが「だったら、サメのオスには「おちんちん」があるんですか?」と左ページに大きく1つの質問、めくった次のページからその答え(2つあるんだって!!予備か、左右どちらからでも交尾出来るようにするためか、真偽は確定されていないし損傷しただけか1つしかないものも発見されているが)、という造りの第1章(その時は全てそういう1問1答形式のクイズ本的造りかと思った)で、その答えに興味をもって立ち読みしてしまった勢いで、とりあえず借りてきてみた。 結果的に息子に読ませるという目論見は撃沈だったが、筆者の体験と共にサメの種類ごとに紹介されている第2章(図鑑部分)、筆者の各種の体験記をつづった第3章と、つい開いたページの文字が、概要を把握しようと開いた目次の文言が、次々と"読みたくなる"内容となっていて、自分としては借りてきて大満足、大正解。特に「サメ界ミライのエースたち」と題されて紹介されていた三人の子どもたちは、「サメの化石のことなら任せて!」「自宅で15種類のサメを飼育する」「1歳でサメに開眼」などと題されていて、"親"としては大変だろうけど羨ましいなぁとの気持ちを持ちながら拾い読みしてしまった。 残念ながら私自身にそこまでの情熱と時間がなく、頭から全部を通して読むことはしなかったが、この本は頭から読まなくても、ふと開いたページから、もしくは興味をそそる目次の言葉から、気になるところだけ拾い読みしていくだけでも十分楽しい。そしてついつい1項目だけ、と思いつつ2つ3つ、あっちもこっちも読みたい、と読み進めるとうっかり1冊読破してしまって、筆者の願うシャーキビリティ高めの人にこっちもなってしまっているかもしれない。
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サメ関連の本を読んだのは初めてだったが、初心者の知りたい疑問から、さまざまなサメの違いと生態、人との関わりなどエピソードを交えて書いていて、楽しく知識を増やすことができた。 シャーキビリティ(作者の造語。サメへの情熱のことを指す)が高まった。 ○
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東海大学海洋学部卒の筆者が「ジョーズ」によって人を襲う悪者のイメージがついてしまったサメに対する偏見を解き、愛しい魚類、そして絶滅危惧種にもなっている種が多いサメへの愛を語る。 シャークリスト必読?の書。
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サメなんて、ほぼ興味がなかったのに、タイトルと、表紙イラストに惹かれて思わず手に取ってしまった。 冒頭で「人食いザメへの誤解」を述べておきつつ、やはりサメを至近距離で観察する時は細心の注意が必要で、それはサメの生態を知り尽くしていないと危険である。(1ヶ月何も食べていないサメに出...
サメなんて、ほぼ興味がなかったのに、タイトルと、表紙イラストに惹かれて思わず手に取ってしまった。 冒頭で「人食いザメへの誤解」を述べておきつつ、やはりサメを至近距離で観察する時は細心の注意が必要で、それはサメの生態を知り尽くしていないと危険である。(1ヶ月何も食べていないサメに出会ってしまった時、成長過程によって凶暴になる時期があるなど。) 映画「ジョーズ」が、ホオジロザメが凶暴で人を襲うというイメージを植え付けてしまったが、それは誤解だという。 (本当に恐ろしいのは、サメよりもシャチ) サメに関する一問一答から始まる構成は、まずサメのことを知ってほしいといという著者の思いが、読み手の好奇心をくすぐる。 著者がサメを求めて世界中を駆け巡り、現地のチームとサメの生態を解き明かそうとする。水族館でのサメ、かと思えば、サメ好きの小学生を紹介したり、サメを食べる文化を紹介したりと、サメに関する事柄は多岐にわたる。 なんともマニアックな内容でありながら、手招きされるような、親しみを持って語りかけてくれる本だった。 サメって、こういう生き物なんだ!とaha体験ができる良書。
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