君の名前で僕を呼んで の商品レビュー
今のこの幸せな気持ちや状態がずっと続けばいいのに、と願うくらいの幸せの真っ只中にいる時、どうしてそれを失ってしまった後のことを恐れ心配してしまうのだろう。先に観た大好きなルカ・グァダニーノの映画との乖離はないながらも、心の動きを正確に捉えた文章によって、よりエリオの心情が詳らかに...
今のこの幸せな気持ちや状態がずっと続けばいいのに、と願うくらいの幸せの真っ只中にいる時、どうしてそれを失ってしまった後のことを恐れ心配してしまうのだろう。先に観た大好きなルカ・グァダニーノの映画との乖離はないながらも、心の動きを正確に捉えた文章によって、よりエリオの心情が詳らかになり、誰かを好きになったり、あの人になりたいと思うほどたまらなく憧れたりする時の気持ちを思い出す。エリオが後から語るという物語の進め方が、切なさや儚さを助長させていた。それは彼だったから、それは私だったから。 表情や情景だけでそれらを感じさせてくれる映画のことも、またさらに好きになった。
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正直、物語全体の性的な描写が多くて読み進めるのに少し時間がかかるほどだった。その上で人間のリアルを複雑に丁寧に表現されていてとても素敵だった。 訳書だが、文章自体がとても綺麗で、人間の恋愛感情の尊さや汚さをエリオ視点で素敵に描かれていた。 ハッピーエンドかどうかは断定できない...
正直、物語全体の性的な描写が多くて読み進めるのに少し時間がかかるほどだった。その上で人間のリアルを複雑に丁寧に表現されていてとても素敵だった。 訳書だが、文章自体がとても綺麗で、人間の恋愛感情の尊さや汚さをエリオ視点で素敵に描かれていた。 ハッピーエンドかどうかは断定できないが、エリオとオリヴァーの関係の終着点も綺麗だった。 恋愛したくなりました!
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青春小説で言い表せない、私にとって至高の一冊だった。まず、自殺願望や殺意すら湧く片想いの心理描写に、溺れるように引き込まれる。純文学的で好みは別れそうだが、この繊細で赤裸々な心理描写ほど小説の極みだと。エリオの心に四六時中駆け巡る思慕が、痛々しいほど生で綴られていく。 映画だと...
青春小説で言い表せない、私にとって至高の一冊だった。まず、自殺願望や殺意すら湧く片想いの心理描写に、溺れるように引き込まれる。純文学的で好みは別れそうだが、この繊細で赤裸々な心理描写ほど小説の極みだと。エリオの心に四六時中駆け巡る思慕が、痛々しいほど生で綴られていく。 映画だと軽薄に見えるオリヴァーだが、本書の後半では、彼の葛藤や優しさが伝わる。父の言葉もより説得力があり、原作読んで良かったと実感。 十二年後のシーンがすごい。愛の頂点に至って別れた二人にしかできない会話が聞ける。最後の一行まで容赦なく心に響き渡ります。
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切ない。二人が溶け合ってる感じがタイトルになってて良い。お父さんが素敵すぎて現実的ではないと思う。ほんと最後トドメの一撃感あって辛くなった。
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映画が好きで読み始めた1冊。 これくらいの、大人になる前の少年少女の思春期ならではの乱高下する情緒やふいに訪れる孤独感を持て余している様子を読むのが大好き! 文章が詩的で抒情的で、映画の場面を思い描きながら読めた。イタリアのあの風景が文章でも読めるのは嬉しい。そしてまさかエリオ...
映画が好きで読み始めた1冊。 これくらいの、大人になる前の少年少女の思春期ならではの乱高下する情緒やふいに訪れる孤独感を持て余している様子を読むのが大好き! 文章が詩的で抒情的で、映画の場面を思い描きながら読めた。イタリアのあの風景が文章でも読めるのは嬉しい。そしてまさかエリオの中にこんなにも熱い、時に変態的でともすれば気持ち悪いくらいの激情が、あんなに初期から秘められていたのにはびっくりした。 映画を見た時には、気に食わないけどなんか気になる存在、としてオリヴァーと出会うところから始まって、徐々に特別な感情が育まれているように見えていたので。 映画は小説と異なり、オリヴァーが突然かけてきた電話で結婚を報告するところ、気にしてない風にさりげなく祝福して受話器を置いたエリオが、ひたすら静かに涙を流し続けるシーンが長尺で流れる(これがもうめちゃくちゃ泣けるので映画見てほしい…!)から、20年後を読めてちょっとだけ救われた気持ちになりました。 「いちばん好きな人とは結ばれない」とはいうけど、この二人もまさにそうだったということか。 最後にあとがき。 高岡香さんのあとがきを読んでなぜか感動した。なんて作者を立てられる訳者さんなんだ、、
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夏の北イタリアの風や太陽、匂いまで感じられる気がした。個人的には走馬灯感のある物語が大好きだったりするので、彼らの過ごした夏の期間よりも20年後の場面の方が胸にくるものがあった。
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数年前に映画を観たけれど、読み取れていなかった細かな心情がありありと描写されていて再発見が多かった。 読み進めていると夏のイタリアにトリップした感覚。この時期読むのがぴったりであった。
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ずっと読みたかった一冊。 だが、何故ここまで評価が高いのか不思議。 最後の1ページだけは好きだった。
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LGBTの方々が自然ではないと感じて、葛藤することについて、マジョリティ側からは見えにくいことに気付かされました 主人公が幸せなのかどうかは明示されていないものの誰かと愛し合った記憶は心を温めて続けてくれるのだと感じさせるエンディングでした
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「放っておけば自然に治るものを、もっと早く治すために心の一部をむしり取ってしまえば、三十歳になる頃には心が空っぽになり、新しい相手と関係を始めようとしても相手に与えられるものがないことになる。」 喪失と経過の向き合い方に正解が無いのが分かる。あるのはただパラレルのみで、干渉でき...
「放っておけば自然に治るものを、もっと早く治すために心の一部をむしり取ってしまえば、三十歳になる頃には心が空っぽになり、新しい相手と関係を始めようとしても相手に与えられるものがないことになる。」 喪失と経過の向き合い方に正解が無いのが分かる。あるのはただパラレルのみで、干渉できない実感が首を絞める。 戻れない青春。戻れないから青春。
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