君の名前で僕を呼んで の商品レビュー
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もし君がすべてを覚えているなら、本当に僕と同じなら、明日出発する前、タクシーのドアを閉めようとするとき、ほかのみんなにさよならを言ってしまい、もうここの生活について何も言うことがなくなったとき、一度だけでいい、冗談めかしてでも、ふと思いついてでもいいから、振り返って僕を見て。僕たちが一緒にいたとき、君のそんなしぐさが僕には大きな意味があったんだ。 そしてあの時みたいに僕の顔をまっすぐに見て、視線をとらえ、そして、僕を君の名前で呼んで。
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映画とともに、じっくりと味わえる物語。美しくて泣きそうになる。どのページを開いても異世界にビューンと連れていってくれる。現実逃避もの。
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タイトルが美しいのと評価の高さで久しぶりに手に取った恋愛小説。 イタリア人らしい(?)情熱さ。ふたりの人物をなんの後ろめたさもなく素敵だなと思ってたり、パーティで出会った女の子といい雰囲気になってたり。 でも後半エリオの相手の女の子全く出てこなくなってあっさりしすぎだろ…とも思った。 最初の夜を迎えるまでの駆け引きは甘酸っぱくてもどかしくて、必死に相手のことなんて僕は興味ないけど?て無関心を装うのは万国あるあるなんだなーって思った。 桃での自慰シーンはちょっと気持ち悪かった…笑 タイトルの「君の名前で僕を呼んで」というのは、なんとなく素敵だなーと思ってただけで、作中で同じ言葉が出てきても理解してなかったんだけど、他の方の感想を読んで腑に落ちた。 好きな人の顔を思い浮かべながら呼ぶ自分の名前は、その人に自分はどんな風に呼ばれるんだろうって思い浮かべることなんだね。
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先に映画を見てから読んだ。ティミーエリオ実はこんなに感情ぐちゃぐちゃやったんやな。 わかる〜〜〜〜〜( ; ; )って思う場面ばかりで読んでる私も情緒不安定になったよ。 君の名前で僕を呼ぶこと、私は凄く素敵なことだと思った。 実際好きな人を思い浮かべながら自分の名前でその人を...
先に映画を見てから読んだ。ティミーエリオ実はこんなに感情ぐちゃぐちゃやったんやな。 わかる〜〜〜〜〜( ; ; )って思う場面ばかりで読んでる私も情緒不安定になったよ。 君の名前で僕を呼ぶこと、私は凄く素敵なことだと思った。 実際好きな人を思い浮かべながら自分の名前でその人を呼ぶ振り?をしてみたら「こんな風に呼ばれたいな」とか「あの人が私の名前を呼ぶときこんな感じのイントネーションだったな」って思って、自分の名前なのに頭の中はその人でいっぱいになった。 だからこそエリオは自分が呼ぶのではなくオリヴァーに呼ばれたかったのかも。 凄く素敵って書いたしあの最後も良い思い出として輝き続けるよねって思ったけど、この感想書いてあの最後やっぱ切ないわって泣いた( ; ; )
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なぜ十代の自意識過剰で繊細な少年が永遠に悶々と悩み続ける様を描いた小説はこうも魅力があるのか。「潮騒の少年」はまさにこの小説のアメリカ版って感じだったけど、「君の名前で〜」の方が上品。どっちが良い悪いとかではない。なぜどちらの少年も好きな男がはいたパンツを頭に被るのか。もしこの小...
なぜ十代の自意識過剰で繊細な少年が永遠に悶々と悩み続ける様を描いた小説はこうも魅力があるのか。「潮騒の少年」はまさにこの小説のアメリカ版って感じだったけど、「君の名前で〜」の方が上品。どっちが良い悪いとかではない。なぜどちらの少年も好きな男がはいたパンツを頭に被るのか。もしこの小説と同じような設定の作品を探してるなら、「潮騒の少年」はオススメ。「君の名前で〜」のような静かで美しくてハイソな雰囲気ではなく、精子の匂いが立ちこめるような思春期男子!て感じだけど。 映画が最高だったから原作はあまり期待していなかったが、いい意味で裏切られた。本当にこの小説の雰囲気をそのまま映画にした感じだったんだなと思った。映画ではよく分からなかった二人の行動の意図とかが、小説には書かれていたりして、また映画を見返したくなる。
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美しい映像、美しい音楽、美しい男。 映画版「Call me by your name」がとてもよかったので、原作を読みました。 映画ではさほど描かれていなかったエリオの心の葛藤がよくわかります。 エリオとオリヴァーが、駅で別れる描写、まるごと原作にはないです。映画でのこの描写もとても良かった一方で、全く書かれていないことで、私の想像力が掻き立てられとても悲しくなりました。映画のラストはオリヴァーが電話でエリオに結婚を告げ、暖炉に向かってのエリオの涙顔で終わりますが、原作はその後も少し描かれていて、「大失恋」だったかもしれませんが、原作のラストは悲しみの大きさは減らないにしろ、気持ちをストンと着地させることができました。映画のような終わり方だと、「エリオが気の毒すぎてどうしよう?」とかなり動揺していたものの、これを読んでしみじみとした気分になりました。原作のラストの数行、とてもいいですよ。映画を観て気に入った方はぜひ読んでほしい一冊です。また原作を読んでも、映画のあの美しい世界が色褪せることもないので安心です。
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情熱的。丸々エリオ視点で書かれ、エリオの感情を追体験したよう。 映画は割と客観的に描かれている感じがしたのでまた違った見方ができた。 切ない、苦しい、オリヴァーが結婚した時は本当に胸が締め付けられた。 でも20年後にも同じように2人にしか醸し出せない空気感で、2人にしか分からないような話ができていたところは救われた気がする。 嬉しくなったり苦しくなったり、オリヴァーの些細な反応にもエリオの感情が動かされる感じがリアルで危うくて美しい。 心に秘めた気持ちと行動は必ずしも一致しない、その描写がとても上手い。 エリオが報われてない感じがやっぱり苦しいかなぁ。 出会う人全員が自分の人生を大きく変えるわけではないし、むしろそういう人は稀有で貴重な存在でずっと心に残る。エリオにとってオリヴァーは自分の人生を分断するような大きな存在だったのだと思う。
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“君と一緒にいるとき、他には何もいらない。君がいてくれたら、僕は自分を好きになれる。君と一緒にいるときの自分を好きになれる。世の中に真実というものがあるとしたら、それは僕が君といるときに存在するんだ。”
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13冊目 ひと夏の恋のお話。 結構えぐい描写多かったけど美しく感じた。対象がちょっと自分と違うだけで、冷たくされたら悲しくなるし、ちょっと優しくされただけで有頂天になるのはみんな同じなんやなぁーって、。 台風で予定なくなったけど大雨の音聞きながらこれ読んだ時間幸せでした。
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映画ではよく分からなかった部分も文章で補完できたので良かった。エリオの心情が切ない...。文字だけなのに鮮やかな色彩を感じる不思議。原作だと希望のある終わり方なのが意外だったし、続編も読みたい。
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