全訳 封神演義(4) の商品レビュー
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物語のクライマックスに相応しく盛り上がった最終巻。特に闡教・截教・西方世界(仏教)の教主たちが、それぞれの宝器をつかって戦いを繰り広げる万仙陣の戦いは圧巻でした。なので、その後の梅山の七怪戦は正直蛇足だったと思います。そして、ようやく女媧も参戦し、楊戩を助けたり、妲己三姉妹を捕まえたりと大活躍。一番おいしいところを持っていきましたね(笑) 主要キャラがあっさり死んでいくところは変わらないのですが、妲己三姉妹や紂王の最期はさすがに感慨深く、読み応えがありました。妲己三姉妹が剣を取り、周軍に戦いを挑んだのには驚きましたが、意外な展開で面白かった。そして、紂王の死から武王の登極、神仙・人間の封神を終えて、諸侯の冊封、周王朝の建国までを述べて、物語は大団円で終わります。 封神演義という物語全体の感想としては「内容はいまいちだが、神や仙人たちのキャラクター付けと宝器などの発想は魅力的」といったところでしょうか。同じような展開が続いて、途中は退屈で読み辛かったのですが、中国の神仙に関する知識があればまた違った読み方ができたかもしれません。今度は中国の神仙について詳しく調べていきたいなと思います。 本書の最後に、訳者による本編補完のエピローグとコラムがあるのですが、今回もとても面白く、内容を理解するための助けになりました。この長い物語を読みやすく、かつ、分かりやすく訳して頂いた訳者の方々に感謝です。
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第七十六回~百回まで。三教のトップによる総力戦『万仙陣』、妖怪変化『梅山の七怪』を苦戦しながらも退治し、紂王を廃して妲己を処刑し封神の後始末…といった感じの最終巻。 七怪との対決は楊戩の一人舞台の大活躍っぷり(ここ最近、後衛で食料運ぶ係やっててあんまり目立たなかったのを取り戻すか...
第七十六回~百回まで。三教のトップによる総力戦『万仙陣』、妖怪変化『梅山の七怪』を苦戦しながらも退治し、紂王を廃して妲己を処刑し封神の後始末…といった感じの最終巻。 七怪との対決は楊戩の一人舞台の大活躍っぷり(ここ最近、後衛で食料運ぶ係やっててあんまり目立たなかったのを取り戻すかのような…)。それと思いの外、紂王の最期は格好良くそして切なく描かれてて驚いた。その後の後始末部分は「めでたしめでたし」で終わるのではなく、次の新しい国を制定するところを細かく書いてて面白かった。 訳者さんによるエピローグ補足(中国史絡みの解説)はこの方面疎いのでありがたいです。
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