十五の夏(上) の商品レビュー
俺の高1の幼稚だった記憶と隔絶大差。英語で海外文通志すこと、まして単身現地で、中学出たて英語で丁々発止と社会主義圏のサービス精神皆無の担当者とやりとり「なんとかなった」経緯を脚色もあろうが再現。「ハンガリー青年はソ連を恐れているからこそロシア語を学ぶ」「ルーマニアの列車乗車は指定...
俺の高1の幼稚だった記憶と隔絶大差。英語で海外文通志すこと、まして単身現地で、中学出たて英語で丁々発止と社会主義圏のサービス精神皆無の担当者とやりとり「なんとかなった」経緯を脚色もあろうが再現。「ハンガリー青年はソ連を恐れているからこそロシア語を学ぶ」「ルーマニアの列車乗車は指定席券が要るが乗ってみると8人室に15人居て乗務員が9人退席させた」/ペンフレンドは父は医師だが「所得が最も高いのはおそらく炭鉱夫だろう」。残業がなくパチンコ居酒屋など娯楽がないからか夜学で日本語を習得した書店員も。社会主義国の余裕
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この本は上巻と下巻に分かれています。上巻は初めての東欧の単独旅行の苦労話や日本のメディア目線での報道と実際に現地を旅行して感じた違いなどが書かれていて面白く読み始めた。しかし、上巻の後半から下巻にかけて著者の佐藤優氏の主題がはっきりした。私を含めた日本人が、ロシア人および東欧諸国...
この本は上巻と下巻に分かれています。上巻は初めての東欧の単独旅行の苦労話や日本のメディア目線での報道と実際に現地を旅行して感じた違いなどが書かれていて面白く読み始めた。しかし、上巻の後半から下巻にかけて著者の佐藤優氏の主題がはっきりした。私を含めた日本人が、ロシア人および東欧諸国の一般市民について何ら理解していなく、報道機関からの一方的な政治的側面のみの評価で、決めつけていることに気づかされた。お互いがもっと相手のことを、政治視点を抜きに知るべきだと気づかされる。それは私自身の経験と重なる。初めてミシガン州デトロイトを一人旅して、アメリカ人の多様性を認識できた。この大陸は単に様々な人種のあつまりと言う画一的認識では捉えることができないくらい複雑で奥が深い。そこに生きる人々は新聞報道されている繁栄したアメリカとは大きく異なるニンゲンその物を感じた。実際のアメリカの普通市民とのギャップは大きく溝は深く、平和ボケした日本人には到底理解できない。 佐藤優氏は15歳にしてこれらのギャップを感じることができた特別な感性を持っていた。 北方領土問題を歴史的法律論だけで解釈することの危険性や正義と言う感情論での判断の空虚さを今一度見つめ直す時代と思う。
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作者と同じ目線で旅をしている感覚で、観光地ではなく人や現地の生活を体験したいと積極的に会話する。 行く前にきちんと調べて、漏れがないかも旅行会社にチェックしてもらい万全に出発するがやはりトラブルはあるが、持ち前の積極さで乗り切る。国民性の違いも佐藤氏の目線で書いてある。出会う大人...
作者と同じ目線で旅をしている感覚で、観光地ではなく人や現地の生活を体験したいと積極的に会話する。 行く前にきちんと調べて、漏れがないかも旅行会社にチェックしてもらい万全に出発するがやはりトラブルはあるが、持ち前の積極さで乗り切る。国民性の違いも佐藤氏の目線で書いてある。出会う大人全てがこの旅で視野が広がって考え方が変わるが勉強はしっかりしなさい。エスカレーター式の高校じゃなくてよかったよと言っていたのが印象に残る。
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読書による人格形成、その影響は旅に出た時ほど大きくは無い。しかし、少なからず自らの血肉にはなっている。佐藤優の本を好んで読んだ。だからこそ、そのルーツを知りたいという気持ちがあった。楽しみにしていた読書。外れなしの紀行文。 旅と言えば、出会い、食、見聞、トラブル。全てが盛り沢山...
読書による人格形成、その影響は旅に出た時ほど大きくは無い。しかし、少なからず自らの血肉にはなっている。佐藤優の本を好んで読んだ。だからこそ、そのルーツを知りたいという気持ちがあった。楽しみにしていた読書。外れなしの紀行文。 旅と言えば、出会い、食、見聞、トラブル。全てが盛り沢山の本著だが、なぜだろう、食に目がいく。そしてあまりにも美味しそうに、リアルに表現されるから、自らも旅行し食している気分になる。トラブルに関しては、高校一年生の一人旅の割に少ない。周到で堅実、解決力が高いからだからだろう。出会いは多い。こんなに上手く交流できただろうか、脚色もあるだろう。あまり観光地は巡らない。目で見るより、話し、味わう。この辺の比率は佐藤優独自のものだが、若者の旅、青春を共に。
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私が今まで持っていた佐藤優氏のイメージは『昔逮捕されたことのある官僚=悪人』でした。 ある時、新聞に載っていた佐藤優氏のコラムが読みやすくて、『15の夏』分厚いけどちょっと読んでみようかなと軽い気持ちで図書館で借りました。 読んだらもう、引き込まれてしまいました。 佐藤氏の...
私が今まで持っていた佐藤優氏のイメージは『昔逮捕されたことのある官僚=悪人』でした。 ある時、新聞に載っていた佐藤優氏のコラムが読みやすくて、『15の夏』分厚いけどちょっと読んでみようかなと軽い気持ちで図書館で借りました。 読んだらもう、引き込まれてしまいました。 佐藤氏の両親思いで優しさが見てとれる人間性や食べ物の描写が多くて、しかもとても美味しそうに描かれていて食べることが好きな人なんだなと今まで持っていた悪人のイメージは全くなくなりました。 東欧の街並みの描きかたも綺麗でいつか行ってみたいなと思いました。
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高校に入学したばかりの15歳の少年が東欧・ソ連を旅した1975年の物語。 もちろん15歳なのでヒッピーのような旅ではなく、きちんとしたホテルに泊まりながらの比較的安全な旅といえる。しかし、当時、観光客を受け入れる態勢が十分に整っていないルーマニアやチェコスロバキアの様な国にも訪れ...
高校に入学したばかりの15歳の少年が東欧・ソ連を旅した1975年の物語。 もちろん15歳なのでヒッピーのような旅ではなく、きちんとしたホテルに泊まりながらの比較的安全な旅といえる。しかし、当時、観光客を受け入れる態勢が十分に整っていないルーマニアやチェコスロバキアの様な国にも訪れる。 それらを支えているのは博識と旺盛な好奇心だ。 「知らないものを知りたい」という欲求をひしひしと感じる。 社会主義国と資本主義国の違い、社会主義国内での違いが佐藤少年を通じて明瞭に伝わる。 主義の違いはあれども人間とのつながりは万国共通である。 妙に丁寧な会話が当時の佐藤少年の不十分な英語力を表している様に感じた。
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作家で元外交官の佐藤優氏は、15歳の夏、高校合格のご褒美にソ連・東欧を一人旅した。知的好奇心が旺盛で、15歳とは思えない行動力、意志の強さに驚かされる。旅先での出会いやペンフレンドとの交流は心温まり、国や文化・言語は違えど、人間は同じなんだと感じる。若い世代の人に是非とも読んでほ...
作家で元外交官の佐藤優氏は、15歳の夏、高校合格のご褒美にソ連・東欧を一人旅した。知的好奇心が旺盛で、15歳とは思えない行動力、意志の強さに驚かされる。旅先での出会いやペンフレンドとの交流は心温まり、国や文化・言語は違えど、人間は同じなんだと感じる。若い世代の人に是非とも読んでほしい。 佐藤少年が旅先で出会ったマルガリータへのトキメキは微笑ましくもあり、また行動力に脱帽した。
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1975年の夏。当時15歳だった著者が難関高校入学のお祝いにと両親から東欧・ソ連一人旅をプレゼントされる。旅の目的はハンガリーのペンフレンドに会うことと、日本とは違う社会体制の国を見て見聞を広めること。 上巻は旅行会社でのやり取りから始まり、スイスやチェコスロバキア、ポーランド...
1975年の夏。当時15歳だった著者が難関高校入学のお祝いにと両親から東欧・ソ連一人旅をプレゼントされる。旅の目的はハンガリーのペンフレンドに会うことと、日本とは違う社会体制の国を見て見聞を広めること。 上巻は旅行会社でのやり取りから始まり、スイスやチェコスロバキア、ポーランド、ハンガリー・マルギット島、ルーマニア等を経てソ連入国までが綴られている。 出会った人々との些細な会話の内容や印象、その他料理のメニューや食べた感想に至るまで、つい昨日の出来事を語るような克明な描写に驚いた。 先日、ラジオに佐藤優さんがリモート出演されていて、この本のことを話していた。「高校一年生で海外一人旅(しかも社会主義国)。凄いなあ」と興味を持ち、翌日早速本屋で購入して読み始めたのだけれど、読んでいて何より凄いと思ったのは、積極的に現地の人とコミュニケーションを取る姿勢。困ったことやわからないことを聞くだけじゃなくて、どんな家族構成でどんな暮らしをしているのか、人となりを知ろうとする人懐こさ。 フィフィとの別れやルーマニアでのトラブルの場面では一緒に旅している気分になって、読みながら泣いた。一番好きなのはマルギット島でのゆったりした数日間。ホテルの人や周辺で出会った人々が温かくて素敵だった。 紀行文は滅多に読まないし、つまらないと思っていたけれど(太宰の津軽とか佐渡は別)、これは面白いし勉強になる。下巻を読むのが楽しみ。
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なんと高校1年の夏休みの40日間の東欧・ソ連一人旅。これが少年佐藤優の初の海外旅行。みずみずしい感性あふれる青春の記録だ!このような経験を15歳の少年がしたということに驚くとともに、両親の素晴らしい決断を痛感する。ハンガリーのフィフィというペンフレンドを訪問することから、スイス、...
なんと高校1年の夏休みの40日間の東欧・ソ連一人旅。これが少年佐藤優の初の海外旅行。みずみずしい感性あふれる青春の記録だ!このような経験を15歳の少年がしたということに驚くとともに、両親の素晴らしい決断を痛感する。ハンガリーのフィフィというペンフレンドを訪問することから、スイス、西ドイツ、チェコ、ポーランド、ハンガリー、ルーマニアを経てソ連・キエフまで。少年は実に観察力、初対面の人とのコミュニケーション力を備えていることに驚嘆した。またこのような詳細な記憶?記録?がこの人の非凡な能力を感じさせる。1日3度の食事に至るまで実に細かく覚えている!ハンガリーの人たちの自由で楽しそうな世界に比べ、ルーマニアの暗さ。危機的状況に少年佐藤でさえも嗚咽する場面は、あまりにも酷い国だと感じさせられた。自らの目で共産主義の東欧諸国を見ていたことにこの人の後の日の強さを感じる。
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素晴らしい作品です。 佐藤優氏が何と高校一年生であった1975年の 夏休みに、冷戦真っ只中の東欧諸国やソ連を 旅する紀行本です。 何かであの沢木耕太郎氏の深夜特急と対比して 「21世紀の深夜特急」と銘打たれていましたが まさしくその通りの内容です。 観光ではなく、そこに暮らす...
素晴らしい作品です。 佐藤優氏が何と高校一年生であった1975年の 夏休みに、冷戦真っ只中の東欧諸国やソ連を 旅する紀行本です。 何かであの沢木耕太郎氏の深夜特急と対比して 「21世紀の深夜特急」と銘打たれていましたが まさしくその通りの内容です。 観光ではなく、そこに暮らす人々と触れ合う ことを重視した行動や、国籍を問わず行き交う 人々と話し合う、理解しようとする積極性は もっと早く若い時に読んでいたかった、と思わ せます。 本当に高校生は必読の一冊です。
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