黄砂の進撃 の商品レビュー
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清朝末期の1900年、欧米と日本による国土分割への危機感、窮迫する貧困に手を打たない朝廷の無策、キリスト教による生活蹂躙への反発の中、「扶清滅洋」のスロ-ガンを掲げた排外主義勢力「義和団」を、駐在武官・柴五郎らの立て籠もる北京公使館区域へ進撃する義和団側から描かれた、松岡圭祐著『黄砂の籠城』と対をなす歴史小説。 〝光緒帝が控えめに告げる 「大清帝国の現在の兵力と財力では、日本およい欧米列強と戦うことなど、とても・・・」 その時、西太后の低く重い一言が響いた 「皇帝」 張り詰めた空気が漂う。 光緒帝は、それきり黙りこんでしまった...西太后の声が響いてくる 「民衆が力をつけておる。 人心こそ国家を支える。 仮に人心を失ったとすれば、なにゆえ国家が存立する」...「今こそとき至れり。 皇太后陛下、皇帝陛下、大清帝国に栄光あれ!」 〟
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面白かった! 「黄砂の籠城」と対をなすエンターテイメントストーリ! 義和団側の視点で描かれた物語 残念なのは、「黄砂の籠城」を読んですぐにこれが読めればよかった。「黄砂の籠城」で描かれた内容が清国、義和団側からも描かれているので、間をあけてよんじゃうと面白さが半減かなっと。 ス...
面白かった! 「黄砂の籠城」と対をなすエンターテイメントストーリ! 義和団側の視点で描かれた物語 残念なのは、「黄砂の籠城」を読んですぐにこれが読めればよかった。「黄砂の籠城」で描かれた内容が清国、義和団側からも描かれているので、間をあけてよんじゃうと面白さが半減かなっと。 ストーリとしては 義和団ができるまでの背景が描かれています。 満州族に支配され、キリスト教の宣教師にも生活を踏みにじられていた漢人達。そんな民衆が決起している中、成り行きで指導者になってしまったのが張徳成。 義和団はある意味宗教団体。 修業すれば不死身の体になるという民間信仰。 まったく知りませんでした。 そういった意味では宗教戦争でもあるのかも そんな一般市民・農民たちが北京公使館へ攻め入ったことになります。 義和団が蜂起する背景が理解できました! しかし、結局は朝廷に利用される形に そして、クライマックスへ... 良かった!! とてもお勧め 「黄砂の籠城」の上下巻と合わせて、一気に読むことをお勧めします(笑)
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「黄砂の籠城」で敵対していた清国・義和団の視点で描かれた物語。 元舟漕ぎの張徳成は、取り立て屋に襲われていた若い娘、莎娜を助けるが、追い払った取り立て屋が官兵たちを連れて来て取り囲まれてしまう。そこで李来中と名乗る男の機転により難を逃れた。そして、その中年男との出会いがきっかけで、義和団という組織が誕生する。 張徳成は義和団の天下第一壇大師となり、莎娜は十代の少女揃いの部隊である紅灯照の黄蓮聖母として、共に義和団を導く立場にあったが、清国軍の陰謀や義和団の暴走により追い詰められていく。 元々、日清戦争敗戦後キリスト教が清国内に広がり、宣教師だけでなく漢人クリスチャンまでが横暴に振る舞い始めた。それにより苦しめられていた農民たちの悲痛な叫びが「扶清滅洋」の旗印のもと、平和を取り戻すため拡大していったが、清朝の企てによって利用され、各国公使館VS義和団という構図に書き換えられてしまう。 各国を出し抜こうとした清朝であったが結局失敗し、義和団が次々と倒されていく中、権力者たちは保身のため変装して逃走。 絶望的な状況の中で、仲間の死に心を痛める張徳成は、莎娜に全てを託して進撃する。 個人的には黄砂の籠城に負けないぐらい面白かった。籠城の裏側で、張たちが義和団や清国の未来について考え奮闘する姿は、柴中佐や櫻井たちと同じように誇り高く、そして彼も優れた見識を持っているが、状況を好転させるほどの力は無く、理不尽な結末が決まっているだけに少し切ない。 また、漢人クリスチャン救出や、クルップ巨大砲の建設など、黄砂の籠城での場面を思い出しながら読める点も良かった。 そして、本作の主人公である張徳成は実在し、紅灯照の黄蓮聖母である莎娜も林黒児という実在した人物がモデルになっているようなので驚いた。 漢字の地名や、読み方が特殊な名前は流して読んだが、内容は考えさせられる事が多く、心に響く作品だった。
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今年の1冊目。毎年恒例の松岡先生の作品から。昨年読んだ『黄砂の籠城』の続編で義和団事件を中国側から描いた作品。 “無知の農民蜂起団が国家の軍団にのしあがり、列強に立ち向かっていく物語”ではない。自らの暮らしを脅かす洋人を倒すために立ち向かった“数”だけが頼りの集団を、清国が巧み...
今年の1冊目。毎年恒例の松岡先生の作品から。昨年読んだ『黄砂の籠城』の続編で義和団事件を中国側から描いた作品。 “無知の農民蜂起団が国家の軍団にのしあがり、列強に立ち向かっていく物語”ではない。自らの暮らしを脅かす洋人を倒すために立ち向かった“数”だけが頼りの集団を、清国が巧みに操り特攻兵として利用し、結果国家諸共に粉砕していく物語である。義和団の一兵卒は知識を得、兵隊となることに無垢な喜びを得る。本主人公である張たちリーダーたちはこのカラクリを知りながらも流れに身を任せるしかないその苦悩に焦点をあてている点が興味深い。 「“自分たちでも立ち上がれれば国を変えられること”に自ら気づけただけでも指導した意味がある」と悟った張の思いが、まさに後記に書かれている義和団事件の最新の再評価を表すのだろう。 個人的感想としては、張という存在(人物造形)に物足りなさを感じた。あっという間にリーダーに祭り上げられていくのは張自身の戸惑いを描くのに必要だったと思うが、読者としては?の連続であった。 また、作中で妖術や奇跡を当然のように受け入れる人々が描かれる。知識を得ている我々からすれば衝撃的だったが、これが1900年の中国の実情だろう。日本が明治維新で急速に近代化できたのは農村の識字率の高さにあったということに改めて気付かされる。 最後のシーンで莎娜が柴中佐に日本も義和団の二の舞にならないようにと忠告する。皮肉的にも日本は太平洋戦争下で劣勢にも関わらず勝利を喧伝し奇跡にすがっていく姿はこの事件と全く同じ構図である。歴史は何度も繰り返す。朝廷のシーンは一部であったが、次は朝廷側を主人公としたスピンオフ作品も見てみたい。
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「黄砂の籠城」の対としてとても興味深い本だった。個人的には、日本人なので感情移入ができるせいか「黄砂の籠城」の方がめちゃくちゃ引き込まれたけど。解説でドイツ公使だかが言ってたとされる、「私が清国人だったら義和団に参加するだろう」ていうのが印象に残った。私もそうするだろうと思ったか...
「黄砂の籠城」の対としてとても興味深い本だった。個人的には、日本人なので感情移入ができるせいか「黄砂の籠城」の方がめちゃくちゃ引き込まれたけど。解説でドイツ公使だかが言ってたとされる、「私が清国人だったら義和団に参加するだろう」ていうのが印象に残った。私もそうするだろうと思ったから。私は結構、「国」にロマンを感じ、アイデンティティを求めるタイプなのかも。
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中国の視点で義和団の乱を描写。清の西太后含めた政治家と民意が一体になっていなく、清が一枚岩になってないのがよくわかる。結局、テクノロジー、思想ともまだ近代化しきれていなかった。
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黄砂の篭城がかなり面白かったので期待していたが、期待していた程ではなかった。 張徳成の人柄には共感する部分もあったが、やはり中国人的な考え方をする登場人物たちに感情移入することがあまりできなかった。西洋の横暴により不満が溜まる気持ちも分かるが、やり方が中国的で幼く自己中心的なのか...
黄砂の篭城がかなり面白かったので期待していたが、期待していた程ではなかった。 張徳成の人柄には共感する部分もあったが、やはり中国人的な考え方をする登場人物たちに感情移入することがあまりできなかった。西洋の横暴により不満が溜まる気持ちも分かるが、やり方が中国的で幼く自己中心的なのかなーと。 ただ、ほんの数少ない人間は本当に将来の中国のために戦い、全く無駄というわけではないことも感じた。
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黄砂の籠城を中国側から描いた本だ。 布教を名目にしながらやりたい放題の洋人。教会を建てると言って農民の土地を奪い、拒否すれば裁判にして洋人に有利な判決を下させる。圧倒的な武力を背景にやりたい放題の欧米諸国だった。 主人公 張徳成は義和拳の群衆を肉弾戦へ突入させることは反対であったが、彼らが帰るとこもなく、なにもしなくても死が待ち構えている運命には、同情と何とかせねばならないという思いは持っていた。義和団は一匹の龍だ。突撃により失われる同胞は、個々の細胞に過ぎず、いくら剥がれ落ちようと、母体の龍の生命は存続する。したがって、哀しみや哀れみなど無い。 最後に来る運命は、分かりきったことであるものの、そこへ突き進むしか道がないこともある。義和団の乱の根本原因はキリスト教を持ち込み、勝手な振る舞いをした西欧諸国だが、中国が国として、一致団結して戦っていたら、仮に負けるにしても、正義という名のもとに戦っていたら、歴史としては、中国は果たして共産主義を歩んだのだろうか。
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清朝末期、満州族に辮髪と纏足を強要されていた漢人の不満は頂点に達していた。彼らは駐在武官・柴五郎らの立て籠もる北京公使館区域に攻め入り…。義和団事変を中国側の視点で描く。「黄砂の籠城」と対をなす歴史小説。 義和団事件を中国側の視点で描く。「黄砂の籠城」と続けて読んだので理解が深...
清朝末期、満州族に辮髪と纏足を強要されていた漢人の不満は頂点に達していた。彼らは駐在武官・柴五郎らの立て籠もる北京公使館区域に攻め入り…。義和団事変を中国側の視点で描く。「黄砂の籠城」と対をなす歴史小説。 義和団事件を中国側の視点で描く。「黄砂の籠城」と続けて読んだので理解が深まった。当時の漢民族の考え方、感じ方に現代に通じるところがあるのかどうかはわからないけれど、義和団事件の裏側という点では説得力があった。 (B)
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清朝末期西洋人による弾圧、キリスト教の宣教師にも蹂躙されていた漢人は、扶清滅洋の旗印のもと蜂起します。 中国近代化のきっかけとなった義和団の乱を描きます。 義和団の乱を日本と連合軍側から描いた『黄砂の籠城』と対をなす歴史小説です。 どちらもとにかく面白いです。 不死身を信じた義和...
清朝末期西洋人による弾圧、キリスト教の宣教師にも蹂躙されていた漢人は、扶清滅洋の旗印のもと蜂起します。 中国近代化のきっかけとなった義和団の乱を描きます。 義和団の乱を日本と連合軍側から描いた『黄砂の籠城』と対をなす歴史小説です。 どちらもとにかく面白いです。 不死身を信じた義和団と列強との激闘。 義和団側、中国側、日本側、西洋列強側、それぞれに言い分も正義もあります。 極上のエンターテインメントです。
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