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黄砂の進撃 の商品レビュー

3.8

28件のお客様レビュー

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2018/04/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「黄砂の籠城」を中国側の視点から書かれているのがこの「進撃」。光緒帝が近代化をすすめようとしていたのに西太合は紫禁城に守られてどれだけ無知だったのだろうか。宣教師の横暴にどうにかせねばと農民が立ち上がったのが義和団。紅灯照の妖術も史実であり黄蓮聖母も実在したらしい。自己を見失いがちなとき、人智を超えた奇跡の存在を信じれば心の拠りどころができると導いてきた張徳成。りっぱだった。「籠城」ででてきた柴さんが莎娜と会話するくだりが今の日中関係はどうにかならないのかという作者の意図を感じた。

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2018/04/13

“不死身を信じた者たちの猪突猛進、おびただしい頭数、それらふたつだけが武器だった”。 義和団がなぜ興ったか。なぜ大きな戦いに発展してしまったのか。「黄砂の籠城」では描かれなかった義和団側からの物語。義和団、紅灯照については「籠城」読了後にざっと調べたけれど、今作を読んで実際はこん...

“不死身を信じた者たちの猪突猛進、おびただしい頭数、それらふたつだけが武器だった”。 義和団がなぜ興ったか。なぜ大きな戦いに発展してしまったのか。「黄砂の籠城」では描かれなかった義和団側からの物語。義和団、紅灯照については「籠城」読了後にざっと調べたけれど、今作を読んで実際はこんな風だったのじゃないかと思った。大帥に祀り上げられた男、黄蓮聖母を名乗る女。宣教師の横暴から自分たちの暮らしを取り戻したい、ただそれだけだったのに。国に利用され、いつの間にか戦いのただ中に立たされる。義和団事件とはなんと虚しい戦いであったことか。いや戦争というもの自体がどんなものだって虚しいのだ。立場を変えて物事を見る。それだけで戦いのいくつかは起こらずに済むのではないか。少なくとも個々の間では。120年前の事件を通して、いま一度考える時ではないかという著者からのメッセージを感じた。

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2018/04/08

黄砂の籠城のB面 腕っ節の強い飲んだくれの元船乗りの張徳成の成り上がりストーリー! 物事の理解力と自分の言葉への置換、そして瞬時の判断力と周囲の思惑により、義和団の天下第一壇大師へと祭り上げられて行く。 一方、清国の中枢と天津の情勢などにより何故宣戦布告へと向かっていったのかが...

黄砂の籠城のB面 腕っ節の強い飲んだくれの元船乗りの張徳成の成り上がりストーリー! 物事の理解力と自分の言葉への置換、そして瞬時の判断力と周囲の思惑により、義和団の天下第一壇大師へと祭り上げられて行く。 一方、清国の中枢と天津の情勢などにより何故宣戦布告へと向かっていったのかが描かれている。 それと某宗教団体の大航海時代以降の布教活動への問題点も間接的に提起されている。 何れにしても本作品は黄砂の籠城とついになる物語であり〜籠城を読んでいるか?読んでいないか?では面白みが全く異なる!!! 張徳成は農民一人一人が学を身に付ければ世の中が良くなると本作で語っていたが、確かに現在の日本を見れば貧困や不条理な死は少ないと思われる。しかし学問だけに慢心し国民の全てが優れた道徳を身に付けなければ、新たな格差や不条理が産まれてくるという事を忘れてはいけない。 本作の舞台となっているあの国の古代の思想家達から学べるものは少なくないと私は思う。

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2018/04/02

黄砂の籠城に対して、義和団から見た乱を起こした理由、そして攻めた理由を描く。籠城編はいつ解放されるかという事で攻められる側がいかに防ぐか、というところに焦点が当たっていたがこちらは攻め入る側の内幕は、農民が食えぬ餓死する極限まで追い詰められて乱を起こす、また神が降臨しなければ、と...

黄砂の籠城に対して、義和団から見た乱を起こした理由、そして攻めた理由を描く。籠城編はいつ解放されるかという事で攻められる側がいかに防ぐか、というところに焦点が当たっていたがこちらは攻め入る側の内幕は、農民が食えぬ餓死する極限まで追い詰められて乱を起こす、また神が降臨しなければ、とても銃撃の中に突っ込んでいけない精神状況での戦闘で会った。ちょっとこちらの方が迫力に欠けていたので、3つ。

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2018/03/26

『黄砂の籠城』と対をなす傑作歴史小説 清朝末期、満州族に虐げられ宣教師にも生活を蹂躙された漢人の不満は頂点に達した。彼らは義和団を名乗り、扶清滅洋の旗印のもと、北京公使館区域に攻め入る。『黄砂の籠城』と対をなす面白さ抜群の歴史小説。

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2018/03/23

この著書自体も一つのものの見方かもしれないが、史実をいろいろな立場で描くのは非常に好感がもてる。 同じ著者が書いていることで、物語のお互いの駆け引きがわかり面白い。

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2018/03/21

義和団の乱をが義和団の視点で書かれた小説。 『黄砂の籠城』にも出ていた柴中佐のセリフに「なにが正義かは立場と見方によって変わる」というのがある。 本当にそのとおりだと思う。 『黄砂の籠城』だけ読んでいると、どうしても「日本人すごい」という感想に落ち着いてしまう。けれど、『黄砂の進...

義和団の乱をが義和団の視点で書かれた小説。 『黄砂の籠城』にも出ていた柴中佐のセリフに「なにが正義かは立場と見方によって変わる」というのがある。 本当にそのとおりだと思う。 『黄砂の籠城』だけ読んでいると、どうしても「日本人すごい」という感想に落ち着いてしまう。けれど、『黄砂の進撃』を読むと、それが一方的な見方でしかないのだなあと反省させられる。 ぜひ、両方読んでほしい。

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2018/03/18

黄砂の籠城を中国側からの視点で描いた作品。義和団については教科書レベルでしか知らなかったので興味深かった。あと、柴大佐の登場も嬉しかったね。

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