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凶犬の眼 の商品レビュー

3.8

144件のお客様レビュー

  1. 5つ

    30

  2. 4つ

    53

  3. 3つ

    41

  4. 2つ

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2024/07/22

著者の代表作『孤狼の血』シリーズの二作目です。  日岡秀一は「小料理や志乃」に来た。 「せっかく広島まで来たから、足を延ばして晶子さんの顔を見たい思うて寄りました」  日岡は、呉原署捜査二課から、比場郡城山町の駐在所へ異動になった。階級は巡査のままだ。所謂左遷である 「ほうね。...

著者の代表作『孤狼の血』シリーズの二作目です。  日岡秀一は「小料理や志乃」に来た。 「せっかく広島まで来たから、足を延ばして晶子さんの顔を見たい思うて寄りました」  日岡は、呉原署捜査二課から、比場郡城山町の駐在所へ異動になった。階級は巡査のままだ。所謂左遷である 「ほうね。じゃったら、いまから蛸飯作るね。秀ちゃん、好きじゃったろう。ちょうど、ええ蛸が入ったんよ」  蛸飯が炊きあがると、晶子はどんぶりによそい日岡に差し出した。「おかわりはたくさんあるけん。もっと食べんさい」晶子が作った蛸飯は美味しかった。腹が満たされると、茶を啜り、革ジャンの内ポケットからショートピースを取り出した。口にくわえる。狼の柄があしらわれたジッポーで火をつけた。  かつての上司❘大上省吾巡査部長から預かったままのライターだ。カウンターの隅にいた晶子が、怪訝そうに日岡を見た。 「秀ちゃん。あんた、いつから煙草吸えようになったん」…。  時間だけが、ただ、だらだらと流れていく。その虚しい時間を潰すために、煙草を吸いはじめた。だが、理由はそれだけではない。大上のジッポーを身近に置き、いつも触ってていたかったからだ。  二年前、日岡は警察組織に牙を剥いた。上の命令に背いたのだ。後悔はなかった。むしろ、使命感にも似た想いがあった。  ジッポーは、大上の忘れ形見ではない。 日岡に、後は頼むと言い、事を託したのだ。店を出た後、男に声を掛けられた。 「のう、日岡さん。ちいと時間をつかい」 「わしゃァ、まだやることが残っとる身じゃ。じゃが、目処がついたら、必ずあんたに手錠を嵌めてもらう。約束するわい」~国光寛郎。  日岡の胸に、かつてのヒリヒリとした感覚が蘇る。日本最大の暴力団組織、明石組の二次団体である北芝組の若頭だった男だ。殺人幇助の容疑で全国に指名手配されている。  一方晶子は「秀ちゃん、国光さんのこと、あんたがどうするかわからん。例のもの、あんたに渡す準備は、いつでもできとるんよ」    物語は始まったばかり、読書は楽しい!

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2024/06/08

朽ちないさくらを読んで ファンになり 2冊目 一気に読んだ 暴力団がメインだけど、なんだか 熱いものを感じた エピローグは無くても良かったと思う 国光さんに 最後まで生きて欲しかったから

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2024/02/03

秀ちゃん⁡ ⁡⁡ ⁡ってな事で、柚月裕子の『狂犬の眼』⁡ ⁡⁡ ⁡虎狼の血シリーズでええんかな?⁡ ⁡⁡ ⁡ガミさんこと大上の愛弟子、日岡と極道の国光との侠気物語 ⁡⁡ ⁡ガミさんよりマイルドな日岡。ちょっとシリーズとしては物足りなさがあり、国光の漢気が際立ってる感じじゃのぉ。⁡...

秀ちゃん⁡ ⁡⁡ ⁡ってな事で、柚月裕子の『狂犬の眼』⁡ ⁡⁡ ⁡虎狼の血シリーズでええんかな?⁡ ⁡⁡ ⁡ガミさんこと大上の愛弟子、日岡と極道の国光との侠気物語 ⁡⁡ ⁡ガミさんよりマイルドな日岡。ちょっとシリーズとしては物足りなさがあり、国光の漢気が際立ってる感じじゃのぉ。⁡ ⁡⁡⁡ ⁡⁡祥子ちゃんはどうなってくんじゃろ ⁡そっちの行く末も気になるところ ⁡ ⁡シリーズの読む順番としては虎狼の血→暴虎の牙→狂犬の眼みたいね ⁡⁡ ⁡まあ、順番違ってもオモロイのはオモロかった ⁡⁡ ⁡映画の虎狼の血を観たいなぁ ⁡⁡ ⁡2023年41冊目

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2023/11/08

「孤狼の血」の続編。ハードボイルド感は少なめ。地方に飛ばされた日岡巡査と国光の絆の物語。国光は一ノ瀬に負けず劣らず魅力的だった。あのエピローグはつらい。極道物のお約束的な結末というところかな。

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2023/08/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

柚月裕子さんの作品なので、面白くなくはなかったですが… 前作を読んでないことと、ちょっとハード過ぎる?任侠ものはそういうものかもしれないけど、で、満足度が下がってしまいました。 祥子ちゃんとのこととか、ちょっと期待しながら読んじゃいました。イケメンなんだろうし… でも、警察官とやくざさんが兄弟の契りを結ぶって…あり得ませんよね??

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2023/08/16

1作目よりも控えめな展開に感じたが、ぐいぐい引き込まれ読まされたのは相変わらずで、すっかりこの世界のファンになりました。国光カッコ良すぎ。ラストも良かった。 ただ、登場人物や組織がとても多く、相関関係を理解することを後半は放棄して読みました笑 ちゃんと理解すれば、さらに面白くな...

1作目よりも控えめな展開に感じたが、ぐいぐい引き込まれ読まされたのは相変わらずで、すっかりこの世界のファンになりました。国光カッコ良すぎ。ラストも良かった。 ただ、登場人物や組織がとても多く、相関関係を理解することを後半は放棄して読みました笑 ちゃんと理解すれば、さらに面白くなるんだろうな。。

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2023/02/06

広島弁の表現がうまく絡まっている。狐狼の血から始まったシリーズ2作目。暴力団とマル暴刑事の任侠ものである。 マル暴刑事の大上と日岡が奔走する。 今回の抗争は、日本最大の暴力団である神戸の明石組のトップが暗殺される。日本全土を巻き込む凄絶な抗争が勃発する。相手は心和会の最後の任侠...

広島弁の表現がうまく絡まっている。狐狼の血から始まったシリーズ2作目。暴力団とマル暴刑事の任侠ものである。 マル暴刑事の大上と日岡が奔走する。 今回の抗争は、日本最大の暴力団である神戸の明石組のトップが暗殺される。日本全土を巻き込む凄絶な抗争が勃発する。相手は心和会の最後の任侠と恐れられていた国光寛郎。 大上と日岡はどう収めるのかが読みどころである。

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2022/08/16

国光の格好良さが引き立ちすぎて吸い込まれていく。 ただ、最後まで大きな展開がなく、驚きが少なかったのが残念。 孤狼の血に比べたら衝撃度は薄く、もう一波乱、予想だにしないことがあって欲しかったなとは思うけど、先が気になって、寝ないといけないのについつい一気読みさせられたのは事実。 ...

国光の格好良さが引き立ちすぎて吸い込まれていく。 ただ、最後まで大きな展開がなく、驚きが少なかったのが残念。 孤狼の血に比べたら衝撃度は薄く、もう一波乱、予想だにしないことがあって欲しかったなとは思うけど、先が気になって、寝ないといけないのについつい一気読みさせられたのは事実。 3部作の最終章も楽しみ

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2022/08/01

「虎狼の血」の続編。今回も面白かった! 前作のような謎解きの要素は少ないですが、ヤクザと警察官の立場を超えた「仁義」に熱いものを感じます。 良い物語だったわ〜と余韻に浸りながら読んでいると思いもよらぬ結末に…。 オススメです!

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2022/07/05

やっと手に取った 虎狼の血シリーズ第二作。 ワクワクしながら、まず、じっくりプロローグを読む。 ここには必ず重要な鍵が隠れている。 刑務所の面会の場面のよう。 左頬に傷のある面会人って? 第一作目の13章で、日岡は上司に逆らって田舎に飛ばされ 平和で退屈な業務に悶々とする日々。...

やっと手に取った 虎狼の血シリーズ第二作。 ワクワクしながら、まず、じっくりプロローグを読む。 ここには必ず重要な鍵が隠れている。 刑務所の面会の場面のよう。 左頬に傷のある面会人って? 第一作目の13章で、日岡は上司に逆らって田舎に飛ばされ 平和で退屈な業務に悶々とする日々。 喫煙者になった日岡は、狼の絵柄のジッポーを出して火をつける。 読者としては、ガミさん(大上)がいないのが何とも淋しい。 ある時、そんな田舎でゴルフ場建設工事が始まる。 工事責任者が駐在所に挨拶に来るのだが その人物は指名手配中の義誠連合会の会長、国光。 ガミさん馴染みの店「志乃」で顔を見たことのある人物だ。 店で、国光が日岡に言った言葉が蘇る。 「やることが残っとる。めどがついたら、 必ずあんたに手錠をはめてもらう。約束するわい」 柚月さんの手にかかると、一瞬で、人物が魅力的に引き立つ。 ヤクザの親分 国光には、底知れぬ力と人間としての優しさを感じる。 年齢が気になってチェックすると、35歳!? いやいや、私の印象では58歳くらい。貫禄ありすぎです。 一方、今や派出所の駐在さん、日岡は二十代後半。 今作、私用時に限りYAMAHA SR500にまたがってアクセルをふかす。 つい、このバイクをググってしまった。う~ん、クール! バイクにまたがる日岡は、文句なしに格好良い。 この作品のハイライトは、何と言っても建設現場立てこもり事件。 立てこもり現場で行われた国光と日岡のやり取りには、しびれる。 そして、事件解決の際に国光が最後に放ったひと言で つい涙…。 日岡は、今作で “凶犬” の素養を受け継ぐことになり また一回り大きくなる。 (狂犬でなく、凶犬…。なぜかな?) プロローグの意味がすっかり明らかになったところで 柚月さんお決まりの(?)、いやでも心に残ってしまう最後へ。 今作もワクワクドキドキが止まらない時間を過ごした。 完結編が楽しみ。

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