全脳エミュレーションの時代(上) の商品レビュー
脳機能を解明するのではなく、脳内の反応をコピーする事で、そのコピー知能によるロボットが活躍する世界を想像する。どうしてそのような世界が起こり得るのか、合理性は不確かだが、その疑問を置き去りに妄想が次々と膨らむために、不完全なSF小説のプロットを読まされるようで辛い。水槽に浮かぶ脳...
脳機能を解明するのではなく、脳内の反応をコピーする事で、そのコピー知能によるロボットが活躍する世界を想像する。どうしてそのような世界が起こり得るのか、合理性は不確かだが、その疑問を置き去りに妄想が次々と膨らむために、不完全なSF小説のプロットを読まされるようで辛い。水槽に浮かぶ脳味噌から、脳刺激反応をデジタルにコピーするイメージだろうか。 著者の狙いでもある過去の歴史を学ぶよりも、未来を研究する学問の方が意義深いという考えは否定しない。しかし、現状分析のデータ無しに想像を連ねるだけというのは正直シンドイ。このロボットはエムと呼ばれ、小型らしく、VRも駆使する上に、人間のコピーだから性的欲求もあるらしい。もう少し読み進めないと、それが存在する必然性がわからない。上巻はそんな所だろうか。
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脳のエミュレーションが完成して、人間の脳をスキャンして機械の体に入れることができると世の中どうなりますかねー?って本。まあ、ツッコミどころは満載なんですが、そもそもこの本はたぶんツッコミのために存在している。著者はエム(脳エミュレーション)を、人間の生産性が限界まで高まったらどう...
脳のエミュレーションが完成して、人間の脳をスキャンして機械の体に入れることができると世の中どうなりますかねー?って本。まあ、ツッコミどころは満載なんですが、そもそもこの本はたぶんツッコミのために存在している。著者はエム(脳エミュレーション)を、人間の生産性が限界まで高まったらどうなるのか?という経済学の問題として解いていくということが一番したいんじゃないかと思う。脳のコピーができると、僕は、主体性の概念が変わると思うんだけど、そこらに関しては少なくとも上巻では全く触れられない。でもやる気はある。みたいな根拠のない断定。自分をコピーするんだけどそのコピーした人は自由に寿命を設定できるしそれでトラブルは生じない。とかも断言。あと、小さい。とか。で、生産性も100倍上がるとか言っている。生産性が100倍上がることはあるかもしれないけど、その際に、現状の考え方が通じるのかってのはやっぱよくわかんないな。自己という概念とか、そういったものが変わっていく気はするけどね。SFだとエネルギー生命体とかになりそう。まあ、下巻の途中でどうでもよくなった。
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