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クローゼット の商品レビュー

3.7

62件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    21

  3. 3つ

    22

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    0

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2024/07/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

繍子さん、子供の頃、シンママの恋人に性的暴行を受けて、やっと男性恐怖症が治りかけたのに、その頃のクローゼットに一緒に隠れた芳と出会うは、強姦した老いた男、タダノと出会うは、運命とはなんだと思いました。そういう展開に持っていくところ、千早茜さんぽいな〜とも思いました。

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2024/06/23

魅力的な本ながらあっさりと読みきれてしまったかなぁ…。 芳が水色のワンピースの女の子だったことがわかってからの、バイトとして働き出したあとも少し読めたら良かったかも。 綺麗なお洋服を見てここが素敵、と深く掘る知識や愛情を文章の形で感じ取れて新鮮に嬉しく思いながら読みました。 ...

魅力的な本ながらあっさりと読みきれてしまったかなぁ…。 芳が水色のワンピースの女の子だったことがわかってからの、バイトとして働き出したあとも少し読めたら良かったかも。 綺麗なお洋服を見てここが素敵、と深く掘る知識や愛情を文章の形で感じ取れて新鮮に嬉しく思いながら読みました。 そして、ピアノレッスンや、シャネルの映画を観たくなりました。

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2024/06/02

幼い頃から女の子の服が好きだった芳。しかし幼い頃にそれをからかわれて以来、その自分のアイデンティティに悩んでいた。 ある日働いている百貨店のイベントでアンティークの下着を目にし、その下着を収蔵する美術館へと誘われたことから、彼の世界は一変する。 それがなんであれ、自分の好きなも...

幼い頃から女の子の服が好きだった芳。しかし幼い頃にそれをからかわれて以来、その自分のアイデンティティに悩んでいた。 ある日働いている百貨店のイベントでアンティークの下着を目にし、その下着を収蔵する美術館へと誘われたことから、彼の世界は一変する。 それがなんであれ、自分の好きなものを否定されることは誰にとってもとても辛い体験になる。 誰かに迷惑をかけてない限りは、非難の対象にしてはいけないのに、どうして人は自分には理解できないもの、異質と感じるものを排除しようとするんだろう。 昔の服に関する色んな記述が読んでいて想像出来て楽しかった。

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2024/04/29

繊細で美しい話。 身にまとう芸術品、18世紀から現代までの、主に西洋の服が一万点以上眠っている美術館。 高価なレースやドレス。 想像するだけで、溜息が出そうになる。 そこで働く人々の過去、抱えている思いが重なっていく。 デパート、ファッションからは、かなり遠くに行ってしまった今。...

繊細で美しい話。 身にまとう芸術品、18世紀から現代までの、主に西洋の服が一万点以上眠っている美術館。 高価なレースやドレス。 想像するだけで、溜息が出そうになる。 そこで働く人々の過去、抱えている思いが重なっていく。 デパート、ファッションからは、かなり遠くに行ってしまった今。 これを機に、身につける洋服についてきちんと選び、自分を再確認したいと思う。

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2024/03/09

千早さんのは調香師のシリーズ2作品を読了済みです。全体的に仄暗さがある雰囲気なのでしょうか。けどその中にかすかな光が見えるといった雰囲気でした。 服の描写が繊細で香りのときもですが、文でこんなにも想像できるのが凄いです。

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2024/03/06

衣服を主軸にした、性別に囚われず自由に服を着たい男性と男性恐怖症の女性の物語。 芳と纏子、それぞれが静かに自分の世界を持っているように感じて、その2つが服を点として接し、ゆっくりと変化していく様子が良かった。 芳の過去、纏子の過去、纏子と晶の友情、そして、それぞれの服に対する...

衣服を主軸にした、性別に囚われず自由に服を着たい男性と男性恐怖症の女性の物語。 芳と纏子、それぞれが静かに自分の世界を持っているように感じて、その2つが服を点として接し、ゆっくりと変化していく様子が良かった。 芳の過去、纏子の過去、纏子と晶の友情、そして、それぞれの服に対する愛情。 それらが関わり合って作用し合うことで、全員が少しずつ変化して前に進んでいく。 その意思、人としての強さに心揺さぶられた。 ☆4.5

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2024/02/24

誰もが幸せをまとって歩いている百貨店の雰囲気を彷彿する。行間から香るコフレや香水の香り。うつくしい布をまとうことは、まとう自分を愛することに繋がるのだろう。衣服は布だと思っているが、思いの託された布の価値も知っている。「着られた服に宿る記憶を紡ぐ」ことは、「着られた時間を記録する...

誰もが幸せをまとって歩いている百貨店の雰囲気を彷彿する。行間から香るコフレや香水の香り。うつくしい布をまとうことは、まとう自分を愛することに繋がるのだろう。衣服は布だと思っているが、思いの託された布の価値も知っている。「着られた服に宿る記憶を紡ぐ」ことは、「着られた時間を記録する」ことになるのだろう。

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2023/09/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

服飾美術館、自分も服飾が好きなので、こんな世界があるのか!と憧れを持って読み進めた。 主要登場人物が、過去に傷を負っていて、そのなかでも、纏子の芳の成長が丁寧に描かれている。 纏子の傷は計り知れず、本当に克服できるのだろうかと心配しながら。 晶と出会い、服飾美術館と出会った。芳と出会い、ジェンダーを超えて人を見る目を養った。再度、過去の傷を与えた人と出会い、纏子は逃げ出さなかった。そのうえ、その人の手は幸せをつくっていると思った。ぐんと過去を乗り越えた。 人の成長を間近で見られて、とても嬉しかった。

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2023/09/12

この表紙にあるレースの下着のように、ただ、ただ、繊細で、細かくて、薄くて、細くて、でも、複雑な柄をした若者たちが出てきて、よくここまで作り込めるな、、、、 と、一種の芸術品かと思うくらいに緻密な心の闇へのアプローチがすごい。 ほんと、芸術品を見た後みたいな力の抜け方する。笑笑...

この表紙にあるレースの下着のように、ただ、ただ、繊細で、細かくて、薄くて、細くて、でも、複雑な柄をした若者たちが出てきて、よくここまで作り込めるな、、、、 と、一種の芸術品かと思うくらいに緻密な心の闇へのアプローチがすごい。 ほんと、芸術品を見た後みたいな力の抜け方する。笑笑 なかなか本読んでそんなことないんだけど、うわぁ、なんだこの作品、人が作ったの?って思うくらい細かいレース編みを見たあとみたいな気持ち。笑笑 好きなんだ、見たいのよ、その細かい細かい詳細まで、でも、ずーっと見つめてると目が回る。 そんな一冊でした。 伝わるかなー?

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2023/07/11

『透明な夜の香り』もだけど、この作者の作品モチーフが面白い。 今回は洋服、それも人が着たものから歴史や社会情勢すら読み解く。(特にジェンダー) そしてそれらに関わること(分析と修繕)で、時代によって変わるジェンダーの概念と、変わってきたなりに現代にもジェンダーによる縛りがあること...

『透明な夜の香り』もだけど、この作者の作品モチーフが面白い。 今回は洋服、それも人が着たものから歴史や社会情勢すら読み解く。(特にジェンダー) そしてそれらに関わること(分析と修繕)で、時代によって変わるジェンダーの概念と、変わってきたなりに現代にもジェンダーによる縛りがあることに気づいていく。 完全には自由になれないもどかしさはありつつも、前を向いていこうとする。

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