遺伝子 親密なる人類史(上) の商品レビュー
本書はAudibleの朗読作品で知った。ドーキンスの次に手に取ったが、ドーキンスより面白い。本書は遺伝子、いや「遺伝」という謎の解明の歴史である。上巻では解明の対象としての遺伝子は、技術のための道具となり、他の生物学の探求や操作を可能とするまでを語る。 DNA→mRNA→タンパク...
本書はAudibleの朗読作品で知った。ドーキンスの次に手に取ったが、ドーキンスより面白い。本書は遺伝子、いや「遺伝」という謎の解明の歴史である。上巻では解明の対象としての遺伝子は、技術のための道具となり、他の生物学の探求や操作を可能とするまでを語る。 DNA→mRNA→タンパク質という生命のセントラルドグマを理解した。一般向けの教養書として科学に興味を抱かせる素晴らしい本である。下巻では道具となった遺伝子について語られていくようである。
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著者、シッダールタ・ムカジーはインド系アメリカ人の医師・生物学者・作家である。デビュー作となった『がん-4000年の歴史』(2010年)でピュリッツァー賞を受賞。本作もニューヨーク・タイムズ・ベストセラーのノンフィクション部門で1位を獲得し、各国語に翻訳されている。 ちなみに、「...
著者、シッダールタ・ムカジーはインド系アメリカ人の医師・生物学者・作家である。デビュー作となった『がん-4000年の歴史』(2010年)でピュリッツァー賞を受賞。本作もニューヨーク・タイムズ・ベストセラーのノンフィクション部門で1位を獲得し、各国語に翻訳されている。 ちなみに、「シッダールタ」というと釈迦の俗名を思い浮かべるのだが、実際のところ、インドではかなりありふれた名前のようである。 遺伝子研究史の本で上下巻というボリュームであり、取っつきにくいように見えるとは思うのだが、教科書的というよりも大河小説的で、門外漢の方でも比較的読みやすいのではないかと思われる(逆に言えば、そうでなければノンフィクション部門1位とはならないだろう)。専門用語はある程度は出てくるが、解説が巻末にまとめられており、原注・訳注も適宜丁寧についている。邦訳も違和感なく読みやすい。 上巻は「遺伝学」というそれまでにはなかった学問を築いた祖、メンデルのエピソードで始まる。彼が膨大な数のエンドウマメを調べたことは教科書にもある。メンデルは生前にはさほど注目されることもなかったが、遺伝の概念が構築されたのは彼の功績に負うところが大きい。メンデルの人となりのエピソードに関しては、見てきたようで本当なのかと思う部分もあるが、なかなかおもしろいところである。 遺伝学の重要な立役者になった別の生物はショウジョウバエで、モーガンの名がまずは挙げられるだろう。 遺伝学というのは、生き物のさまざまな形質が遺伝子と呼ばれるものを基にして発現されるというものである。 その発展に伴って、悪名高い優生学が出現する。ナチスに代表されるような、好ましくない形質を持つものを排除しようとする考え方だ。遺伝学はその負の歴史に翻弄される時代を経る。 遺伝子の物質的な側面に目を向けると、ワトソン(先ごろ訃報があったばかり)とクリックの二重らせん発見は大きなトピックだった。3つ組暗号、セントラルドグマ(DNAからRNAへの転写、そしてタンパク質への翻訳)の解明などもこの時代で、遺伝学の華やかな時代である。 物質としての遺伝子が解明されるにつれて、分子生物学・バイオテクノロジーの時代が幕を開ける。目的のDNAをクローニングし、発現させて、望みのタンパク質を得ることもできるようになる。 上巻ではこの辺りまでを追う。 全体に通奏低音として流れているのは、実は、著者自身の家系の物語である。著者の親族には精神疾患のものが複数出ている。 著者が生物学、さらに医学を志した理由は、このことと無縁ではないだろう。 精神疾患にもつながるような「素因」は著者の中にもあり、それに引きずられて絶望することもありえたのだろう。著者はそうはならなかった。かといってもちろん、優生学的な思想には与しない。 注意深く、人道的かつ冷静に、ヒトと遺伝学との関わりを考察しているのが本書のもう1つの美点であろう。
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昔の人がどのように人体について考えていたのか、遺伝子に関する考察の軌跡がおもしろかった。誰かが見つけたものを、他の誰かが証明して次へと繋げていく。そうして徐々に正解へと近づく科学の世界はドラマチックで知的好奇心を刺激する。 そして遺伝子といえばチャールズ・ダーウィン氏の「種の起...
昔の人がどのように人体について考えていたのか、遺伝子に関する考察の軌跡がおもしろかった。誰かが見つけたものを、他の誰かが証明して次へと繋げていく。そうして徐々に正解へと近づく科学の世界はドラマチックで知的好奇心を刺激する。 そして遺伝子といえばチャールズ・ダーウィン氏の「種の起源」。そんなダーウィン氏のいとこであるフランシス・ゴードン氏が「優生学」を提唱し、これが後にナチスのメンゲル医師による双子実験に繋がっていったのかと思うと、恐ろしさに震えた。 人間が遺伝子を操作できるようになってから、まだ200年も経っていないことに驚く。当時から倫理問題が懸念されていたようだが、それは現代でも重要な検討課題の一つであり、我々人間は未だ明確な答えを出せていない。21世紀とはいっても、まだまだ科学と倫理の発展途上の最中に生きていると思うと不思議な感覚を覚える。 人間の一生は短いのに、研究対象はあまりにも難解。今日もこうして自分の体が不自由なく動いてることが不思議でワクワクする。身体中の細胞に感謝しながら、下巻へ進む。
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「遺伝子 ─親密なる人類史─ (上)」(シッダールタ・ムカジー :仲野 徹監修/田中 文 訳)を読んだ。 遺伝子というものに纏いつくなんとも陰鬱で痛ましい歴史が詳らかにされていく。 『ある力が発見されたなら、人間は必ずそれを手に入れようとする』(本文より) まさにこれに尽きるな。
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シッダール・ムカジー「遺伝子(上)」読了。遺伝子に纏わる歴史をメンデルの遺伝の法則から昨今のゲノム編集まで系統的にかつ時系列にまとめられていて大変わかりやすかった。医師である著者である著者の絶妙なストーリーテリングに魅了された。遺伝子の歴史背景を知る事で、遺伝子に関する興味が更に...
シッダール・ムカジー「遺伝子(上)」読了。遺伝子に纏わる歴史をメンデルの遺伝の法則から昨今のゲノム編集まで系統的にかつ時系列にまとめられていて大変わかりやすかった。医師である著者である著者の絶妙なストーリーテリングに魅了された。遺伝子の歴史背景を知る事で、遺伝子に関する興味が更に深まった。
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冒頭のエピグラフに村上春樹の『1Q84 BOOK1』が引用されていて驚いた。とにかく文章が素晴らしい。ポピュラーサイエンスが文学の領域にまで迫りつつある。 https://sessendo.blogspot.com/2019/08/blog-post_21.html
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遺伝子研究の歴史書といったふうに読みました。 とても面白いです。 上巻はメンデルによる遺伝法則の発見、優生学の勃興、遺伝子がDNAに刻まれていること、DNAの構造の発見。それが物質として現れていく仕組み…といったところでしょうか。
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漠然と知っている遺伝子とその歴史を知ることができる。難しい内容もあり、優生学のくだりは恐怖や嫌悪を感じたけれど、それでも読み進めることができた。技術の危険性を検討するためのアシロマ会議とその経緯には、成果云々よりも感銘を受けた。
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『病の皇帝「がん」に挑む』のシッダールタ・ムカジーが、今に至る遺伝子学について書いた本。「がん」が遺伝子の病であることを考えると、遺伝子の歴史について語るのは自然なことなのかもしれない。 (なぜか文庫版になるときには『がんー4000年の歴史』とタイトルが変わっている...) 著...
『病の皇帝「がん」に挑む』のシッダールタ・ムカジーが、今に至る遺伝子学について書いた本。「がん」が遺伝子の病であることを考えると、遺伝子の歴史について語るのは自然なことなのかもしれない。 (なぜか文庫版になるときには『がんー4000年の歴史』とタイトルが変わっている...) 著者は、遺伝子を、原子とビットに並ぶ二十世紀を変えた三つの概念のひとつという。つまり、原子が物質の、ビットが情報の基本単位であるように、遺伝子は生物学の基本単位だとする。遺伝子の射程範囲は広い。著者は、「遺伝子という概念をまず最初に念頭に置くことなしに、生物や細胞の生物学や病理学、さらには行動、気質、病気、人種、アイデンティティ、運命といったものを理解することはできない」という。その通りだと思う。「われわれが人間のゲノムを理解し、操作する能力を手に入れたなら、「人間」とは何を意味するのかというわれわれの考えは変わってしまうはずだ」というのも決して大げさではない。 本書の構成は「遺伝子」についての歴史を書くと、まあこうなるだろうなという建付けになっている。メンデルとダーウィンから始めて、優生学、ワトソン・クリックのDNAの発見の物語、ヒトゲノム解析、そしてCRISP CAS9。もちろん、やや冗長に感じることもあるが、細かな事実を丹念に追った物語が紡ぎだされる。でも、...長すぎかも。 がんの話は知らないことも多かったのだけれども、遺伝子の話はそれなりに知識があったので、ちょっと長さがつらかった。一つ一つは面白いんだけれども。
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メンデルから始まる遺伝の謎をめぐる歴史をたぐる。著者の家族に潜む統合失調症の遺伝的要素もエピソードに混じる。遺伝、遺伝子、DNAの二重らせん、そしてDNAを操作する技術。
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