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遺伝子 親密なる人類史(上) の商品レビュー

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11件のお客様レビュー

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2020/12/15

「遺伝子 ─親密なる人類史─ (上)」(シッダールタ・ムカジー :仲野 徹監修/田中 文 訳)を読んだ。 遺伝子というものに纏いつくなんとも陰鬱で痛ましい歴史が詳らかにされていく。 『ある力が発見されたなら、人間は必ずそれを手に入れようとする』(本文より) まさにこれに尽きるな。

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2020/01/02

シッダール・ムカジー「遺伝子(上)」読了。遺伝子に纏わる歴史をメンデルの遺伝の法則から昨今のゲノム編集まで系統的にかつ時系列にまとめられていて大変わかりやすかった。医師である著者である著者の絶妙なストーリーテリングに魅了された。遺伝子の歴史背景を知る事で、遺伝子に関する興味が更に...

シッダール・ムカジー「遺伝子(上)」読了。遺伝子に纏わる歴史をメンデルの遺伝の法則から昨今のゲノム編集まで系統的にかつ時系列にまとめられていて大変わかりやすかった。医師である著者である著者の絶妙なストーリーテリングに魅了された。遺伝子の歴史背景を知る事で、遺伝子に関する興味が更に深まった。

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2019/08/25

冒頭のエピグラフに村上春樹の『1Q84 BOOK1』が引用されていて驚いた。とにかく文章が素晴らしい。ポピュラーサイエンスが文学の領域にまで迫りつつある。 https://sessendo.blogspot.com/2019/08/blog-post_21.html

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2019/06/18

遺伝子研究の歴史書といったふうに読みました。 とても面白いです。 上巻はメンデルによる遺伝法則の発見、優生学の勃興、遺伝子がDNAに刻まれていること、DNAの構造の発見。それが物質として現れていく仕組み…といったところでしょうか。

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2019/03/27

漠然と知っている遺伝子とその歴史を知ることができる。難しい内容もあり、優生学のくだりは恐怖や嫌悪を感じたけれど、それでも読み進めることができた。技術の危険性を検討するためのアシロマ会議とその経緯には、成果云々よりも感銘を受けた。

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2018/12/31

『病の皇帝「がん」に挑む』のシッダールタ・ムカジーが、今に至る遺伝子学について書いた本。「がん」が遺伝子の病であることを考えると、遺伝子の歴史について語るのは自然なことなのかもしれない。 (なぜか文庫版になるときには『がんー4000年の歴史』とタイトルが変わっている...) 著...

『病の皇帝「がん」に挑む』のシッダールタ・ムカジーが、今に至る遺伝子学について書いた本。「がん」が遺伝子の病であることを考えると、遺伝子の歴史について語るのは自然なことなのかもしれない。 (なぜか文庫版になるときには『がんー4000年の歴史』とタイトルが変わっている...) 著者は、遺伝子を、原子とビットに並ぶ二十世紀を変えた三つの概念のひとつという。つまり、原子が物質の、ビットが情報の基本単位であるように、遺伝子は生物学の基本単位だとする。遺伝子の射程範囲は広い。著者は、「遺伝子という概念をまず最初に念頭に置くことなしに、生物や細胞の生物学や病理学、さらには行動、気質、病気、人種、アイデンティティ、運命といったものを理解することはできない」という。その通りだと思う。「われわれが人間のゲノムを理解し、操作する能力を手に入れたなら、「人間」とは何を意味するのかというわれわれの考えは変わってしまうはずだ」というのも決して大げさではない。 本書の構成は「遺伝子」についての歴史を書くと、まあこうなるだろうなという建付けになっている。メンデルとダーウィンから始めて、優生学、ワトソン・クリックのDNAの発見の物語、ヒトゲノム解析、そしてCRISP CAS9。もちろん、やや冗長に感じることもあるが、細かな事実を丹念に追った物語が紡ぎだされる。でも、...長すぎかも。 がんの話は知らないことも多かったのだけれども、遺伝子の話はそれなりに知識があったので、ちょっと長さがつらかった。一つ一つは面白いんだけれども。

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2018/10/19

メンデルから始まる遺伝の謎をめぐる歴史をたぐる。著者の家族に潜む統合失調症の遺伝的要素もエピソードに混じる。遺伝、遺伝子、DNAの二重らせん、そしてDNAを操作する技術。

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2018/07/05

紀元前530年 ピタゴラス 遺伝情報(類似性)とういのは主に男性の精子によって運ばれる アリストテレスは遺伝がもっぱら男性の精子で運ばれるという考えを却下。 モーガンはメンデルの法則の重要な修正点を見いだした。遺伝子はばらばらに移動するのではなく、パッケージされたまま移動する...

紀元前530年 ピタゴラス 遺伝情報(類似性)とういのは主に男性の精子によって運ばれる アリストテレスは遺伝がもっぱら男性の精子で運ばれるという考えを却下。 モーガンはメンデルの法則の重要な修正点を見いだした。遺伝子はばらばらに移動するのではなく、パッケージされたまま移動するということだ。 1920年代 1918年スペイン風邪 過熱して死滅させた菌の残骸はなぜ生きた菌に接触しただけで、遺伝形質を受け渡すことができたのだろうか? グリフィスにはわからなかった。彼は最初、生きた菌が死んだ菌を食べることによって、自分の皮膜を変えたのではないかと考えた。勇者の心臓を食べることによって、勇気と体力を獲得できるとするブードゥー教の儀式のように。しかし、細菌が一度形質転換すると、その後は食糧源となる死んだ細胞を与えなくても、新しい皮膜は子孫に受け継がれていくことがわかった。 マーラーはエネルギー(低い線量のX線)を使って遺伝子を変化させた。その正体がなんであれ、遺伝子というのは動いたり、個体間を移動したり、エネルギーによって変化したりすることができるものであり、そうした性質は一般的に、化学物質の持つ性質だった。 自然というのは本質的に変化しやすいことを最も強力に提唱した最初の人物のひとりであるダーウィンですら、この突然変異率の変化には驚いたはずだ。 マーラーはさらに、自分の実験が優生学に広い影響をおよぼすことに気づいた。ショウジョウバエの遺伝子がこれほどの控えめな線量の放射線で変化するのなら、ヒトのゲノムを変化させることも可能ではないだろうか? 彼は書いている。 遺伝子の変化を「人為的に誘導」できるなら、遺伝というのはもはや、「手の届かない神だけが持つ、私たちをからかうという」特権ではないということだ。 1943年 シュレーディンガー まったくの仮説にもとづいて遺伝子の分子的性質を説明しようと試みた。「生命とはなにか」

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2018/06/04

タイトルの遺伝子よりも、副題である「親密なる人類史」が示すように、遺伝子に対する研究・認識と人類がどう関わってきたか、影響を受けてきたかについての書籍。文系にも読み易いが、むしろ、専門家こそ自分が扱っている学問の社会的な影響を考えるために読むべき。

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2018/04/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

がん治療の歴史を綴った前作に倣い、遺伝子研究の歴史が語られる。 父の兄弟に統合失調症、躁鬱病患者がいたという家族の物語と優生学に対する懸念が色濃く出ており、前作よりもプライベートなニュアンスが強まっているが、特に家族の物語については冗長に感じられる部分も多い。 上巻はメンデルからクローニング技術によって血友病の治療やインスリン製造を目的としたジェネンテック社の創設、特許問題あたりまでの歴史 ・ホムンクルス説の前に、ピタゴラスは精子が父親の体内を巡って情報を集め、それが子どもに伝わると考えていた。が、じゃあどうして母親に似るのだ、というもっともな反論を受けた ・優生学に対して ラマルク的な考え方は間違っていると証明されている。生物は「よい」方向に進化しようとするのではなく、ランダムな、多様性の中から環境に適したものが生き残ることで結果的に「よい」方向に進化してきたのだ。一見、「劣っている」者を遺伝子プールから排除することは多様性をなくすため不利益が大きい。そもそも表現型と遺伝子は一対一の関係にないので、遺伝子を選択するために表現型を選択しようという考え方に問題がある。 ■あまりに美しく、真実でないわけがなかった(二重らせん構造を発見した時のワトソン)

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