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特捜部Q 自撮りする女たち の商品レビュー

3.8

30件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

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2020/08/14

今回はカールの例の過去の事件についての言及がなかったな。 北欧諸国が高福祉の人権重視社会というのは幻想じゃないかと、北欧ミステリを読むたび思う。 そしてヨーロッパは絶対ナチスの罪を忘れない。

Posted byブクログ

2020/04/20

ちょっと繋がりが無理やりっぽく感じてしまった。 結局、ローセの父親はただのクズってことでいいのかな。。 最後のモーナも気になる! 次回作いつだろ

Posted byブクログ

2020/09/17

未解決事件を扱う<特捜部Q>シリーズ第七作。 前作「吊るされた少女」事件から二年が経った2016年の設定。 一番気になっていたアサドの親指の状態だが、やはり無事というわけにはいかなかったようだ。だがアサドも特捜部Qリーダーのカールも、内面の混乱はともかくとして表面上は日常を取り...

未解決事件を扱う<特捜部Q>シリーズ第七作。 前作「吊るされた少女」事件から二年が経った2016年の設定。 一番気になっていたアサドの親指の状態だが、やはり無事というわけにはいかなかったようだ。だがアサドも特捜部Qリーダーのカールも、内面の混乱はともかくとして表面上は日常を取り戻しているようだ。 一方で前作の終盤から様子のおかしかったローセが、二年経った現在も仕事ができないほどの酷い精神状態に陥っている。そしてついには精神科に入院という事態で一時的に特捜部Qから離脱という状況だ。 今回の作品は今までと構成を変え、現在進行形の事件と特捜部Q側とで並行していくスタイルを採っている。 現在進行形の事件は後に特捜部Qが追っている過去の事件と繋がることが分かるのだが、それは更にローセとも繋がり、出来過ぎと取るのか奇妙な因縁と取るのかは別として、いずれにしても先が気になるサスペンスタッチである。 副題は「自撮りする女たち」(原題「SELFIES」)だが、「自撮り」がテーマというよりは、身勝手な女たちといった感じ。 社会福祉政策が充実しているデンマークゆえのもう一つの顔、つまり権利は主張するがそれに伴うやるべきことはやらない人間たちがここにもいるということだ。 そうした人たちを相手にする福祉課の職員も日々不満を抱えている。最近よく聞く言葉で言えば『モヤモヤ』だ。 自分はこんなに頑張っているのに、なぜ自分より楽をしている人間がなぜ自分より良い目に遭っているのか。 こういう感覚は誰もが持つことだろう。よく聞くハラスメント問題もこういう『モヤモヤ』が発端になっていることが多い。 自分と周囲を比べても仕方のないことと分かっていても、仕事でそうした人間に接しなければならない人にとってはかなりのストレスだろう。 だが面白いことに、そういう身勝手な女たちの中でも互いに『モヤモヤ』を感じている。つまり、自分はこんなに頑張って補助金を引き出すためのアイデアを出したり体を張って頑張ってるのに、彼女は何もしないで楽をしている、みたいな。 読んでいるこちらからすれば五十歩百歩、どっちもどっちだろ、と言いたいところだが、身勝手な女たちや福祉課職員のそういう『モヤモヤ』はついに暴走を始め、殺意まで芽生えさせるのだ。 正直言って、身勝手な女たちサイドの人間は女に限らず出てくる人物たち皆共感出来ないので、完全な傍観者としてどんな破滅的結末を迎えるのかという単純な興味で読んでいた。 一方でローセがこれまで特捜部Qでパワフルに仕事に向かっていた姿と裏腹に、これほどの深く重い傷を背負っていたとは想像もつかなかった。彼女の猛烈な仕事への取組の裏で時折見せるエキセントリックな行動も説明がつく。唯一の救いはローセの妹たちがローセを心配し愛していること、そして何より特捜部Qの面々がローセのためにこんなに頑張っていること。 何とかローセには復活してもらい、再びあの猛烈な仕事ぶりを見せてもらいたい。 冒頭に書いたようにこの作品の設定は2016年、この作品が日本で出版されたのは2018年1月。それからもう2年近くが経とうとしているが、続編が出るとの話は聞かない。 今作ではカールのトラウマの元凶である「釘打ち事件」については何も出てこない。だがその「釘打ち事件」で大変な重傷を負ったハーディは少しずつ回復の兆しを見せている。これは吉兆なのか、それともカールにとってなにか不都合な真実が明かされる凶兆なのか、ドキドキする。 またアサドの、カールの知らない一面が少しずつ見えてくるのも興味深い。彼は一体何者なのか、なぜデンマークに来て、何をしようとしているのか。 早く続編を読みたいような、怖い結末なら見たくないような。

Posted byブクログ

2019/04/29

 スウェーデンを中心とする北欧ミステリだが、デンマーク発のミステリと言えば、このシリーズだろう。第3作までは映画化されたものをWOWOWで観ているが、第四作『カルテ番号64』は今年になっての上映。映画化されたものに比べて、作品はカール・マークの独白による描写が多く、リズミカルでコ...

 スウェーデンを中心とする北欧ミステリだが、デンマーク発のミステリと言えば、このシリーズだろう。第3作までは映画化されたものをWOWOWで観ているが、第四作『カルテ番号64』は今年になっての上映。映画化されたものに比べて、作品はカール・マークの独白による描写が多く、リズミカルでコミカルで明るいイメージが強い。息詰まるような暗い犯罪を解決する捜査官としては、このくらい明るくなくてはやってられない、ような気がする。  そして、特捜部Qシリーズも、いよいよその第七作に突入。全10作で完結するという本シリーズ。宿題もいっぱい抱えている。第一作の最初に起こった事件の捜査途上で、当時、銃撃され生死が危ぶまれ意識不明に陥っていた元部下のハーディは巻の進むごとに回復しているものの、事件そのものは暗礁に乗り上げたまま。  そもそもその正体が不明である部下などいるわけもないと思うのに、アサドとローセはまさに正体不明の部下である。アサドは、どこかイスラム圏の政府機関にいたことがあるようにも思えるほど、時に国際社会の闇に精通している様子を垣間見せるが、たいていは言葉の間違いや、イスラムの風習で笑わせてくれる明るい存在だ。  最も心配なのが、ローセ。これまで姉と妹の双子役を演じ、多重人格を疑わせてきたローセは、本作でまた新たな人格を纏って職場に現れる。さらに彼女の精神状態が重篤化し、過去に抱えてきた心の闇が徐々に露わになることを思えば、本書はシリーズの中でも重要な作品と言えるかもしれない。  さてシリーズとしての役割はともかく、本作も、デンマークの社会問題の闇に迫る一作となっている。北欧諸国が世界に誇る福祉政策の裏側で、福祉され受給する似非(えせ)弱者たちの問題である。失業保険を過度に受給する若く美しい女たちが一向に真面目に働かず、華美な衣装に身を包んでいることに、切れてしまう福祉局職員の犯罪、という少し考えにくい想定でありながら、いつもの通り、物語は想像を遥かに超える怖い場所にまで 読者をいざなってゆく。徐々に壊れる心と、狂気の怖さは、事件当時者の側にも、捜査側のローセにも同時並行的に膨らんでゆくのである。  いつもの緊迫感に欠けはするものの、じわじわと迫ってくる物語の深さと恐怖を味わいつつ、特捜部Qは新たな救済に向けてまた一作進んできたことをも伺わせる。あと三作ですべての宿題がきれいに片付いてくれることを願うばかりだ。

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2020/08/18

福祉、虐待、善意、支配、搾取…… 事件とローサの過去が交錯する本作は、相対するような言葉が何度も胸を行き交う。 簡単にひとは歪むし、こころを砕いて誰かに向きあうことを避ける。 生きていくには愛とお金が必要で、片方では生きていけないのに、目に見えるものを先んじて傷つくし傷つける。 ...

福祉、虐待、善意、支配、搾取…… 事件とローサの過去が交錯する本作は、相対するような言葉が何度も胸を行き交う。 簡単にひとは歪むし、こころを砕いて誰かに向きあうことを避ける。 生きていくには愛とお金が必要で、片方では生きていけないのに、目に見えるものを先んじて傷つくし傷つける。 自分も他人も等しく傷つけてどこへもいけない。

Posted byブクログ

2019/01/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

泣けました。ローセ…(;_;) 普通にエキセントリックだと思ってたのでこんなにも深かったとは。 あと、自分が福祉に携わっていて、本当に困窮している人たちのことを知っているので、いわゆる「甘い汁」を吸って生活をしている人たちには憤りを感じますね。アネリの心情のほうが同調できました。 最後のモーナとやりとりにも涙が出てしまった。 このシリーズ、映画にもなってるのですがどうなんてしょうか?いつも悩んだ末にDVD借りてはいないんです。

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2018/12/25

ローセがねぇ。。。ちと重いけど、待ちに待った新刊が読めて幸せ。続刊が待ち遠しい大好きなシリーズです。

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2018/10/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

特捜部Qシリーズ第七作。 特捜部Qのメンバー、ローラの過去が明らかになる作品。 長年、父親から精神的虐待を受けていたが、 その父親は圧延工場で事故死した。 すぐそばにいたローラは犯人なのか。 ガンに罹患してしまった社会福祉事務所の女性が、 自分の担当の生活保護を受けている女性たちを殺していく話も強烈で、 過去の女性教師殺人事件と現在の老女撲殺事件の関連性について捜査しているはずなのに、 どうも印象が薄れがち。 ゴードンがどんどん使える奴になっているのが、楽しい。 モーナとカールの関係は好転するのか。 とにかくローラが助かって良かった。

Posted byブクログ

2023/02/01

「特捜部Q」もシリーズ7作目。 デンマークの大人気ミステリです。 地下の特捜部に追いやられているカール・マーク警部。 部下はほぼ警官ですらないメンバーで回しているが、事件の解決率はかなりのもの。 今回は秘書のローセに焦点が当てられています。 福祉国家として知られる北欧のデンマ...

「特捜部Q」もシリーズ7作目。 デンマークの大人気ミステリです。 地下の特捜部に追いやられているカール・マーク警部。 部下はほぼ警官ですらないメンバーで回しているが、事件の解決率はかなりのもの。 今回は秘書のローセに焦点が当てられています。 福祉国家として知られる北欧のデンマーク。 福祉事務所には給付を望む市民が詰めかけ、中には働く意志がなくなんとか言い訳してお金だけは貰おうという根性の人間も。 相手をする係員もストレスを抱えているのでした。 そんな状況で出会った気まぐれな若い娘たちが意気投合、思わぬことから犯罪に‥? 背景には、歴史を背負って破綻した家族たちの重いものも含まれるのですが。 おしゃれだけはする若いコたちの身勝手な言い草が情けないやら哀しいやら。 さらに、真面目な官吏のはずの担当者の切れっぷりのほうがすごくて、笑えてくるほど、ぶっ飛ばします。 ローセは有能だけど変わり者。というのはわかっていましたが、これほど壊れてしまうとは‥ 鬼気迫る描写の後に、過去のつらい状況が明らかに。 現在の事件とも運悪く絡み合い‥ 救いようがないと思われたいきさつがあっても、時とともにじわりと事態は動きます。 ローセを救おうと懸命に突き進むカール、アサド、ゴードンたち。 ラストに光が差し、泣かされます。 ローセのために★1つ追加で。

Posted byブクログ

2018/07/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

特捜部シリーズ7作。 あらすじ 特捜部のメンバーであるローセは前の事件からさらに精神的に不安定だ。事件現場で亡くなった父親のことを思いだしたらしい。福祉事務所に勤める女性職員は、若い娘たちが、扶助金だけをもらって働かないことに苛立っていた。一方、無職の女性たちは、事務所で意気投合し、クラブを襲ったんだ金を奪おうとする。特捜部では、未解決の事件を再捜査することにしたが、それは現在に起こった事件と手口が似ていた。 今回は半分くらいがローセの過去に関係するもの。アサドは思いやりが深くて、友達思いだなあ。車椅子でカールの同居人、ハーディーは、冷静沈着でだんだん良くなってきているのかな。メインで起こる事件は、あっちもこっちも女性がヒステリーを起こしまくっていて、カールとか他の同僚の気性の激しさが影をひそめるほどだ。メチャクチャ過ぎてむしろ笑える。事件も複数で、過去現在と入り組んでいるけど、読みやすい。一気読み。ローセは次回て復帰できるよね。

Posted byブクログ