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水底の女 の商品レビュー

3.9

11件のお客様レビュー

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2021/09/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

今まで読んだ作品で初めて犯人がすっきり明らかとなり、割とマーロウの謎解きと自分の考えが重なった。キャラクターの描写が確かに女性より男性のほうが詳しい。同じ主人公のシリーズものだと、主人公の性格が一定していて、ある意味行動がワンパターンになる気がするが、チャンドラー作品のマーロウは気分のムラがあるように読める。芯の部分は動かないが、作品によって違う。そこが面白い。

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2021/09/06

同じ著者の長編ではこれが1番好き。舞台の半分がいつもの荒んだ大都会から離れて郊外の山や湖で、老保安官のキャラクターがとても良い。悪役も鮮やかでよかった。

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2020/04/09

戦時下という時代を背景に、悪女に振り回される馬鹿な男共のお話。銃とウイスキーと麻薬とカネと愛憎と死体がこれでもかと絡んで救いようもない。 それでも読後に絶望感に浸らず居られるのはチャンドラーの筆致か、翻訳者の村上春樹の腕か。

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2020/01/04

事件の様相はぐるぐるまわって、結局このトリックになっちゃたわけか、それにしても登場人物のクリス・レイヴァリーには偶然の要素が多すぎるかもね。気の利いたセリフやじんわりと情景を感じさせてくれる文章で、次々とページを繰っていくことができたので、まあ面白かった。後書きで村上春樹が、この...

事件の様相はぐるぐるまわって、結局このトリックになっちゃたわけか、それにしても登場人物のクリス・レイヴァリーには偶然の要素が多すぎるかもね。気の利いたセリフやじんわりと情景を感じさせてくれる文章で、次々とページを繰っていくことができたので、まあ面白かった。後書きで村上春樹が、この小説では溌溂としていない冷静なフィリップ・マーロウだといっていて、確かにそんな感じだが、いいのか悪いのかは、「ロンググットバイ」を読んでから決めよう。

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2018/07/08

読んでいて楽しいミステリー。こういう本はゆっくり読みたい。訳者の村上春樹氏によるとスピード感の不足やロジックの弱さが指摘されているが、それでもチャンドラーらしい。情景描写が細やかで、殺人事件なのにジメジメ感がない。展開にはらはらさせられる。▼表紙の裏に的確な案内がある。:私立探偵...

読んでいて楽しいミステリー。こういう本はゆっくり読みたい。訳者の村上春樹氏によるとスピード感の不足やロジックの弱さが指摘されているが、それでもチャンドラーらしい。情景描写が細やかで、殺人事件なのにジメジメ感がない。展開にはらはらさせられる。▼表紙の裏に的確な案内がある。:私立探偵フィリップ・マーロウは、香水会社の経営者ドレイス・キリングのオフィスを訪ねた。男と駆け落ちしたらしい妻の安否を確認してほしいとの依頼だった。妻の足取りを追って、湖の町に赴いたマーロウはそこで別の女の死体を見つける。行方知れずの社長の妻となにか関係があるのか……。マーロウの調査はベイ・シティーの闇をえぐる──。チャンドラー長編最後の作品。

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2018/04/19

村上春樹の翻訳は何度読んでも落ち着かない。日本語を紡ぐときはあれほどスムースな人が、翻訳になると逐語訳のような似て非なる文体になるのは何故なんだろう?

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2019/08/23

「湖中の女」の村上春樹翻訳版。 相変わらず丁寧な翻訳という印象。いかにもハードボイルドな印象の清水版とは違ってマイルドなマーロウという感じ。 「湖中の女」を読んだ時も感じたが、ミステリーとしてはイマイチ。序盤で大体の構図が分かってしまうし、結局はそれを確認しながら読む作業となっ...

「湖中の女」の村上春樹翻訳版。 相変わらず丁寧な翻訳という印象。いかにもハードボイルドな印象の清水版とは違ってマイルドなマーロウという感じ。 「湖中の女」を読んだ時も感じたが、ミステリーとしてはイマイチ。序盤で大体の構図が分かってしまうし、結局はそれを確認しながら読む作業となった。 だがマーロウの容赦ない、絶対に手抜きしない仕事ぶりは相変わらず発揮されていたし、警察との『タフ』な関係も相変わらず描かれていたし、このシリーズらしいオチも良かった。 結構好きだったのは老境にかかろうとする保安官代理。マーロウを『若いの』と表現するのが何とも渋くて良かった。 マーロウシリーズの長編はすべて翻訳完了。できれば短編集も翻訳してほしいのだけど、あとがきで『さいごの一冊』と書いてるからにはないのか。残念。

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2018/02/07

春樹訳マーロウの最終巻。二つの短編をくっつけたというし、ミステリーとして無理っぽさがあったけれど(そして今までの中で一番、読みづらさがあった)、マーロウの描きよう、全体的な色合いが楽しめたとともにこれで終わりなのねとさみしさも。今回は女性の魅力が控えめ?

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2018/02/05

フィリップ・マ-ロ-に久々に会えた! 渋さが魅力の私立探偵、なのにあれ?こんな人だったかな…とちょっと思うところもあったけれど、ほぼ一気読み。ストーリーは気に入った。

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2017/12/17

”「きみの態度は気に入らんな」とキングズリーは言った。硬い声だった。ブラジル・ナッツだって割れそうなほどだ。 「どうぞお好きに」と私は言った。「それが私の売り物というわけじゃありませんから」”(本書p11より) ロサンゼルスの私立探偵フィリップ・マーロウを主人公とするレイモンド...

”「きみの態度は気に入らんな」とキングズリーは言った。硬い声だった。ブラジル・ナッツだって割れそうなほどだ。 「どうぞお好きに」と私は言った。「それが私の売り物というわけじゃありませんから」”(本書p11より) ロサンゼルスの私立探偵フィリップ・マーロウを主人公とするレイモンド・チャンドラーの一連の作品についての村上春樹の翻訳シリーズ最終であり、本書をもってチャンドラーの全ての長編が翻訳されたことになる。 本書「水底の女」は、ストーリー的に言えば、プロットが若干複雑であり、特にキーとなる数人の女性に関しては、読んでいるうちにキャラクターが混同してくる場面があった。そうした読みにくさは若干脇に置いておいたとしても、やはりフィリップ・マーロウという人物の造形はどの作品を読んでも魅力的に映る。 そうした点で、2007年の「ロング・グッドバイ」から始まり、10年近く楽しみにしてきたフィリップ・マーロウともう会えないのだと思うと、一抹の寂しさがよぎる。村上春樹によるチャンドラーの翻訳は全て読み通してきただけに、寂しい気がするが、久しぶりに「ロング・グッドバイ」を読み返したい気分になっている。

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