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新しい時代のお金の教科書 の商品レビュー

3.7

32件のお客様レビュー

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2022/06/21

2017年12月に発行されたこの本。 私が読んだ2022年には、2017年よりも、だいぶ世の中、経済の動きが変わってしまった気がする。 それでも、今のところ仮想通貨バブルは継続している。著者が話す仮想通貨の終焉はそのうちに訪れるのだろうか? この本は、いわゆる「貯金だけじゃだめ...

2017年12月に発行されたこの本。 私が読んだ2022年には、2017年よりも、だいぶ世の中、経済の動きが変わってしまった気がする。 それでも、今のところ仮想通貨バブルは継続している。著者が話す仮想通貨の終焉はそのうちに訪れるのだろうか? この本は、いわゆる「貯金だけじゃだめ、積立NISAで投信買いなさい」みたいな指南本ではない。 お金の歴史と、今後についての筆者の見解が書かれた本。興味深く読んだ。 著者は、将来的にお金はなくなり、信用がお金に取って代わる…と言う。 そうなると、税金はどうなるんだろう?お金以外で取り立てる事が可能なんだろうか?という疑問が湧いた。 もしかしたら、国家(税金を徴収する者)自体が破綻すると言う意味が込められているのだろうか。 「信用で飯を食う」というと、昔ながらのお中元お歳暮などの贈り物文化を思い出した。世話になってる、頼りにしてる、という意味合いで贈られるものは、その人の信用を表している気がする。 若い世代、特に都会暮らしの人の間では、お中元お歳暮文化は浸透してない。若い世代は、確かに衣服にお金をかけず、IKEAのコットントート持って、ユニクロでも良いという人も多いかもしれない。でも逆にお金かけたいところにお金をかける(推し活とか)。それに、若い人全員がカジュアルを好んでいるのではなく、若い人の中にも、良いスーツ着て良い車に乗ってこそ得られる羨望を求めてる、つまり、お金を必要としている人だって一定数存在する。 逆に、年配者や地方暮らしの人は、仕事で得た信用で次の仕事のお誘いがあったり、口コミやネットワークで広がっていく世界を生きていると思う。年配者や地方が時代の最先端とは思わないけど、筆者が言うところの将来の世界というのは、都会の若者より、地方の年配者の方が、当てはまっているような、信用が物を言う世界を生きているとも言えるのではないか?と思ったりしたよ。 将来=時代の最先端、と思いがちだけど、意外にも将来は、今で言う年配者や地方暮らしの文化的なところにシフトしていくのかな。 私は、お金!お金!の暮らしはしたくない。生きてくのに支障がなければ、余分なお金はなくて良いかなと思ってる。身軽に生きていたいのだ。 他方で、同級生の中では、タワマンに住んで外車乗って…をステータスに置いてる人もいる。 後者にとっての「信用」とは、つまり「お金」でしかないと思うのだ。 何がいいたいのかというと、「信用」とは、多様な意味を持つ。お金によって作られる信用もあるし、お金があるから得られる信用もある。 そういう多様な価値基準の中で、一律の価値をもつもの、一律の信用をもつものとして誕生したのが「お金」だ。 「信用」とは一義的なものではない以上、信用がお金に取って代わり、お金がなくなる、というのは、現実的に想像ができないな…と私は思った。 他方で、将来的にお金がなくなれば良いという筆者の考え方は、一定程度支持ができる。 お金がなくなれば、お金をめぐる様々な犯罪(振り込め詐欺とか、給付金詐欺とか)、そんなことにアイデアを出して頭使うなら、もっと社会貢献しようよって思うような犯罪が減るのではないか、と思うからだ。 そう考えると、本当に「お金」って罪な存在ですね。

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2022/04/17

本書はお金の歴史を振り返るところから始まる。 驚いたのは、近年の研究ではお金の起源が、物々交換ではなく、信用と記帳のシステムであったと説明されているとのことだ。 (なんだが、「今は鎌倉幕府成立は1192年じゃないんだってね」と言われた気分。) ヤップ島の巨石貨幣フェイは、持ち運ぶ...

本書はお金の歴史を振り返るところから始まる。 驚いたのは、近年の研究ではお金の起源が、物々交換ではなく、信用と記帳のシステムであったと説明されているとのことだ。 (なんだが、「今は鎌倉幕府成立は1192年じゃないんだってね」と言われた気分。) ヤップ島の巨石貨幣フェイは、持ち運ぶのではなく、そこに取引したものを刻み込んで記帳した。 これが貨幣の起源の一つだというのだ。 つまり、ビットコインのような形態が、すでに古代社会にあったということになる。 お金の「信用」を保証するのが、君主から国家に移り、やがて企業や個人になっていく。 このあたりは経済がグローバル化し、国家がすでにそれを統制できなくなっている現状、ビットコインをはじめとする仮想通貨が出てきた流れと符合する。 この十数年来、私たちが目にしてきたものだ。 しかし、筆者は、仮想通貨も過渡期の形態で、いずれはなくなると考えている。 その代わりになるのは、「時間通貨」なるものだという。 21世紀になり、人々は物質にではなく、承認に価値をおくようになった。 モノからコトへ、財の形態が変わり、人々が時間を資源として経済活動をするようになる、というのだ。 そして、記帳技術の発展で、やりとりにお金が不要になり、人々が求めるものでもある信用をツールに取引するようになる、ということらしい。 が、このあたりからが、若干飲み込みにくい。 こちらの頭が、現状のシステムに凝り固まっているせいもあるのだろうが。 筆者の、資本主義が貨幣の力で世の中のあらゆるものを文脈から切り離し、均質化したことへの批判意識は共感できる。 そのアンチテーゼとして、すべての人に与えられている時間を価値とすると考えたいのも、受け入れてみたい気もする。 (ただ、筆者の言うように時間がすべての人に平等に与えられているとは思えない。) 2017年の刊行時に本書を読んだなら、もっと共感したかもしれない。 でも、その後、パンデミックの世の中になった。 そして、ウクライナ侵攻を見ていると、人間の生存に物質が必要で、それを軽視することはできないことを再確認させられる。 筆者に言わせれば、それすら、一時的な揺り戻しなのか? 刑務所でタバコが通貨となるように、今のウクライナでも人々のつながりで経済が動いている、のか? 理想的な形で時間経済を享受できる人と、資本主義経済の世界に取り残される人に二極化していくのではないか、と考えるのはあまりにも悲観的すぎるのだろうか。

Posted byブクログ

2020/09/14

「おかね」って一体何なのか、改めて問われると実はうまく定義できないし、今後、お金の役割や価値が変わるような予感もあり、勉強のために購読。著者が主張するお金の将来予測(時間主義、信頼主義)は、今ひとつ理解できない概念もあるが、持っているだけだと価値が増えない(むしろ減る)という取り...

「おかね」って一体何なのか、改めて問われると実はうまく定義できないし、今後、お金の役割や価値が変わるような予感もあり、勉強のために購読。著者が主張するお金の将来予測(時間主義、信頼主義)は、今ひとつ理解できない概念もあるが、持っているだけだと価値が増えない(むしろ減る)という取り組みは一部実現していて注目したい。もっとも感じ入ったのは「格差の本質的な問題は文脈の崩壊。単なる数字で判断したり比較することで格差が生まれるが、本質的にはそれぞれの事象に文化や文脈=価値があるはず」。これをよしとしている人間側の問題ということか。

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2019/12/29

時間通貨について、著書は年齢とともに価値も変化するとあるが、若くても賢い人やユーチューブなどで稼げる人がいる一方、40〜50歳になっても親の脛をかじって引きこもってる人もいるため、年齢とともに成長という仮定は必ずしもイコールではない。 p.178 お金にうまく色をつけよう。とあ...

時間通貨について、著書は年齢とともに価値も変化するとあるが、若くても賢い人やユーチューブなどで稼げる人がいる一方、40〜50歳になっても親の脛をかじって引きこもってる人もいるため、年齢とともに成長という仮定は必ずしもイコールではない。 p.178 お金にうまく色をつけよう。とあるが、そもそもうまく色をつけるとはどういうことを指しているのか。また色をつけることにより、どんなメリットがあるのか不明。 ・信用を作ることが大切で、その為には誠実さ・コミットメント・スキル・成果をあげること。また、利己心を抑えること。 途中から概念が飛び過ぎてややSFっぽく感じる。言わんとすることは分からなくもないが、二十一世紀として本当に起こりうることなのか。現実味がない。

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2019/09/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

お金とは何なのか、お金とどう付き合っていけばいいか この本を読むきっかけは、 1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法 山口揚平 を読んだからです。 山口さんの他の本も読んでみたいと欲しました。 「文脈の毀損」と言葉にして指摘されたところに共感、いや共鳴する感覚がありました! そう!お金で交換するとそれで済まされてしまう感じ! 私は目標設定に対して疑問を持っていて、調べています。 この本はその点で私にとってはとても良い参考になりました。 ありがたいです。 「好きなことをしましょう」 啓発書でもビジネス書でも、アドバイスでもこの言葉は耳にタコができるぐらい聞きます。 本質を突いているようで、実は好きなことができる人は少ないのではと疑っています。 これは私の主観的な感覚です。 私はいわゆる良い子に育ちました。 そこで大事なのは、言われたことを「済ませる」ことです。 この「済ませる」は調味料に例えると焼肉のたれと同じぐらい万能です。 例えば、食事を済ませる、掃除を済ませる、仕事を済ませる。 済ませると言う言葉でしっくりきてしまう時、みんな大好きフレーズ「行動」はしたことになります。 では、「好きなこと」は「済ませる」でしょうか? 昨日は友達と一緒にBBQを済ませて、めっちゃ楽しかった〜! とは言わないでしょう。 好きなことを「した」と言う時、無意識で嬉しい感覚があった、実感があったと確信しています。 文脈の毀損が起こるのは必然になってしまって、済ませることほどお金には結びつきやすい気がします。 なぜなら、そこに実感があろうがなかろうが、手順が示されていて、同じようなものができれば同じような価格になるからです。 気持ちをこめようが、手だけ動かそうが結果は同じ。 それならば最初から、済ませる範囲でできることで価値を最大化したらお金として最大化するはずです。 本文中に 文化や背景といった物語のような営みの文脈からお金で交換できるものへとなっていくことで、文脈は毀損する。 と書かれていました。 私はこう考えました。 お金に交換される地点ではなく、そこに近づくにつれてグラデーションで徐々に毀損が起こっている。 こうすればこのぐらいの値段で売れる、この仕事をすればこのぐらいの収入が得られる。 そのような「済まされること」になっていく時点でゆっくりと、ものやサービスにこめられる思いや文脈は薄れていく。 理念や想い、文化や背景、歴史からの流れは徐々に毀損されていくとイメージできます。 この本を読んで、「才能を貢献に変える」のような一見してよくわからない考えは、自分の好きなことを「する」 想いをそのまま貢献にすれば、それは必然的に価値に一番近いから嬉しいはずだと感じました。

Posted byブクログ

2019/07/29

資本経済から時間、記帳、信用と進化していく。これまでの働き方の価値観が変わると知った。ちょうど吉本問題の渦中も、芸能人の在り方の転換点だとうなづく。より、個人の活躍が重要。

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2019/06/06

お金は信用を外部化したもの。うん分かる。そして汎用性があること。これも分かる。 信用さえあれば、紙幣や通貨の形である必要もない。敷衍して資本主義から信用主義へと移行すると予言する。どうかな。 信用を担保するものは何なのか。これがどうも著者の言い分に同意できない。でも未来のお金との...

お金は信用を外部化したもの。うん分かる。そして汎用性があること。これも分かる。 信用さえあれば、紙幣や通貨の形である必要もない。敷衍して資本主義から信用主義へと移行すると予言する。どうかな。 信用を担保するものは何なのか。これがどうも著者の言い分に同意できない。でも未来のお金との付き合い方として「お金でお金を増やすのはやめよう」という提言には賛成だ。ここが現実には受け入れられないと思うけど。人は貪欲だし利他主義にはなれないよなぁ。

Posted byブクログ

2019/04/01

お金の教科書ではない。 これから、お金と、それに変わる何か、について 考察するが、わかりづらい。 他の書籍は面白いのだが、お金の話でわからなくなるので、これを読むも、腑に落ちなかった。

Posted byブクログ

2018/12/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

貨幣の存在の本質について語った名著。 メモ ・お金とは譲渡可能な信用。お金は稼ぐのではなく、創るもの。人間は個性と社会性の2つを分業して繁栄することを生存戦略とした生物。 ・価値は文脈を保全するが、貨幣は文脈は引き継げない。貨幣の本質的な課題は格差ではなく、文脈の毀損なのでは。 ・世界はネットワーク、企業、国家の3層構造。 もはや一部国家より企業の方が経済的に大きくなっている。 ・信用母体の変化。国家から企業や個人へ。 ・インターネットは移動する、ブロックチェーンは世界を上書きする。時間を刻む。インターネットは空間を広げる ・標準化画一化習慣化のビジネスから、多様化個別化肯定化のビジネスへ ・これまでの需要と共有で決まる価値から 個人の文脈によって決まる価値へ。 ・社会的欲求は憧れ、承認、つながり。 ・幸福の本質は一体性。周りの人や自分の期待値の一致性。幸福とは解釈から生まれる。自分がどう思うか。 ・タテ社会からヨコ社会へ(ネットワーク社会) ・人々の欲望が生存から、社会的欲求にシフトすると、お金で購入できなくなる。得るためには、お金でなく、時間が必要になる。

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2018/10/28

2018年14冊目 お金というもの、そして、これからのお金について書かれた本です。 著者は事業家であり、思想家 著者は前著からお金に対する考え方を紹介しており、本書は著者のお金についての思索の旅の終わりと書かれています。 なので、本書に描かれているお金の未来は著者の思索から生まれ...

2018年14冊目 お金というもの、そして、これからのお金について書かれた本です。 著者は事業家であり、思想家 著者は前著からお金に対する考え方を紹介しており、本書は著者のお金についての思索の旅の終わりと書かれています。 なので、本書に描かれているお金の未来は著者の思索から生まれてきたものと思われます。 と、言って難しい話かというと割と読みやすい。ただ、なかなか理解しにくい面があります。 お金というものを考える上では面白い一冊です。

Posted byブクログ