息子が人を殺しました の商品レビュー
今までの私には無かった、事件加害者の家族・関係者の「保護」という視点。 確かに、今でこそ配慮がなされるようになったのか、ワイドショーや週刊誌での事件報道は一昔前に比べれば控えめになったような気もするが、それでも不必要と思える取材内容を報じている。 また、ネットの発達と共に’ネッ...
今までの私には無かった、事件加害者の家族・関係者の「保護」という視点。 確かに、今でこそ配慮がなされるようになったのか、ワイドショーや週刊誌での事件報道は一昔前に比べれば控えめになったような気もするが、それでも不必要と思える取材内容を報じている。 また、ネットの発達と共に’ネット世論’なる誹謗中傷が本来無関係である人から加害者側へダイレクトに届くようになったり、あらゆる個人情報が公開されたりと個人の歪んだ正義感・悪ノリによる無分別が横行しているのはその通りだと思う。 もちろん起こした事件の社会的影響などで心情的にわからなくもない面はあるものの、日本の場合は徹底したえげつない’社会的処刑’が割と普通に行われるのが問題。 少年法の問題も見逃せない。 そこでこの新書であるが、ざっと8割がたが事例紹介に割かれており、残り1割が著者の略歴、更に残った1割が本題。もう少し事例を絞って、問題提起や当該家族からのインタビューや具体的対策・展望にページを使った方が良かったのでは。 非常に大切なテーマではあると思う。 4刷 2021.6.13
Posted by
加害者家族に対して、厳しい発言をしてしまうのはどうしても仕方がないことだと思う。 特に近所に住んでいたり、職場が近いとなおさらのこと。 ただ、加害者家族にもこれからの人生があるわけで、それを支援しようとする著者の取り組みが素晴らしいと思った。 加害者家族がどういう思いを持っている...
加害者家族に対して、厳しい発言をしてしまうのはどうしても仕方がないことだと思う。 特に近所に住んでいたり、職場が近いとなおさらのこと。 ただ、加害者家族にもこれからの人生があるわけで、それを支援しようとする著者の取り組みが素晴らしいと思った。 加害者家族がどういう思いを持っているのか。 なかなか歩み寄ることは難しい部分。 人の気持ちは他人にはわからない中で、寄り添おうとする支援団体に敬意を持った。
Posted by
ずいぶん前から、加害者家族について知りたいと思っていた。『少年A この子を生んで』を読んだのも、その思いからだった。 家族が加害者になったという事実だけで大きな傷を負い、徹底的に、「世間」からの容赦ないバッシングと排除を受ける。報道がそれを加速させる。 多くの事例を知ることが...
ずいぶん前から、加害者家族について知りたいと思っていた。『少年A この子を生んで』を読んだのも、その思いからだった。 家族が加害者になったという事実だけで大きな傷を負い、徹底的に、「世間」からの容赦ないバッシングと排除を受ける。報道がそれを加速させる。 多くの事例を知ることができた。また、アメリカとの違いも興味深かった。 ただ、具体的にどのような支援がなされるべきなのかについては、まだ手探り状態なのだなと思った。 少なくとも、加害者家族は多くのことを諦め、息を潜め、細々と人生を歩んでいかなければならないことに変わりはない。
Posted by
「手紙」など加害者家族に焦点を当てた作品はいくつか読んだことがあったけれど、フィクションではなく実際に存在する加害者家族の生の体験がたくさんリアルに書かれていて、改めて罪がない加害者家族が辛い思いをしているという現実が突きつけられた。かといって、どんな事件の加害者であっても家族と...
「手紙」など加害者家族に焦点を当てた作品はいくつか読んだことがあったけれど、フィクションではなく実際に存在する加害者家族の生の体験がたくさんリアルに書かれていて、改めて罪がない加害者家族が辛い思いをしているという現実が突きつけられた。かといって、どんな事件の加害者であっても家族とかに関する情報全て加害者側の人権として守るために報道規制するべきなんかと言われれば簡単に答えは出せない難しい問題。むずかしい。
Posted by
この分野に興味があって読んだが、言われてみればまぁそうだろうなぁということが多く書いてあった。 実際、この筆者のように活動をしてるから初めてちゃんと分かる、ということもあるんだろうが、 本としては、あまり新しい発見や予想外の話というのはなかった。
Posted by
これまで読んできた本の中で一番読むのが辛く、また読み切らなければという強い使命感を感じた。 家族の中での少しの歪みが、回り回って犯罪に結びついてしまう実例を何件も読んですごく心が痛んだ。 自分がどこまで影響を与えられるか分からないけど、world open heartにはこれ...
これまで読んできた本の中で一番読むのが辛く、また読み切らなければという強い使命感を感じた。 家族の中での少しの歪みが、回り回って犯罪に結びついてしまう実例を何件も読んですごく心が痛んだ。 自分がどこまで影響を与えられるか分からないけど、world open heartにはこれから定期的に寄付をしていこうと思うし、少なくとも家族には感謝と愛情を今まで以上に伝えていきたい。 この文章を読んだ方のうち数人でも本書を手に取ってくださることを願います。
Posted by
加害者家族がどれだけ世間から差別されて辛い思いをしているか、この本を読んでイメージすることができても、実際に経験したわけじゃないから本当の苦しみは分からない。そして、自分が被害者家族にもしなったら、やり場のない憤りを罪のない加害者家族に向けるということの方が容易に想像できてしまう...
加害者家族がどれだけ世間から差別されて辛い思いをしているか、この本を読んでイメージすることができても、実際に経験したわけじゃないから本当の苦しみは分からない。そして、自分が被害者家族にもしなったら、やり場のない憤りを罪のない加害者家族に向けるということの方が容易に想像できてしまう。 だからこそこういう支援が必要なのかもしれない。良い勉強になった。しかしながら、この本は少々内容が薄い気がする。これを読んで当事者意識が生まれるかというと微妙。読み物としてはちょっと辛口評価にさせていただきます。
Posted by
あまりにも辛い読書体験だった。加害者家族が置かれた立場はあまりにも過酷だ。 機能不全家族の実例は、人によっては閲覧注意だ。トラウマや心の傷を刺激されるかも知れない。 それでも、この本を読めて良かった。現実である以上、どんなに辛くてもそれを知りたい。本を通じて現実を知り、自分の...
あまりにも辛い読書体験だった。加害者家族が置かれた立場はあまりにも過酷だ。 機能不全家族の実例は、人によっては閲覧注意だ。トラウマや心の傷を刺激されるかも知れない。 それでも、この本を読めて良かった。現実である以上、どんなに辛くてもそれを知りたい。本を通じて現実を知り、自分の世界を拡張していく。その結果、少しでも人と世界に優しくなれるかもしれない。それが読書家としての矜持であると思う。 なんとも意味のある読書体験だった。少額ではあるけど、WorldOpenHeartのホームページより寄付を行った。今後も自分にできることを考え続けたい。 (詳しくは書評ブログでもどうぞ) https://www.everyday-book-reviews.com/entry/%E5%8A%A0%E5%AE%B3%E8%80%85%E5%AE%B6%E6%97%8F%E3%81%AE%E7%9C%9F%E5%AE%9F_%E6%81%AF%E5%AD%90%E3%81%8C%E4%BA%BA%E3%82%92%E6%AE%BA%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F_%E9%98%BF%E9%83%A8%E6%81%AD%E5%AD%90
Posted by
犯罪の加害者は罰せられるべきだ。それに異論はない。よくあるのはセンセーショナルな殺人事件の犯人の家族が自殺したという報道。それって当然の報いなのか。犯罪者の家族を守る必要はないのか。 例として登場する加害者家族の多くは住居も仕事も人間関係も捨てて、正体がバレないよう息を潜めて生...
犯罪の加害者は罰せられるべきだ。それに異論はない。よくあるのはセンセーショナルな殺人事件の犯人の家族が自殺したという報道。それって当然の報いなのか。犯罪者の家族を守る必要はないのか。 例として登場する加害者家族の多くは住居も仕事も人間関係も捨てて、正体がバレないよう息を潜めて生活している。やがて、彼らは犯罪者本人を家族と思わず、憎悪を向けるか、最初からいなかった者とみなすようになる。それは犯罪被害者を増やすに過ぎない。 犯罪加害者の家族を守ることは、被害者への賠償責任につながるし、将来の加害者の自立や再犯防止の助けにもなる。加害者家族を守ることは社会的な利点があるのだ。なにより、彼らには直接の罪はない。 本書は、こうした考えで加害者家族の支援を目的とするNPO法人を立ち上げた著者によるその活動記録。加えて、なぜ、著者は加害者家族支援を志し、具体的にどのような行動を起こしたのかが語られる。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
図書館で本を漁ってたら目について借りてしまいました。 ある日家族が犯罪をおかす、その後加害者家族がどうなっていくのかが書かれています。 警察には疑われ、厳しい取り調べを受け、 マスコミに追われ、ネットで叩かれ、自宅を暴かれ、住む家や仕事や財産を失う。 犯罪者を育てた家族はそこまで悪いのか… 人数的には被害者より加害者(この本では家族もある意味加害者として含めているし)の方が多いのではないかな?と思うので、加害者家族の顛末を知ることで、犯罪の抑止力になるんじゃないか、そう思わされる本でした。 重いテーマですが、中学校の道徳で取り扱ったり高校以上の学生に読んでほしい。 マスコミや捜査関係者にも読んでほしい。 『息子が人を殺しました 加害者家族の真実 (幻冬舎新書)』 阿部恭子 #ブクログ #ブクログ
Posted by