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鳥たち の商品レビュー

3.3

40件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2026/02/12

あまりに主人公が痛切で、読む時期を悩んで5年くらい積んでしまった作品。宮本輝との対談「人生の道しるべ」で触れられており、時が来たので読んだ。 幼い時期にアメリカで共同生活をし、お互いの母を自死で亡くしたまこちゃんと嵯峨。日本に戻り、母の記憶を辿りながら自分を開示できる大人や友人...

あまりに主人公が痛切で、読む時期を悩んで5年くらい積んでしまった作品。宮本輝との対談「人生の道しるべ」で触れられており、時が来たので読んだ。 幼い時期にアメリカで共同生活をし、お互いの母を自死で亡くしたまこちゃんと嵯峨。日本に戻り、母の記憶を辿りながら自分を開示できる大人や友人を見つけ、ようやくいまの自分と出会いなおす物語。 最初から明るいテイストではなく、死の匂いがぷんぷん。大学での妬み嫉みはあるし、運命共同体である嵯峨との関係が噂立てられたり、悪夢も見る。嵯峨と教授はそんなまこちゃんをよく理解していて、男の優しさを男の言語で伝えようとする。嵯峨は距離が近すぎるからかなかなか伝わらないけど、教授が大人として先生として話してくれる時、すべてはつながる。 もうラストはボロ泣き。そしてやっぱり今でなければ読めなかったと確信する。ばななさんの作品には、たまにこういうタイミングがかちっとはまることがある。

Posted byブクログ

2025/05/29

ずっと不穏な空気でしたが、段々と空気澄んでいくようで、なかなか味わえない感覚だったと思います。 悲しいことがあったらまた読みたいです。

Posted byブクログ

2025/04/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

よしもとばなな氏は1987年に『キッチン』でデビュー。 その後ヒットを連作。父親は批評家の吉本隆明氏。 なお本作は2014年の作品。 ・・・ 主人公の女子大生まことは、彼氏の嵯峨の子を宿すことを夢見つつ演劇に没頭する。 まことと嵯峨はどちらも親を自殺で亡くした遺児。彼らはいわゆる新興宗教のような共同生活を米国で送っていた。そのトップが亡くなり、それを追うように嵯峨の母親が後を追い、そしてまことの母親も、ある日ふつっと自死してしまう。 彼らはその後日本に送還され、施設を経て世に出るが、その経験の衝撃の大きさ故周囲からは浮いてしまう。 まことは子どもより死を選んだ母親への複雑な気持ちを克服できずにいるが、嵯峨との会話や大学の担当教員の末長教授との会話などから徐々に過去ではなく将来へ目を向けるようになる。 ・・・ やや重苦しい雰囲気の作品、というのが印象でした。 そして章立てがなく、数行の空白を区切りとして置く以外には特段切れ目がない構成となっています。 このため、読者は常に主人公まことの視点で、日常が日常故にだらだらと続くような感覚が読んでいてありました。 なお、日常というのは、学校での演劇のこと、級友や面倒な先輩のこと、彼氏の嵯峨のこと、そして母親の死とそのわだかまった気持ち・それを起因とする悪夢のこと。 また、このまことというのが、過去の親の自死を精神的に克服できていないため、嵯峨に強くあたったり、時に上から目線で同級生を眺めたり、やや必要以上に「自分は周囲と違うんだ」感を出すような記述になっていました。 私なぞは、読んでいて感情移入がどんどん解けてゆき、むしろ冷静に数歩下がってこの女性主人公を見るような気分になりました。とりわけ筆者自身によるあとがきがややファンタジー的な書きぶりで、これを読んだあと、本作の感想はちょっと揺らいでしまったのは事実。あとがきは読まなかった方がよいかも、と密かに思いました。 ただ、自死遺族の気持ちを綴るという意味では貴重な作品だったと思います。 私の高校時代の友の一人も、奥さんと子ども一人を残して、自死してしまいました。かれの子ども、妻、両親はこの主人公と似たような気持ちになるのかもしれない、と思いつつ読み進めました。 ・・・ ということで、よしもと氏の作品でした。実は初めてだったかもしれません。 本作後書きを読み、更にwikipediaを読むと、大分印象が変わったのは事実です。 優先度はやや下げたうえで、今後もトラックしてみたいと思います。

Posted byブクログ

2025/09/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「よしもとばなな」と名乗っていた時代の、最終盤のころの作品か。 先日読んだ、宮本輝との対談のなかで触れられたいた作品。 その後の「ふなふな船橋」「不倫と南米」といった作品より、より昔読んだ、ばなな作品のトーンをまとっていて、懐かしい。 まこと嵯峨、信頼関係でむすばれた若い二人、近親の死が身近くただよう雰囲気もデビュー当時の作品を思い出させる(もう、かなり遠い昔で、かすかな記憶だが)。 ストーリーも、あまりない。というか、物語の起伏もあってないようなもの。 設定と、会話、彼らを包み込む世界の空気感を楽しめれば、ばなな作品はOKだ。 「ここに出てくる人たちは脇役も含め、みんな「鳥たち」なんだと思って、このシンプルなタイトルにしました。」 と、著者あとがきに記されている。 鳥に、どんなイメージを抱いているか、個々人で差がありそうだけど、自分は、主人公のふたりは、作中でも、すこし触れらた、「ニーム」のようだと思った。 「ニームは寒さに弱いから、冬は当然家の中で育てる。」 そんな植物のような二人だった。 見事な、言葉遣いに絶えず感心しながら読んだ。 どんな形容詞も、ただ使ってない。「優しい」も、そのままでもいいのに、どんな風に優しいのか補ってある。うまいなあ、そういうところ。

Posted byブクログ

2024/10/26

久しぶりにばなな作品を読むと、彼女の言うところの「魂の充電」ができるような気がする。率直で美しい言葉に揺蕩い、じんわりと広がる温かみに回復しながら、心が擦り減っていたということに気づかされるのだ。 タイトルがとても好きだ。私も鳥のように自由なれたら。 お金や将来への心配、焦り...

久しぶりにばなな作品を読むと、彼女の言うところの「魂の充電」ができるような気がする。率直で美しい言葉に揺蕩い、じんわりと広がる温かみに回復しながら、心が擦り減っていたということに気づかされるのだ。 タイトルがとても好きだ。私も鳥のように自由なれたら。 お金や将来への心配、焦り、他人との摩擦が絶えない現代社会では、いとも簡単に切羽詰まった生き方へと流されてしまう。「大きな気持ち」で物事を捉え、幸せを一つ一つ噛み締めながら生きれたら。陰や深淵を遠ざけるのではなくそばに従えながら、人生の輝きを丁寧に抱擁するような、そんな大人になっていけたらとつくづく思うのだ。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - あとこれは大事なことに感じたから書き残しておくのだけれど、「水野さん」たちのような「ギラギラとした」大学生の描写は、主人公のそれと対極的な「普通の」姿であると見せかけて、全くそうではない。むしろ「変わった」まこに一定の理解を見せるところに私は成熟性を感じるし、開かれない限り相手に想いを馳せないまこの方が、異物を認めるキャパシティの無さと幼さを感じる。実は私の理想の大人というのは、そのキャパシティや成熟性を備えた人物でもあって。 彼女や彼女の親たちが持つ幼さは、良く捉えればピュアだし、悪く捉えれば夢見がちで他者を受けつけない。その均衡が取れないのがばなな小説における偏りではあるし、彼女も何か正解を示そうだとかそんな想いで書いている訳ではないと思うので、あくまで一つのスタイルだ。 いずれにせよ私にとってはこの甘美な世界が時に必要で、逆に私の中の偏りを均してくれるように思うのです。

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2024/04/18

トーンはずっと暗いのに、読み終わるころには心がふわっと晴れて生きる勇気を貰える物語だった。 アメリカのセドナの雰囲気や描写は、行ったことのないその場所に居るような感覚になった。 少し前から、よしもとばななさんの小説の世界に没入するのに時間がかかるようになった。 昔は瞑想している...

トーンはずっと暗いのに、読み終わるころには心がふわっと晴れて生きる勇気を貰える物語だった。 アメリカのセドナの雰囲気や描写は、行ったことのないその場所に居るような感覚になった。 少し前から、よしもとばななさんの小説の世界に没入するのに時間がかかるようになった。 昔は瞑想しているような気持ちで読んでいたから、今の自分の頭や心がクリアでなくなってきたからかもと思う。 それでもやっぱり、途中から読まずにはいられなくなり、フレッシュだった自分の気持ちを思い出せるくらい心に効く小説だった。

Posted byブクログ

2024/01/26

身内の自死が与える影響。 遺された側は何かメッセージを受け取らないといけないと思ってしまう。 何かに心を侵食される前に光を見つけないといけない危うさがあった。 緩やかだけど不安を感じる作品。

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2023/08/20

よく言えば、よしもとばなならしい、らしさ全開の作品。 スピリチュアル苦手な人はそもそも吉本ばななの作品は読まないと思うけど、これはひときわその傾向が強いかな。 最初から最後まで重苦しい空気に満ちていて、わたしはこの二人の未来が明るいものになるとは思えなかった… 暗く狭い世界をこ...

よく言えば、よしもとばなならしい、らしさ全開の作品。 スピリチュアル苦手な人はそもそも吉本ばななの作品は読まないと思うけど、これはひときわその傾向が強いかな。 最初から最後まで重苦しい空気に満ちていて、わたしはこの二人の未来が明るいものになるとは思えなかった… 暗く狭い世界をこのまま二人きりで生きていくような未来。 吉本ばななの作品はいつも救いがあって、ほんのりあたたかい気持ちになれるから好きなのだけど、このお話からはそれを感じ取れませんでした。

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2023/07/27

キッチンは好きだったけど、これはなんだか…夢みがちで周りの人もすかしたようによいしょするし…霞みたいな小説でしたね

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2023/03/31

つぐみやキッチン、、、よしもとばななが大好きだった時期があった。 久しぶりのよしもとばなな。 私はスレてしまったかなー。 どうも、没入できなかった。 もはや、精神論だけの話は辛いかも。 そして、「世界で2人だけ」「特別な環境下にある私たち」という設定に、「この人たちはその狭い世界...

つぐみやキッチン、、、よしもとばななが大好きだった時期があった。 久しぶりのよしもとばなな。 私はスレてしまったかなー。 どうも、没入できなかった。 もはや、精神論だけの話は辛いかも。 そして、「世界で2人だけ」「特別な環境下にある私たち」という設定に、「この人たちはその狭い世界で一生を終えるのか」と感じた。 自分たちは特別と思ってることが若くて、なんだか、読んでて恥ずかしい気分になった。 スレたな。

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