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絶望図書館 立ち直れそうもないとき、心に寄り添ってくれる12の物語 の商品レビュー

3.5

41件のお客様レビュー

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2021/12/19

絶望名言の著者、文学紹介者 頭木さんによる、アンソロジー 自分の気に入った話は… ○車中のバナナ 山田太一 ○瞳の奥の殺人 ウィリアム・アイリッシュ ○心中 川端康成 ○ぼくは帰って...

絶望名言の著者、文学紹介者 頭木さんによる、アンソロジー 自分の気に入った話は… ○車中のバナナ 山田太一 ○瞳の奥の殺人 ウィリアム・アイリッシュ ○心中 川端康成 ○ぼくは帰ってきた フランツ・カフカ ○ハッスルピノコ 手塚治虫 ~絶望図書館 ご利用案内 より引用~ この図書館は、「絶望的な物語」を集めてあるわけではありません。「絶望から立ち直るための物語」を集めているわけでもありません。絶望して、まだ当分、立ち直れそうもないとき、その長い「絶望の期間」をいかにして過ごすか? (中略) そういう物語との出会いは、それで何か解決されるわけではないのですが、しかしそれでも、命綱となることがあります。 「本を読まないということは、そのひとが孤独でないという証拠である。」太宰治 「本には、悲しんでいる人を助ける気持ちなんか、ちっともないとしても、本を読んでいる間は、ぼくは本にしっかりすがりついていられる。」フランツ・カフカ

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2021/12/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『虫の話』が強烈に印象に残った。 無理に不幸な方に話を進めているわけじゃなく、誰だってこうなるかもしれないと思わされた。 絶望に寄り添う話だとわかっていると、どれも気張らずに読めるような気がした。

Posted byブクログ

2021/08/19

烏兎の庭 第六部 8.29.21 http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto06/doc/bo.html

Posted byブクログ

2022/03/01

「瞳の奥の殺人」ウィリアム・アイリッシュ(原題:Eyes That Watch You, 1952年)   60歳の彼女。息子とその妻とで暮らしている。10年前から頭から足の先まで麻痺して、唯一、息子との間で瞬きの回数ではい、いいえを表せる。ある日妻とその愛人が息子と自分の殺害計...

「瞳の奥の殺人」ウィリアム・アイリッシュ(原題:Eyes That Watch You, 1952年)   60歳の彼女。息子とその妻とで暮らしている。10年前から頭から足の先まで麻痺して、唯一、息子との間で瞬きの回数ではい、いいえを表せる。ある日妻とその愛人が息子と自分の殺害計画を話しているのを耳にした。まずは息子から。実行されてしまい自分は残ったが、ある日身分を隠した刑事がやってきて、息子の死は怪しいと探りを入れに来る。刑事と瞼で意思疎通をしながらだんだん核心に迫る様が真柏。とんとんとん、とうまい具合に進み、うまくいきすぎるのだが、60分位のドラマにしたらおもしろいんじゃないかと思ったら、解説で1977年にテレビ朝日で桃井かおり、谷隼人出演でドラマ化されたとあった。 書かれたのが1952年だが、殺人を企てるとはいえ妻は義母と同居し世話をしているのだ。アメリカ舞台にしてはめずらしいな、と思ったがアイリッシュの母との暮らしからの発想なのか。 ※この作品の初出は Eyes That Watch You(ダイム・ディテクティヴ1939.9月号)が正しいようだ。(「コーネル・ウールリッチ短編集別巻6」「アイリッシュ短編集3」にも所収されてあり、そこには上記として載っている) 「すてきな他人」シャーリイ・ジャクスン  夫はいつものように勤めから帰ってきた。でもなんか少しちがう気もした。でもいい、これでいい。で、今日は私は外出した。そして私の町に戻ったが・・ 少し違う・・ これってSF? 一体わたしはどこにいけば・・ 「鞄」阿部公房  私の事務所に求職にきた男。鞄を大事そうに持っている。一時預かると、その鞄から私は逃れられなく・・・ これもSF的。 「心中」川端康成 わずか3ページ足らずの作品。私と幼い娘を嫌い去った夫。でも手紙であれこれ指図してくる。子供の鞠をつく音がきこえ煩い・・私は9才の娘から鞠をとりあげた。子供に瀬戸の茶碗を使わせるな、音がうるさい・・私は箸をとりあげた・・ そして  う~ん、この作品を読んで川端康成の底深い暗部をみたような。好きにはなれません。しかし、昔あったTV「世にも奇妙な物語」の一編にしたらおもしろいかも。 017.11.10第1刷 図書館

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2021/07/06

よくわからない話もあったけど わからなさも含めて楽しかった。 バナナの話は食べないに共感。 そこにある同調圧力にも共感。

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2021/05/25

絶望図書館と言うことで どんな絶望なんだろう?と … 絶望することもなく、させられることもなく こんなの嫌だな…って話ばかりでした。 読んだことない作家さんばかりだったので おもしろかったです。安部公房さんの話が好きだった。

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2021/05/03

頭木弘樹さん編のアンソロジー。たいへん粒ぞろいだった。 筒井康隆「最悪の接触」 話の通じない話を書いたら、究極の、ぶっとんだ断絶を味わわせてくれる筒井康隆。あまりにもその断絶ぶりが激しくて、声を立てて笑ってしまった。 山田太一「車中のバナナ」 『食べることと出すこと』でも紹介...

頭木弘樹さん編のアンソロジー。たいへん粒ぞろいだった。 筒井康隆「最悪の接触」 話の通じない話を書いたら、究極の、ぶっとんだ断絶を味わわせてくれる筒井康隆。あまりにもその断絶ぶりが激しくて、声を立てて笑ってしまった。 山田太一「車中のバナナ」 『食べることと出すこと』でも紹介されていたエッセイ。 視点の鋭さに感嘆する。 アイリッシュ「瞳の奥の殺人」 これはたしかに絶望だわ。わかっているのにどうにも阻止できない……後半の展開よかった。 安部公房「鞄」 頭木さんがあとがきで「学校では『著者はどういうことを考えて、この作品を書いたでしょう?』というような読み方を習いますが、そんなことはむしろどうでもいいことで、自分にとってその作品がどう心に響くかということのほうが、よほど重要です」と書いていて、ほんとうにそうだなと思った。 李清俊(イ・チョンジュン)「虫の話」 この作品がいちばん絶望が深かった。また宗教というものの、欺瞞性のようなものも描かれていて、はじめから終わりまで慄然となる短編でした。 シャーリイ・ジャクスン「すてきな他人」 これ、ほんとうはどうなんだろう? でもきっとそんなことは関係ないんだ。なんとも深淵をのぞく物語。 ほかの作品も、頭木さんの解説も、一様に充実していて読みごたえがありました。

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2020/07/23

絶望をテーマにしたアンソロジー。 浮かび上がるものではなく、物語の語る悲しみや恐怖、怒りや絶望がそっと寄り添ってくれる。 自分は何に絶望しているのかがわかる。読みにくい物語が直視したくない私の絶望なのだろうなあと思う。

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2019/12/15

“忽ち「なごやかになれる」人々がなんだかこわいのである。”(『車中のバナナ』山田太一) “今日は、子どもの顔以外のものを見なくちゃ。こんなに孤独な人間がいるなんて、許されるはずがない。”(『すてきな他人』シャーリイ・ジャクスン)

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2019/08/07

友人から作者の話を聞いていて積読にしていた本。 「絶望読書」読完後に手に取りました。 変な言い方だけど…自分がいる絶望の位置によって、共感する絶望は違うと思います。 だから、ひとまず本棚にあれば、ドンピシャなものが例えなくとも、大抵の絶望には対処できるかも。 自分に近いシチュエー...

友人から作者の話を聞いていて積読にしていた本。 「絶望読書」読完後に手に取りました。 変な言い方だけど…自分がいる絶望の位置によって、共感する絶望は違うと思います。 だから、ひとまず本棚にあれば、ドンピシャなものが例えなくとも、大抵の絶望には対処できるかも。 自分に近いシチュエーションの絶望話を読んでいるときは、ほんとに苦しいのだけど、不思議と、読み終わると、ちょっと息が楽になってる感じです。

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