一〇五度 の商品レビュー
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大木戸真。神奈川から東京の小中一貫の進学校に転入してきた椅子マニアの中学3年生。 一人暮らしの祖父の所に家族で引越してきたのだが、父は本当の親である祖父とは仲が悪い。イス職人であった祖父に反発して、ビジネスマンの道 を選んだし、真にもそうであるよう強要している。 しかし、真は椅子が好きだ。 編入した学校に、スラックスを履いた女子・早川梨々(はやかわりり)と出会う。リリも家が椅子のデザインをして、祖父がモデラーだってこともあって、椅子作りのモデラー志望。 図書室で椅子の専門書を借りようとしたことから2人は出会い、椅子の話で盛り上がるようになる。 そして、2人で学生向けの椅子作りのコンペ「全国チェアデザインコンペ」に参加することを決めた。真がデザインし、リリがモデラーとなる。 大学生も参加するこのコンペ、中学生としてはぜんだいの勝負の行方は?
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真、梨々、は椅子屋の環境にいるとはいえ、 中学3年生でこれほどまでに椅子作りの 知識があるのはすごい。 専門的な言葉も多いけど読みやすかった。
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第64回青少年読書感想文全国コンクール課題図書 中学校の部 プロダクトデザイナーでもある著者が、男女ペアの中学生がイスのデザインコンペに参加するまでの紆余曲折からコンペ当日までを描いている。 日本ではあまりデザインというものに対して敬意を払わない傾向があるように感じる。特にフ...
第64回青少年読書感想文全国コンクール課題図書 中学校の部 プロダクトデザイナーでもある著者が、男女ペアの中学生がイスのデザインコンペに参加するまでの紆余曲折からコンペ当日までを描いている。 日本ではあまりデザインというものに対して敬意を払わない傾向があるように感じる。特にファッションデザイン以外の産業製品や建築など、デザイン料という物に対して意識が低い気がするのだが、それは職人文化の延長にあるからなのだろうか? また、女性だからという偏見についても触れられているのが、日本でもこういう事を児童書で取り上げられるようになったのか、と感慨深かった。 この作品では、夢を貫くことの大変さや形になった時の喜び、デザインを職業にする厳しさなどが著者自身の経験からリアルに書かれている。 課題図書であるが、ありきたりなテーマではなく、中学時代に出会うと良い本だと思う。 2018.6
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中学生の課題図書。進路のこととか、特に芸術系に進む人にはぜひ読んでほしいなって思った一冊。なれるかわからないものに全力を注ぐのはとても怖いけど、それでも諦められないのが本当にすきってことで、それを続けた人が夢を掴めるんだと思いました。才能ももちろんだけど、運や人脈、タイミングも必...
中学生の課題図書。進路のこととか、特に芸術系に進む人にはぜひ読んでほしいなって思った一冊。なれるかわからないものに全力を注ぐのはとても怖いけど、それでも諦められないのが本当にすきってことで、それを続けた人が夢を掴めるんだと思いました。才能ももちろんだけど、運や人脈、タイミングも必要だし、来るべき時に必要なスキルを出せるようにいつでも備えておきたいと思いました。好きなものこそ上手なれとはこのことだなあ。
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椅子のデザイナーを目指す少年とモデラーを目指す少女がコンペに挑戦する。二人の関係性やまわりとの葛藤は気になるが、わりとあっさり書かれる。それよりも、その道の厳しさを示すために父に業界の人の話を聞きに行かされるのだが、その話がリアルで心に刺さる。
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読書感想文コンクール課題図書(中学生)。中学3年生ペアが椅子のデザインコンペに参加する青春もの。身近に椅子好きだったり家具関係の家に生まれたっていう人がいなかったから、こんなに椅子に詳しい中学生がいるんだあって新鮮でした。インテリア好きだけでなく、詳しい中学生って少ないよねえ。だ...
読書感想文コンクール課題図書(中学生)。中学3年生ペアが椅子のデザインコンペに参加する青春もの。身近に椅子好きだったり家具関係の家に生まれたっていう人がいなかったから、こんなに椅子に詳しい中学生がいるんだあって新鮮でした。インテリア好きだけでなく、詳しい中学生って少ないよねえ。だから、コンペはどうなるかって気になりページが進みました。クリエイティブ、アートな分野を目指す学生さんが読むにはいいかな。その分野で稼いでいる人の意見が聞けたり、親にいかにわかってもらえるかとか。欲を言えば、クラスの仲間のことや主人公の祖父たちのことももう少し絡めて欲しかったけれど。家族とともに自分たちでできることを考え夢に進んで行く姿、実に爽やかでした。
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「イス」職人の孫に生まれた主人公の真は、祖父の血を引き、イスマニアに育ちます。 一方で、同じようにその血を引く父親は「安定志向」を絵に描いたような「わからずや」で、成績を上げ、上位の大学へ進学し、安定した収入のある会社へと就職するよう、真へプレッシャーをかけ続けます。 父親への反発と、自分のやりたいことを突き詰めるために「イス」のデザインコンペティションへと参加することを決意する真。 親の過度な期待を背負い、苦しみながら生きている真の姿には胸が痛みましたし、ラストのシーンでも一定の成果を上げながらも父親の評価を覆すことができないなど、ある意味で非常に「現実的」な作品であると思います。 この作品の中で繰り返し語られるテーマの一つは、「好きなことを仕事にすることはしんどい」ということ。趣味として続けるのではなく、他者からの評価(収入を含めて)がさけられない「職業」として、自分の想像力や創造力だけで勝負していく生き方には相応の覚悟が必要であるということが伝わります。 決して、平坦ではなく、また壁の多い道ではありますが、「行くべくして行く道」であるならば、どのような困難にもめげずに立ち向かってゆく、その心意気が欲しいと思います。 中学校の2018年度の読書感想文コンクール課題図書のひとつですが、「後味があまりよくない(ハッピーエンドではない)」あたり、少しハードルが高いかもしれません。
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平成30年度の中学生読書感想文課題図書。 作者はプロダクトデザイナー。 主人公は、都内の中高一貫校に中3で編入したの真(しん)。転校早々真は、図書館で見ていた椅子の本がきっかけで、スラックスを履いて登校女子早川と知り合いに。真が椅子のデザイナーに早川は椅子のモデラーになりたい事...
平成30年度の中学生読書感想文課題図書。 作者はプロダクトデザイナー。 主人公は、都内の中高一貫校に中3で編入したの真(しん)。転校早々真は、図書館で見ていた椅子の本がきっかけで、スラックスを履いて登校女子早川と知り合いに。真が椅子のデザイナーに早川は椅子のモデラーになりたい事がわかり、チームを組んで学生のチェアデザインコンペに出場することに。 安定した職業に就くことを望む父親と、好きな事をしたい真との葛藤を通して、読者は好きなことを仕事にすることの是非を考えさせられる。職業体験を通じて進路について考える中学生に、ぴったりの一冊。
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今年度の課題図書。 大木戸真は、成績優秀で体も丈夫な中学3年生。父親に怯えて勉強しているだけの自分に忸怩たる思いを抱いている。 やりたいことはイスのデザイン。 父親にはその夢を全否定されている。 そんな真が、スラックスをはいた女子梨々と出会い、「全国学生チェアデザインコンペ」に挑戦することで、自分の「行くべくして行く道」をつかむ物語。 105度。これがこの本の背骨だ。今の真が作ろうとしているイスの背もたれの角度。 この角度は「もたれる」ための絶妙なバランスを作る。 そう。105度で生きていけるようになりたい。 それはとてもしなやかな角度だ。 きっとその角度で生きていけるようになるためには、何度も何度も作り直すことになるんだろうな。もう今までこんなに作り直してきたんだけどな。でも投げずに、それでもまだ次を作ろうとする気持ちが、人を内側から輝かせてくれるんじゃないかと私も思うから、まだ作ることをやめたくないと思う。
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2018年読書感想文コンクール中学生の部課題図書。 今時の中学生は、あんまり本読まないし、これくらい分かりやすくないと読めないでしょ。親が言っても聞いてもらえないような、世間の厳しさが書いてあるし、ドキッとするような危ない描写は全く無いし。工業デザインってのが新しいじゃない? という選ぶ側の大人の声が聞こえてきそうな本。 小説としてはまことにつまらない。これ小説である必要はあるのかな。「デザインを仕事にする」みたいな中高生向けの新書で良くない? このコンクールに全生徒が応募するような学校もあるのかも。で、読めない生徒にも薦められる、みたいな基準で選ばれてるとか。読める子どもには明らかにつまらない、物足りない本。教科書レベルの読み取りも難しいような子ども向き。 しかし、コンクールは課題図書でなくても応募できるのだから、教員や司書が読むのが苦手な子どもにも、読む喜びが味わえるような別の本を与えれば良いと思う。こういう本を読ませるからラノベやゲームの方が学校が薦める本より圧倒的に面白いと思われてしまうんじゃないの?それはその通りだよね。 全国のほとんどの図書館、学校が買うんだから、もう少し読書の醍醐味を味わえる本を選んで欲しかった。
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