蒲生邸事件 新装版(下) の商品レビュー
二・二六事件から太平洋戦争へと続く時代の遷移を否定も肯定もせずに1つの事実として描写するスタンスは、簡単なようでいて余程の筆力がなければここまで内容の濃い作品にはならないと思います。 蒲生家の面々と奉公人の強さに惹かれました。
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タイトル 蒲生邸事件 下 ガモウテイ ジケン 2 著者 宮部みゆき/著 ミヤベ,ミユキ 版 新装版 出版者 東京 文藝春秋 出版年 2017.11 形態事項 425p 16cm シリーズ名 文春文庫 み17-13 ブンシュン ブンコ ミ-17-13 ISBN 978-4...
タイトル 蒲生邸事件 下 ガモウテイ ジケン 2 著者 宮部みゆき/著 ミヤベ,ミユキ 版 新装版 出版者 東京 文藝春秋 出版年 2017.11 形態事項 425p 16cm シリーズ名 文春文庫 み17-13 ブンシュン ブンコ ミ-17-13 ISBN 978-4-16-790958-1 価格 (本体価格 \760) NDC9(NDC8) 913.6 (913.6) 内容紹介 二・二六事件の当日、蒲生大将が自宅で拳銃自殺。だが、殺人の疑いも出てきた。 戦争への色濃さを増す戒厳令下の東京にタイムスリップし、事件に巻き込まれた孝史はどう行動するのか。再び現代に戻って来られるのか-。 受賞情報 日本SF大賞 第18回
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二二六事件で戒厳令下の帝都に、現代っ子な浪人生がタイムトリップして放り込まれる。主人公の成長、また、真相を知った上での登場人物のセリフから、歴史不変という諦念に満ちた考え方ではなく、今をちゃんと生きること、それが歴史を作っていく、という、人間がよく生きていくための大事な柱、筆者の...
二二六事件で戒厳令下の帝都に、現代っ子な浪人生がタイムトリップして放り込まれる。主人公の成長、また、真相を知った上での登場人物のセリフから、歴史不変という諦念に満ちた考え方ではなく、今をちゃんと生きること、それが歴史を作っていく、という、人間がよく生きていくための大事な柱、筆者の生き生きとした歴史観が感じられる。読後、元気に生きていける力を得られる物語であった。
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ようやく下巻になってから話の展開が面白くはなってきた。 ただ最後の方で明かされる"平田"の思いがいまひとつ納得がいかない。ここの部分がなるほどと思えると作品の印象が違ってくるのだが、「そんなものなのか、、」という程度にしか思えなかった。 でもそんな思いを救って...
ようやく下巻になってから話の展開が面白くはなってきた。 ただ最後の方で明かされる"平田"の思いがいまひとつ納得がいかない。ここの部分がなるほどと思えると作品の印象が違ってくるのだが、「そんなものなのか、、」という程度にしか思えなかった。 でもそんな思いを救ってくれたのが、「終章 孝史」の部分だ。 上巻・下巻のこの作品の最後に優しい味付けをしてくれた感じがする。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
タイムトリップものだけど、世界を救うとか時代を変えるとかそんな派手な内容ではなくてよかった。これはこれでいいと思った。 これから戦争が起きることを知りつつ、まがいものの神から人間になるため過去で暮らすことにした平田。臆病な自分を変えるため戦争を生き抜く決意をした貴之。戦地の弟のため、恩のある蒲生家のため残る義理堅いふき。 高見の見物をするのではなく、その時代を懸命に生きる人としてカッコよかった。 そうなると死後の名誉を考えて遺書を残した蒲生大将は小物であった。 なんだかよく分からないけど、読後に生きる勇気みたいなのが少し湧いた。
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【歴史の転換点にタイムスリップ! 著者会心の長篇を上下分冊で】二月二十六日未明、宿泊中のホテルで火事に遭遇した浪人生の孝史は間一髪で逃れるも、気づくと雪降りしきる昭和十一年の東京にいた。
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