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蒲生邸事件 新装版(下) の商品レビュー

4.2

27件のお客様レビュー

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2023/01/13

再読とはいえ読むのは数十年ぶりなので、前知識(というか思い出せたこと)は「『二・二六事件』の日にタイムトリップする」という、あらすじにもならない断片的な情報だった。 今まで、数は多くはないものの、いくつかタイムトリップものの小説を読んだが、必ず起こるのが歴史の改変、タイムパラドッ...

再読とはいえ読むのは数十年ぶりなので、前知識(というか思い出せたこと)は「『二・二六事件』の日にタイムトリップする」という、あらすじにもならない断片的な情報だった。 今まで、数は多くはないものの、いくつかタイムトリップものの小説を読んだが、必ず起こるのが歴史の改変、タイムパラドックスだ。物語によっていろいろな設定があり解決法があるものだが、本作の、事象の解釈の仕方があまりに胸に迫るもので、何だか歴史とは、時間の流れとはすごいなぁと、到底敵わない気持ちになった。平田の言う「まがい物の神」は言い得て妙で、孝史の身に染み渡ったように、私にも強い印象と余韻を残している。 私自身も近代史、特に昭和史にはとんと疎く、きっと貴之に「何も知らないのだな」と言われてしまうのだろう。でも、あまりに題材の二・二六事件が面白そうで、ネットだけではなく紙の資料にもあたってみたくなった。 SFでもあり歴史小説でもあり、ちょっぴりロマンスもある、青年の成長物語。これだけの要素を濃淡上手く書き分けるのはさすが宮部みゆきだ。

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2022/12/30
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最後気になって一気に読んだ。タカシ幼いなって思ってちょっとイラついた。少しずつ成長したけどまだ少し幼いけどまだ18歳って考えたらそっか。ふきちゃんどんだけ好きやねん!孫娘と恋に落ちる、、、という展開はないな。

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2022/09/03

2.26事件の時代に突然タイムスリップし、事件の横で様々な事象を眺めるお話。 メインテーマは、事件に関わることを通じた主人公の成長だろうか。最後の最後の展開は感傷的で良かった。

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2022/08/12
  • ネタバレ

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タイムトラベルにより、史実がミステリーへと変貌する驚きの展開。未来を知った人間の“予言”を「抜け駆け」と表現する考え方に唸らされる。

Posted byブクログ

2022/08/17

後半の主人公の成長ぶりがよかった。 下巻の半ばまでは、何かと主人公の幼稚さを強調するような描写が多かったので、タイムスリップで過去の歴史を見つめたことをきっかけに、未来に向かって頑張っていこうとする姿は清々しかった。 その後どうなったのか、ラストシーンの描写にあたたかさを感じた。

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2022/05/22

高校生の時に学校の図書館に入ってたのを読んで、それから内容を忘れて再読。宮部みゆきファンの友人に貸したら、いたく気に入ったらしく「宮部作品の中で1・2を争う」と言っていたので、この作品を読んでいない、SF好きな方にはオススメしたいです。

Posted byブクログ

2022/02/13

二・ニ六事件について、戦争について、あとから言える評価評論めいたことは書かれておらず、事実として著されている。 評価され検証される歴史は、実はその当時は一人ひとりの「あの人」や「わたし」や「君」そのもの、そしてその選択・人生そのものなのだと言うことが、当事者として生きるということ...

二・ニ六事件について、戦争について、あとから言える評価評論めいたことは書かれておらず、事実として著されている。 評価され検証される歴史は、実はその当時は一人ひとりの「あの人」や「わたし」や「君」そのもの、そしてその選択・人生そのものなのだと言うことが、当事者として生きるということがどういうことなのかを教えてくれる。 自分に置き換えると、時間的に、ではなく地理的にも同じことが言えると思った。 歴史SF小説ではあるけれど、主人公の孝史の成長物語として大好き。

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2021/02/18

2.26事件を舞台にしたタイムスリップミステリ。テーマは2つあって、タイムスリップを通して変わっていく孝史の成長、そして孝史の目を通して語られる歴史の真実。多くの人が歴史ミステリのように語るけれど、この話の肝は圧倒的に前者にある。孝史の若者らしい清々しい成長ぶりに涙する。宮部みゆ...

2.26事件を舞台にしたタイムスリップミステリ。テーマは2つあって、タイムスリップを通して変わっていく孝史の成長、そして孝史の目を通して語られる歴史の真実。多くの人が歴史ミステリのように語るけれど、この話の肝は圧倒的に前者にある。孝史の若者らしい清々しい成長ぶりに涙する。宮部みゆきらしからぬ明るいラストが素敵な傑作成長小説。

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2021/01/30

すっかり忘れているので読み返す。 上巻は、あまりに暗くて・・ どうなることやらで読みましたが、 やっぱり宮部みゆきはいい! よかったです~

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2019/11/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『ゴジラ』は結局観られず仕舞いだったのだなぁ。切ない。 上巻表紙裏の紹介と、この巻の解説に、主人公が“浪人生”とあるのが謎。確かにエピローグでは浪人生になったし、冒頭から浪人決定だったけれど、物語の間中現代での彼の身分は“高校生”だった。ちゃんと読まずに浪人と書いてしまったのか似たようなものだから敢えて書いたのか。でも、現代史に関する知識の浅さは、高校生ならではだと思うのだけれどなあ。入試に全く出ない訳じゃないのだから、2月末の浪人生は、も少しいろいろ知ってそうなものだ。その辺がちょっと気になった。読んだのは初版なので、ひょっとしたら重版で修正されたかしらん。(2019-10-30L)

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