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くちなし の商品レビュー

3.6

85件のお客様レビュー

  1. 5つ

    8

  2. 4つ

    37

  3. 3つ

    25

  4. 2つ

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2018/03/14

2.8 「愛のスカート」 他人との関わりが極端に希薄な男に恋をしてしまった美容師。 「茄子とゴーヤ」 行きつけの美容室が閉店した為に訪れた床屋で出会った、女房に逃げられた理容師。育てているゴーヤを持たされ・・ の2話はよかった。残りの5話は、表現の手法に共通するものを感じるのだ...

2.8 「愛のスカート」 他人との関わりが極端に希薄な男に恋をしてしまった美容師。 「茄子とゴーヤ」 行きつけの美容室が閉店した為に訪れた床屋で出会った、女房に逃げられた理容師。育てているゴーヤを持たされ・・ の2話はよかった。残りの5話は、表現の手法に共通するものを感じるのだけれど、あまり好きではない。 心が動かなかった。

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2018/02/21

短編集で、初出は6編が2015〜17年「別冊文藝春秋」、1編は書き下ろし。 異世界(?)の不思議系の物語が妖しく面白い。 別れ話を切り出した愛人から腕をもらって飼っていたら、奥さんが取り返しに来たので奥さんの腕と交換したり、運命の人に出会うとその人の体に咲いている花が見えるのは...

短編集で、初出は6編が2015〜17年「別冊文藝春秋」、1編は書き下ろし。 異世界(?)の不思議系の物語が妖しく面白い。 別れ話を切り出した愛人から腕をもらって飼っていたら、奥さんが取り返しに来たので奥さんの腕と交換したり、運命の人に出会うとその人の体に咲いている花が見えるのは実は人間に寄生した虫同士の交尾の合図だったとか、男より女たちの方がが強く蛇に変身して好きな男を食べてしまうとか、ほとんどの女は20代までに3回産卵して死んで土に還る村とか。 それら以外の、高校時代に付き合って振られた男がデザイナーになっていて美容師として関わり、男の好きな女への執着と昔の自分を重ねたりするという普通の世界の話もそうだけれど、女としての生きづらさ、持て余す愛情、切ない思いが描かれていてぐいぐい引き込まれてしまう。

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2018/02/19

人々(特に女)の欲望や本性(ではないかと思われる)を描いた短編集。どの作品も展開がぶっ飛んでいて、SF作品のようである。ファンタジーよりは実世界を舞台にしている感はある。日常を舞台にしているので、情景は頭に浮かぶ。ただし、浮かぶのは突拍子もない幻想世界だ。グロテスクだったり、(私...

人々(特に女)の欲望や本性(ではないかと思われる)を描いた短編集。どの作品も展開がぶっ飛んでいて、SF作品のようである。ファンタジーよりは実世界を舞台にしている感はある。日常を舞台にしているので、情景は頭に浮かぶ。ただし、浮かぶのは突拍子もない幻想世界だ。グロテスクだったり、(私には理解できない)女の欲情だったりが描かれる場面があるが、下品ではなくどちらかといえば爽やかさや潔さを感じる。全体的に透明感がある作品ばかりだ。

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2018/02/19

短編集7編 人間を異形の生き物にして,不思議な味わいを醸し出している.愛する人の腕を生花のようにさして愛でる「表題作」.体の中に虫があって運命の相手にだけ花を見せる「花虫」など,発想が突飛ながら違和感なく,またどの作品も一風変わった愛を描いて,しかも怖い.

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2018/02/17

まるさんワールドの短編集。 夢の中のような、異次元のような。 架空のことなのに、そちらが真実のような。 不思議な世界の隅っこに漂わせてもらった感じ。 とにかく文章が美しく、 人の恐ろしい部分も、汚い部分も 全部がほんのりきれいなものに見えてしまう。 それは錯覚なのだろうか。 ...

まるさんワールドの短編集。 夢の中のような、異次元のような。 架空のことなのに、そちらが真実のような。 不思議な世界の隅っこに漂わせてもらった感じ。 とにかく文章が美しく、 人の恐ろしい部分も、汚い部分も 全部がほんのりきれいなものに見えてしまう。 それは錯覚なのだろうか。 それとも…。 知りたい、もっと知りたい。 私の知りたいに、今一番近づけることの出来る作家さん。 かなり現実とかけ離れたお話もあり、 楽しめるかどうかは振り幅が大きいような気がします。 こんどはどこへ? また楽しみになる一冊です。

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2018/02/01

現実ではありえないような光景が繰り広げられるファンタジックな7つの短編。 驚くほど繊細な文体で描かれる彩瀬まるさん特有の死生観は今作でも健在で、短編毎に読み始めるとすぐに世界観に没入してしまう。 最後の「山の同窓会」のどこか物悲しげで退廃的な「私」の生き様が一番印象に残った。

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2018/01/31

面白かったなぁ、 なかなか非現実的な設定。 おとぎ話のようだけど、その人々の悩みは我々と同じようで、日々の生活に苦しさを覚えてたりする。 だからすぐ感情移入してしまって、苦しさもわかる。 とてもスラスラ読めた。 映像が浮かびやすい、ジブリとかで、映画化して欲しいなぁ。

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2018/01/25

短編集の最初の話で、別れに際して何が欲しいかと聞かれた主人公が、「じゃあ、腕がいい」と答えます。何かの比喩かと思ったら、男は「はい、どうぞ。大事にしてね」と腕をちぎって渡すからビックリ仰天。 もしかして、『難解な世界観 これぞ文学』的な話なのか?と警戒しながら読みましたが、違い...

短編集の最初の話で、別れに際して何が欲しいかと聞かれた主人公が、「じゃあ、腕がいい」と答えます。何かの比喩かと思ったら、男は「はい、どうぞ。大事にしてね」と腕をちぎって渡すからビックリ仰天。 もしかして、『難解な世界観 これぞ文学』的な話なのか?と警戒しながら読みましたが、違いました。 現実とは違う、幻想的な世界ではありますが、描かれていることにいつしか共感すらおぼえました。 本能的な愛のカタチ 昼の世界と夜の世界 男と女の違い…生体的というか、本能的な違い 女同士でも種の違い これらに対しての分かり合えないもどかしさや 何とも言えない生々しい気持ちはなぜか良くわかるわぁと思えてしまう。 やはり、作家さんは上手いのね…読まされてしまった! ですが、好きか嫌いかでいうとこの☆です。 『愛のスカート』と『茄子とゴーヤ』はわりと好きかなと思ったら、この2話は“普通の人間種”として読める話でした(笑)

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2018/01/16

初読み作家。短編集。全7編。 第158回(2017年下半期)直木賞候補作品。 不思議な世界観を織り交ぜ、愛を描く。ファンタジーとかSF的な要素も含め、幻想的な感じに仕上がっている。美しいことだけではなく、醜くもある感情を繊細に綴っていて、心の奥に問いかけてくる。現実的な設定ではな...

初読み作家。短編集。全7編。 第158回(2017年下半期)直木賞候補作品。 不思議な世界観を織り交ぜ、愛を描く。ファンタジーとかSF的な要素も含め、幻想的な感じに仕上がっている。美しいことだけではなく、醜くもある感情を繊細に綴っていて、心の奥に問いかけてくる。現実的な設定ではないが、読み易かった。

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2018/01/08

大好きな彩瀬まるさんの新刊ということで購入。 帯を見て本作が今回の直木賞候補になっていることを知りました。 初っ端から別れることになった不倫相手の腕を外して貰う、という場面があって面食らったのが正直な感想。 ファンタジー系があまり好きではなかったから、読みきれるか不安になった。...

大好きな彩瀬まるさんの新刊ということで購入。 帯を見て本作が今回の直木賞候補になっていることを知りました。 初っ端から別れることになった不倫相手の腕を外して貰う、という場面があって面食らったのが正直な感想。 ファンタジー系があまり好きではなかったから、読みきれるか不安になった。 「愛のスカート」「茄子とゴーヤ」の二作が良かった。 人生まだまだいろんなことがある。これからだ、と勇気づけられるような。 そして共通してるのはこの二作は現実志向であるということ。 独特の世界観にハマればきっとすごく評価できると思うけれど、私には少しズレていた。 一番最後の「山の同窓会」は一生結婚もせず、子供も産まないと決めた自分のような人は異端、と言われているような…何とも言えない歯がゆさがあった。

Posted byブクログ