みちづれはいても、ひとり の商品レビュー
タイトルその通り、人ってひとり。結婚して集合体になっただけでひとりはひとり。 こどもは所有物でもないし、ひとりの人間。その子がどうひとりで生きていくか。 わたしは普通って言葉が嫌で避けて生きてきたのにいま普通に幸せな人生だと思う。
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最近とにかく忙しくて、久々にやっと読書。 なんだか旅のお話ってキラキラしているイメージが強いけど、これはとても静かなお話ですね。 結婚なぁー。したことないけど、やはり人と深く関わりあう覚悟がないと難しいよね。 私にはその覚悟がないよ。 そしてシズが本当に苦手。 こういう人苦手。 普通って本当になんでしょうね。 しかしながら自分ではフラットでいるつもりがものすごい色眼鏡だったってことは往々にしてあるものだしなぁ。 アシタカじゃないけど、曇りなきまなこで見定め、決めることのなんと難しいことか。 たくさんの登場人物が、みなひとり。 でも結局、人間生きて死ぬのもみなひとり。
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「本をたくさん読みなさい。きっとあなたを遠くに連れていってくれる」で始まる本書は、「いつでも、何処へでも、行ける。同時に、何処へも行けない、という気もしていた。」と綴る。 失業した二人が、たんたんと暮らし、ふらっと旅に出る。どこへも行けないとしても。アラフォーの生活って、こんなものかもしれない。って、思えてしまう。考えさせられる言葉が鏤められていた。あの時、これに気づいていればと思うこともいっぱいです。ちょっと羨ましい、かな。自分にはできなかった、あの頃に。 仕事をしていないとき、いちばんつらいのは、金銭的な理由を別にすれば、身の置きどころの無さ、これにつきる。そして、誰もがこの2つに潰されてゆく。真綿でしめつけられるように。 そして、「泣かないことが強さだと思っていた」私も同じ。この我慢は、誰も幸せにしなかった。自分自身さえも。それに気づくのは、きっと、もっとあとに違いない。 何ものにもなれると自惚れながら、何ものにもなれないと怯えていた。振り返れば、何ものにもなり切れなかったかもしれないけど、それもまた、納得…諦めきれる、かも。 「いい年して」と他人を、自分を笑うなんて。やっぱり変だ。普通であることも、やっぱり変だ。自分が自分らしくあること。たとえ、それが他人からは”変”であっても。と、思う。
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この話の女達にあまり共感は湧かない。が、人は共に過ごす人がいたとしても、ひとり。というのはわかる。「普通」に縛られるのに疲れた現代人の一編。その呪縛に気づくのが早いのは、女かも。
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弓子と楓、タイプは全然違う二人だけど、周りに流されることなく「自分」があるところがいい。 一般的には幸せと言える状況ではないのかもしれないけど、二人には「一般的とか普通って何?」と言われてしまいそう。 「みちづれはいても、ひとり」 うん、確かに。
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弓子と楓さんの関係が心地良くて最高だった お互いがお互いを信頼して尊敬しているけど、むやみやたらにそれを言葉にしない感じ、言葉にすると急に重みがなくなってしまうことってあるよなって日頃から思ってるからすごく共感できてよかった 楓さんが弓子に、友達でいてくれてありがとうの代わりに「...
弓子と楓さんの関係が心地良くて最高だった お互いがお互いを信頼して尊敬しているけど、むやみやたらにそれを言葉にしない感じ、言葉にすると急に重みがなくなってしまうことってあるよなって日頃から思ってるからすごく共感できてよかった 楓さんが弓子に、友達でいてくれてありがとうの代わりに「弓子のつくるご飯は全部好き」と言うところ最大限の愛が込められていて素敵だったなぁ ひとりひとりが別の人間であって、それぞれの考え方や生き方があって、全員が尊重されるべきであるということに改めて気づける本だった
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子供はいなくて、しかも夫と別居中で、ちょっと前まで契約社員で、今は職を探している弓子39歳。男とすぐに付き合ってしまうけれど、二股はかけない、不倫はしない、独身で休職中の楓41歳。ひょんなことから弓子の逃げた夫を探す、不惑女二人の旅路。 寺地さんの作品にしては珍しく、胸糞悪い人...
子供はいなくて、しかも夫と別居中で、ちょっと前まで契約社員で、今は職を探している弓子39歳。男とすぐに付き合ってしまうけれど、二股はかけない、不倫はしない、独身で休職中の楓41歳。ひょんなことから弓子の逃げた夫を探す、不惑女二人の旅路。 寺地さんの作品にしては珍しく、胸糞悪い人が結構出てくる。でもだからこそ、弓子と楓の凛とした飄々さが際立って、かっこよく見える。 特に弓子の「他人は他人、私は私」とくっきり分けて考えるスタンスが好き。
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欲しいものが違うのに、どっちが正しいのか、などと考えるのは、それこそバカみたいだ 他人の価値観を尊重するって難しい。難しいけど、そうありたい。
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読み終えて、タイトルの意味がよく分かる。 登場人物が自分と年齢・性別が近いこともあり、 親近感がわいた。 人に依存してしまいそうになることもあるけれど、やっぱり自分というものを持ち、それでもひとりでは生きていけない。
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偶然、井上荒野さんの「よその島」に引き続き、島が舞台のお話。行方不明中の夫を探す弓子&その隣人で友人の楓が章ごとに主人公となり、弓子の義母や親戚、島の人たちとあれやこれやと関わりながら、それぞれの答えを探すストーリー。結婚してようが独身だろうが、こどもがいようがいまいが人...
偶然、井上荒野さんの「よその島」に引き続き、島が舞台のお話。行方不明中の夫を探す弓子&その隣人で友人の楓が章ごとに主人公となり、弓子の義母や親戚、島の人たちとあれやこれやと関わりながら、それぞれの答えを探すストーリー。結婚してようが独身だろうが、こどもがいようがいまいが人はひとり。だけど救ってくれるのも、ひと。そんなお話。
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