架空論文投稿計画 あらゆる意味ででっちあげられた数章 の商品レビュー
松崎有理「架空論文投稿計画」読了。査読制度の限界をネタにユーモラスに構成された各架空論文を読んで、思わず噴き出してしまいそうになる事が多々あったが、架空なのに妙に納得してしまいそうになるのはなんだか不思議な気分だった。こんな感じで論文を書けたら楽しいだろうな。もちろん架空でなく!
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いくつかのアンソロジーで著者の作品を読んでいて、興味が湧いて読んでみたのが本著です。 本著、研究者心理を専門とする助教(所属は"蛸足大学"で、本著の内容からすると著者の出身でもある東北大学のようですね)が、論文の査読制度のチェック機能が崩壊しているのでは?と...
いくつかのアンソロジーで著者の作品を読んでいて、興味が湧いて読んでみたのが本著です。 本著、研究者心理を専門とする助教(所属は"蛸足大学"で、本著の内容からすると著者の出身でもある東北大学のようですね)が、論文の査読制度のチェック機能が崩壊しているのでは?という仮説のもと、「かけんひ」を使いつつ架空論文を投稿していくというもの。 この架空論文を書くにあたって、作家たる著者自身が作中に登場するというのも本著の構造の面白いところ。論文自体のアホらしさも含め、著者のユーモアセンスは凄いなぁと唸らされます。 残念なのは、アカデミックな職業の方々ならおそらくわかってクスッとするであろうネタの数々が、どうにもわからないこと。学術論文の世界に特化しすぎていて、フツーのサラリーマンである自分としては少し疎外感?を感じるくらいでした。 しかし、大学で研究職をされてるような方であればメッチャ面白いと感じるだろうし、大学院に進もうとしている大学生なんかにも雰囲気を掴むために凄く良い1冊になるのではないかと思います。
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2020.12.5市立図書館 電子総合文藝誌アレ!(2011年〜2012年、ちなみに某STAP細胞騒動より前)初出の架空論文11本を散りばめ学術論文執筆&投稿界隈をえがいた近過去SF「サイエンス・ユーモア・サスペンス」。とあるポスドクがおこした事件をきっかけに、メタ研究心理学研究...
2020.12.5市立図書館 電子総合文藝誌アレ!(2011年〜2012年、ちなみに某STAP細胞騒動より前)初出の架空論文11本を散りばめ学術論文執筆&投稿界隈をえがいた近過去SF「サイエンス・ユーモア・サスペンス」。とあるポスドクがおこした事件をきっかけに、メタ研究心理学研究室助教のユーリー小松崎✕駆け出し作家松崎有理が始めた架空論文投稿実験の首尾は…? 高3長女、手にとってすぐに一気読み。 大学生までは楽しそうだけど、院生から先はつらそう、研究職になるのこわそう…と進学前から不安にさせてしまったが、まあ予備知識と覚悟はあったほうがいいし(パラレルワールドっぽいフィクションとはいえ、現実の理不尽の数々が種にあるのはうたがいない)、こういうネタのお話をおもしろく読める彼女にはやはりそこそこ適性もあるのだろうと思う。すみずみまで楽しんででっちあげたのであろう架空論文はもちろん、「代書屋ミクリ」や「就職相談員蛇足軒〜」に登場したあの人やこのネタがちらちら登場して「エピソード0」的に楽しめるのもよかった。 「架空論文投稿実験」そのものが意外と長い歴史をもち、ジョークとしてだけでなくこの作品の登場人物のように現状への警告や告発のための試みも行われているという現実が興味深い。 虚構新聞を楽しめる人なら間違いなくおすすめ。読むのに時間はかかるけど(著者のいう「するめ」は言い得て妙)それをじっくり味わえるなら学術業界にむいている。これからの世の中、むしろこういったフィクションを通してニュースやレポートを批判的に読み解く力を養うことはかなり大事なので、大学生(とくに進学希望者)は一度は読んでおいてもいいんじゃないかとさえ思う。
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学術の未来に危機感を抱いた大学助教授の『ユーリー小松崎』は、学術研究の理想を守る為、知り合いの駆け出し作家『松崎有理』に協力を仰ぎある実験を行うことにした。嘘の論文をでっちあげて査読を通るかどうか調べるというものであったが、修正指導もないまま論文は掲載されてしまう。その後『論文警...
学術の未来に危機感を抱いた大学助教授の『ユーリー小松崎』は、学術研究の理想を守る為、知り合いの駆け出し作家『松崎有理』に協力を仰ぎある実験を行うことにした。嘘の論文をでっちあげて査読を通るかどうか調べるというものであったが、修正指導もないまま論文は掲載されてしまう。その後『論文警察』と名乗る怪しい団体に目を付けられ・・・。 論文不正問題と言えば、一大センセーショナルを巻き起こした事件がありましたが。 コメディー風に仕上げて、現状に一石を投じるとか風刺なのかとか思ったのですが、そういう側面もあるかと思えど、面白ければいいのかもしれない。 しかも、後書きによれば、ストーリーの中に差し込むために作られたのではなく架空論文が先なんですね。くすりと笑えて、そうそうと思え、添えられている図もなんか可愛らしい論文でした。
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すごく面白かった。 読み始めはなかなか設定が頭に入らず、戸惑いつつ読んでいたけど、なるほど、ユーリー小松崎という架空の人物と松崎有理(筆者)が協力して架空論文を執筆・投稿していこう、というやり取りが小説として書かれており、合間にその投稿した架空論文が掲載されている、という本。 小...
すごく面白かった。 読み始めはなかなか設定が頭に入らず、戸惑いつつ読んでいたけど、なるほど、ユーリー小松崎という架空の人物と松崎有理(筆者)が協力して架空論文を執筆・投稿していこう、というやり取りが小説として書かれており、合間にその投稿した架空論文が掲載されている、という本。 小説の本文中で出てくる専門用語なんかには注釈をつけてくれているけど、それも書き方がおふざけ感がありよく読むと面白い。 架空論文はよくこんな研究内容が浮かぶなと感心してしまう。ユーモア溢れるものばかりで、あまり実物の論文というものに接点のない人でも楽しめる。
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でたらめな論文を投稿して査読機能をチェックしようとする話。研究者ネタや、ばかばかしい架空論文の数々が興味深い。引用文献も良くできてる。代書屋や「出すか出されるか法」につながるのもニヤリ。面白かった!
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研究者心理の研究者が、査読チェックがザルであることを証明するため、形式書式は整った架空論文11編を投稿するも受理掲載される。その顛末と提言を論文化するも、かけんひ不採用で投稿料金を支払えず。 各論文部分が独立していて、結構面白いなと思っていたら、それらが元ネタだったのでした。
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投稿論文を作ったことがある身としては、興味深い話であった。 サンキュータツオ著「ヘンな論文」で出てくること間違いなしの、やらせ投稿論文を11編も作った作者の発想をすごいと思う。 オチとしては現在進行形で活動中…のような、本当に小松崎先生がこの世にいるように錯覚する終わり方だ。 本...
投稿論文を作ったことがある身としては、興味深い話であった。 サンキュータツオ著「ヘンな論文」で出てくること間違いなしの、やらせ投稿論文を11編も作った作者の発想をすごいと思う。 オチとしては現在進行形で活動中…のような、本当に小松崎先生がこの世にいるように錯覚する終わり方だ。 本文中で紹介されていた実際のやらせ投稿論文”Get me off Your Fucking Mailing List”を検索してみたが、本当に存在したし、本当にAcceptされていて苦笑い。
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遊び心で楽しく書かれているお気楽小説です。でも、好きな研究ざんまいとはいかない研究者の現実が厳しくて、ペーソスも味わいました。
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『バッタを倒しにアフリカへ』や『マンボウのひみつ』などを読んで、ポスドクって大変なんだなあと思っていたところに読んだので、なかなか面白かった。 基本のストーリー自体は(登場人物の見た目も含め)漫画っぽいというか、アニメがピッタリな気がするが、架空論文だけでは確かに読み続けるのは...
『バッタを倒しにアフリカへ』や『マンボウのひみつ』などを読んで、ポスドクって大変なんだなあと思っていたところに読んだので、なかなか面白かった。 基本のストーリー自体は(登場人物の見た目も含め)漫画っぽいというか、アニメがピッタリな気がするが、架空論文だけでは確かに読み続けるのは難しいので、ストーリーがあってよかった。 しかし、この本の面白さはやはり論文にあるわけで、そのテーマの設定から嘘の盛り込み方まで、細かく読むと更に楽しめるようになっている。書くの大変だったろうなあ。参考文献に時々混じっている本当にある本を見て、ニヤニヤしてしまった。ここに読んだことがある本がたくさんある人は楽しめると思う。 代書屋の本も読んでみようかな。
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