労働者階級の反乱 の商品レビュー
p57 〜バーニー・サンダースの教えに基づく労働党に入った若者たちのドブ板活動、地域に根ざしたグラスルーツ型の活動のエピソードを受けて〜 2016年のEU離脱投票の頃は、左派のインテリたちは、遠巻きに彼ら(労働者階級の中高齢者)を見て、「排外的だ」「冷静に物を考えていない愚かな人...
p57 〜バーニー・サンダースの教えに基づく労働党に入った若者たちのドブ板活動、地域に根ざしたグラスルーツ型の活動のエピソードを受けて〜 2016年のEU離脱投票の頃は、左派のインテリたちは、遠巻きに彼ら(労働者階級の中高齢者)を見て、「排外的だ」「冷静に物を考えていない愚かな人々だ」と批判し、眉をひそめていた。 しかし、「我ら」対「彼ら」の構図で見ている限り、「彼ら」を「我ら」に取り込むことはできない。 左派は、いまこそ労働者階級の人々と対話し、その価値観や不満や不安を理解しなけれびならない。もはや労働者階級を悪魔化し、離れた場所から批判していればすむ時代ではない。
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米国大統領選挙の時期にこの本に出合えたのはタイミングよかった。英国の話ではあるが、他国の政治や社会を知るきっかけになる。 が、在宅勤務になった弊害と言っていいのか通勤時間という最大の読書時間が無くなり、ついに図書館から催促の電話がきてしまったので、途中で断念。 日本は移民を受け入...
米国大統領選挙の時期にこの本に出合えたのはタイミングよかった。英国の話ではあるが、他国の政治や社会を知るきっかけになる。 が、在宅勤務になった弊害と言っていいのか通勤時間という最大の読書時間が無くなり、ついに図書館から催促の電話がきてしまったので、途中で断念。 日本は移民を受け入れてないというかなり特別な事情があるということを再認識。 論理的に統計値などを使い、わかりやすく英国の事情を説明しているし、その出典元なと明記されている。 良書。
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第Ⅰ部 地べたから見たブレグジットの「その後」 ブレグジット決定及びその前後についての概要。ブレグジットを思い返す時に参考になるであろう、コンパクトにまとまった導入部。 第Ⅱ部 労働者階級とはどんな人たちなのか タイトル通り、イギリスの労働者階級についてのレポート。特に著者...
第Ⅰ部 地べたから見たブレグジットの「その後」 ブレグジット決定及びその前後についての概要。ブレグジットを思い返す時に参考になるであろう、コンパクトにまとまった導入部。 第Ⅱ部 労働者階級とはどんな人たちなのか タイトル通り、イギリスの労働者階級についてのレポート。特に著者(元々は著者の夫)の友人達6人へのインタビューはこの本の白眉だと思う。 第Ⅲ部 英国労働者階級の100年 オックスフォード大学の歴史学者セリーナ・トッドの著書『ザ・ピープル イギリス労働者階級の盛衰』(みすず書房)のダイジェスト版。労働者、と言うより、労働党の100年を追ったもの。分かり安くまとまっているとは思うが、1945年のピープルの革命を至上とし、労働党左派(と言う表現があるのか分からないが、日本でのかつての社会党左派の様な感じか?)に与する記載にやや偏りは感じる。 ブレイディみかこの著書を他にも読んでみたくなった。 READING STYLE あべのにて購入。
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ブレクジット前後の英国事情、現代の労働者階級の分析および現代にいたるまでの100年の経緯の概観を記した本。 相当資料を読み込んだと思われる豊富な知識を前提とし、ち密ながらも簡潔な文章で、内容はやや硬めながらも英国事情をお手軽に把握できるのはさすがの文章力としか言いようがない。 ...
ブレクジット前後の英国事情、現代の労働者階級の分析および現代にいたるまでの100年の経緯の概観を記した本。 相当資料を読み込んだと思われる豊富な知識を前提とし、ち密ながらも簡潔な文章で、内容はやや硬めながらも英国事情をお手軽に把握できるのはさすがの文章力としか言いようがない。 特に、日本で生まれ育ってそのまま日本に住んでいる私のような人間には、ブレクジット前後の事情が庶民の目線で記されている第一部が興味深かった。
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勉強になった。 まさに勉強になった、という本。 現在の英国を理解するには、すごく大切な本。 「僕はイエローで…」からひかれてすっかりはまってしまったみかこさんなのですが、なるほどなるほど、パンクな生きざまと明確な主張、そして社会起業家的に社会を変えようと行動していらっしゃる方、...
勉強になった。 まさに勉強になった、という本。 現在の英国を理解するには、すごく大切な本。 「僕はイエローで…」からひかれてすっかりはまってしまったみかこさんなのですが、なるほどなるほど、パンクな生きざまと明確な主張、そして社会起業家的に社会を変えようと行動していらっしゃる方、というそんな中で、さらに勉強家?というか研究者?というか、なるほどなるほど、やはり自分の考え方のベースで共感できる点が多く大好きな著者である。 これまでの英国保育士とか、自らの労働者環境(今回は「ワイルドサイド…」で出てきたメンバーへのEU離脱投票に対するヒアリングもあった)という「地べた」の感覚から反緊縮に対する明確な主張と、それに加えて100年の労働者階級の歴史を棚下すという手法を用いて検証していく方法、本当に勉強になりました。 今回の抜粋はまえがきから。 ======= P5 実際、家族も、知り合いもない異国の地に一人でやってきて、仕事を見つけたり、出産したり、育児したりしながら生活していくのだから、それは困ったことや途方にくれることの連続であり、そういうときに私を助けてくれたのは、近所の人々であり、配偶者の友人たちやそのパートナーたちのサポートの輪だった。彼ら無くして現在のわたしはいないと言ってもいい。わたしが生まれ育った国の人々と比べると、なんだかんだ言っても彼らはとても寛容で、多様性慣れした国民だと切実に感じていた。 ところが、である。 (中略) 「ダーリンは離脱派」、などとふざけたことを言っている場合かどうかは別にしても、そもそもわたしの配偶者自身が離脱に入れた労働者の一人だった。これまでは「労働党支持」という点で、大まかには同じ政治的考えを持っていたわたしたち夫婦が、真逆の投票を行ったのは、EU離脱投票が初めてのことだった。 (中略) そんなわけで、よく理解できない事柄に出会ったときに人類がせねばならないことを、いまこそわたしもしなければならない、と思った。勉強である。 英国の労働者階級はなぜEU離脱票を投じたのか、そもそも彼らはどういう人々なのか、彼らはいま本当に政治の鍵を握るクラスタになっているのか、どのような歴史を辿って現在の労働者階級が形成されているのかー。学習することはたくさんあった。この本は、その学習の記録である。 (中略) このように、本書は、英国在住のライターが、EU離脱票で起きたことを契機として、配偶者を含めた自分を取り巻く労働者階級の人々のことを理解するために、まじめに勉強したことの覚書といえる。 =======
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英国に住む英国人と結婚した著者から見たブレグジットの背景を記した一冊。著者の夫も含め、身近な英国人の友人たちなどは労働者階級に属しており、ほとんどはEU離脱に投票したとのこと。 中でも良かったのは中盤にある6人ほどの友人たちへのインタビュー記録。どのような人たちがどのような思い...
英国に住む英国人と結婚した著者から見たブレグジットの背景を記した一冊。著者の夫も含め、身近な英国人の友人たちなどは労働者階級に属しており、ほとんどはEU離脱に投票したとのこと。 中でも良かったのは中盤にある6人ほどの友人たちへのインタビュー記録。どのような人たちがどのような思いを持って離脱に投票したのかが分かる。労働者階級にまつわる100年の歴史も簡単にまとめられていて勉強になった。 本にも書かれているように日本からニュースを見ていた時には排外主義的な思想が背景にあるのかと思っていた。そういう面もないわけではないとは思うが、これまで蔑ろにされてきた(特に白人の)労働者階級が起こした反乱だと捉えると何が起きていたのかがよく理解できた。
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社会で起こっていることを、できる限り適切に理解することの重要性。 イギリスの誇り高き労働者階級について。
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ブレグジットに賛成票を投じた労働者階級は、本当に排外主義的な右派なのか。労働者階級100年の歴史を振り返ると、経済的に冷遇されて来たことが原因だとわかってくる。勉強の軌跡。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2016年6月24日、イギリスはEU離脱投票で離脱派が勝利、 先日EUからイギリスが正式に離脱(ブレグジット= Brexit)したところで読んでみました。 イギリスでは現在、白人労働者階級という立ち位置に いる人々がマイノリティになっている。白人なら 人種差別もないから自力で上がれ、といわれるためである。 第1章はイギリスにおけるブレグジットについての 簡単な説明と残留派と離脱派の女性がそれぞれの家庭を 取り替えるというイギリスのテレビ番組の放送内容を 紹介している。 第2章は著者の身近な労働者階級の人々のインタビューと ニュー・マイノリティーの説明、第3章は労働者階級の 100年の歴史が書かれている。 やはりいきなり離脱、というわけではなく積み重なった ものがあった結果の離脱、ということで興味深く 読めました。さらにイギリス人は政治については 市井の人々でもしっかり政治について意見を持って インタビューを受けることができるんだなと自己反省しました。
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1970年ごろの状態は今の日本とよく似ている。労働者が立ち上がった1920年の段階にまだ、日本はなってない。その英国でもまだ、左派は勝てない。働かない人には冷たい社会。働かないと、働けないの差は大きいのに、右派はそこをいつも一緒にして、働けない人をスケープゴートにする。
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