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労働者階級の反乱 の商品レビュー

4.2

37件のお客様レビュー

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2019/10/30

BREXIT国民投票の結果が発表され。まさかの離脱決定。冒頭著者の夫が叫ぶところから始まる。しかし夫は離脱賛成に入れていたというのが面白い。激しく面白かった「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の著者が、英国の労働者階級が何を考えているのか、あるいはここ100年の政治を振...

BREXIT国民投票の結果が発表され。まさかの離脱決定。冒頭著者の夫が叫ぶところから始まる。しかし夫は離脱賛成に入れていたというのが面白い。激しく面白かった「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の著者が、英国の労働者階級が何を考えているのか、あるいはここ100年の政治を振り返り、英国社会を考察するという意外と硬い本。 なかなか面白かった。 英国のテレビ番組で、離脱派と残留派の家庭の奥さんを交換して、しばらく暮らしてもらうという企画の話が興味深かった。

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2019/10/06

今回は速読を意識して読んだため誤読してる可能性がある。もしそのような点があれば、指摘してほしい。 EU離脱で重要になるのは「白人」労働者階級である。 彼らは「白人」であることから「人種的」にはマイノリティーではないので、彼らが貧困層であるのは自業自得と見なされ、蔑まれてきた。 そ...

今回は速読を意識して読んだため誤読してる可能性がある。もしそのような点があれば、指摘してほしい。 EU離脱で重要になるのは「白人」労働者階級である。 彼らは「白人」であることから「人種的」にはマイノリティーではないので、彼らが貧困層であるのは自業自得と見なされ、蔑まれてきた。 そして彼らが受けるべき支援を移民達と共有するため民間医療などがインフレを起こしてしまった。 つまりブレグジットは「白人」労働者階級の反乱なのである。それを排外主義、右傾化、レイシストと扱っていいのだろうか

Posted byブクログ

2019/09/15

今更ブレグジットのことについて。 米国のトランプ現象と、英国のブレグジットはちがうものということはわかったが、「ニューマイノリティ」と呼ばれる忘れ去られた白人労働者の反乱という意味では似ているのかな。 日本の「ニューマイノリティ」ってなんだろうって考えて社会をみてみると、おもし...

今更ブレグジットのことについて。 米国のトランプ現象と、英国のブレグジットはちがうものということはわかったが、「ニューマイノリティ」と呼ばれる忘れ去られた白人労働者の反乱という意味では似ているのかな。 日本の「ニューマイノリティ」ってなんだろうって考えて社会をみてみると、おもしろいかも。 「英国労働者階級の100年」はよく理解できた。近年の労働者階級に反乱は、新自由主義的思想が社会の隅々にまで浸透してたことで、右も左も政権交代をしても、生活が変わるわけでもなく、「裕福な支配者同士の、いわばエスタブリッシュメント層内部での争い」だっていうことに対する反乱。 ブレグジットの結果はそんな意味を含んでいたのかもしれない。 また20年前のブレア政権のとった政策も影響していたってことを知った。 やっぱり大事なことは、「社会のなかで置かれている立場について学び、理解しようと努めなければならない」のかな。

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2019/08/29

トランプ現象とEU離脱は違うんだな。 労働者階級というもう一つのイギリスを知る。 臨場感には乏しいが、労働者階級の歴史は詳しい。 男性同性愛者と妊娠中絶の合法化(1967年)、姦通がなくとも離婚できる(1969年)のはそんなに昔の話ではない。 イギリスが財政破綻し、IMFから...

トランプ現象とEU離脱は違うんだな。 労働者階級というもう一つのイギリスを知る。 臨場感には乏しいが、労働者階級の歴史は詳しい。 男性同性愛者と妊娠中絶の合法化(1967年)、姦通がなくとも離婚できる(1969年)のはそんなに昔の話ではない。 イギリスが財政破綻し、IMFから救済を受けていたとは。 いい意味で、英国労働者階級の激しさの伴ったバランス感覚の良さを感じた。

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2019/07/31

イギリス人と結婚し、イギリスに住む著者が描く、イギリスEU離脱投票の背景。 実際に離脱に投票した知人へのインタビューや、現地のテレビ番組、新聞記事、論説などが多数引用されており、臨場感のある本。 外国人を排斥して、知性の低い、エゴイスティックな過激な人たちが離脱票を入れた ...

イギリス人と結婚し、イギリスに住む著者が描く、イギリスEU離脱投票の背景。 実際に離脱に投票した知人へのインタビューや、現地のテレビ番組、新聞記事、論説などが多数引用されており、臨場感のある本。 外国人を排斥して、知性の低い、エゴイスティックな過激な人たちが離脱票を入れた と外側からは解釈されがちであるが、実際にイギリス人として自国がどんどん移民を受け入れグローバル化、ボーダーレス化する中、下手すれば自分の仕事も奪われ、社会福祉も彼らに持っていかれるとなれば、誰しも寛容ではいられないだろう。 インサイダーからの実感こもったボヤキには共感も覚える。 また、歴史的な概観理解のために添えられた、労働党と労働者階級がいかに現代のイギリスの社会制度を作って来たかの簡便な通史が、秀逸である。 自分は文学作品や映画、音楽などを通じてイギリスの文化に触れてきたが、この本のイギリス労働者通史を読んでものすごくいろいろなことが分かった。 戦争、工業の発達、階級社会の崩壊、社会主義思想、男女同権、ワーキングクラスカルチャー、アングリーヤングメンやパンク、モッズ、ロックカルチャー etc. 今度は過激な男女同権活動家 サフラジェットについて知りたいなと思った。

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2019/03/14

ブレグジットで揺れるイギリスで、なぜ多くの労働者階級がブレグジットに賛意を表明したかという背景にあったのは、緊縮財政による経済的な問題であった。 労働者階級が歴史的に果たしてきた役割を明らかにしながら、今もある意味ではエスタブリッシュメントに搾取されつつある労働者階級の現状を、移...

ブレグジットで揺れるイギリスで、なぜ多くの労働者階級がブレグジットに賛意を表明したかという背景にあったのは、緊縮財政による経済的な問題であった。 労働者階級が歴史的に果たしてきた役割を明らかにしながら、今もある意味ではエスタブリッシュメントに搾取されつつある労働者階級の現状を、移民との関わりも視野に入れつつ考察した著作である。

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2019/02/05

2章のインタビューだけでも本書を読む価値がある。 教養の低いと見られがちな労働者階級の人々がどれだけ確固とした自分の意見を持っていることか。 これを読んでしまうと、ハードブレギジットもやむを得ないと思えてくる。

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2018/12/30

ブレグジットの背景を学ぶには良い本だと思います。 1.この本を一言で表すと? ・イギリスのEU離脱とその背景をリポート、分析した本。 2.よかった点を3〜5つ ・少なくとも私の知る範囲では、ブレグジットに多大な夢や希望を抱いていた人はいない。(p31)  →トランプ現象とブレ...

ブレグジットの背景を学ぶには良い本だと思います。 1.この本を一言で表すと? ・イギリスのEU離脱とその背景をリポート、分析した本。 2.よかった点を3〜5つ ・少なくとも私の知る範囲では、ブレグジットに多大な夢や希望を抱いていた人はいない。(p31)  →トランプ現象とブレグジットの大きな違いだと思う。 ・第?部 英国労働者階級の100年  →自分の知らない歴史だったので勉強になった。 ・90年代以降,歴代政権は,階級の問題を人種の問題にすり替えて,人々の目を格差の固定と拡大の問題から逸らすことに成功してきたのだ。これは経済的不平等の問題に取り組みたくない政治家たちによるシステマティックな戦略でもあった。(p263)  →「労働者階級の反乱」というタイトルは最初意味がわからなかったが、上記の政治の欺瞞への抵抗反乱という意味だというのが理解できた。 ・日本の多くの人は「欧州の危険な右傾化」と「ポピュリズムの台頭」が原因であるというところで止まってしまい、「緊縮が理由などと書くのは、右傾化した労働者階級を擁護することになり、レイシスト的だ」と苦情のメールもきた(p273) ・「他者の立場になって考えてみる、異なる意見を持つ人間に感情移入してみる」努力ができるということこそが、想像力という知性を持つ人間の特性なのだ。  そもそも、EU離脱を招いた「政治と地べたの乖離」が、その知性の欠如に端を発していたことを思えば、わたしたちはそのことを再び思い起こす時代に来ているのだと思う。(p284)  →今後社会の壁を乗り越えるには我々はどうしていけばいいか、この文に集約されていると思う。 2.参考にならなかった所(つっこみ所) ・p25の表 →米国大統領選では中間層や富裕層のトランプ支持・クリントン支持は数が拮抗しており、一概に富裕層だからトランプ支持とは言えないのではないか? 4.全体の感想・その他 ・イギリスの労働者階級の人たちがどのような考えをもってEU離脱に賛成したのかということを的確に伝えていると感じた。 ・第?部のインタビューは、現場の生の声がよくわかったので面白かった。 ・緊縮財政の負の面がブレグジットの背後にあることから、緊縮財政に懐疑的になった。 ・離脱派の人たちは排外主義や不寛容といった単純な発想から離脱に票を入れたわけではないということが分かった。

Posted byブクログ

2018/09/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

英国在住、”労働者”階級の夫を持つ著者による書。誇りある英国の”労働者”に対する愛情を感じさせる。研究者による分析を紹介する箇所も、カルチャーの視点を織り交ぜながら描写し生き生きとしたものに感じさせる好著。 印象に残ったのは、”白人”労働者階級の出現は、歴代政権が階級の問題を人種の問題にすり替えた結果発生した、とする点(263ページ以下)。元々移民に接していた労働者階級は移民との共存に慣れていたが、キャメロン政権の国民投票実施決定がパンドラの箱を明けてしまった。入国在留管理庁の設立等、外国人労働者増を目指す日本の将来を考えるにあたっても読んでおくべき。

Posted byブクログ

2018/07/08

英国労働者階級に身を置く著書がブリグジットの中心となった彼らの思いを掘り下げてトランプ現象と違いを語ります。「離脱派と残留派のように全く違う見解や信条を持った人の中でもオープンにそれを語り合う。「英国的」というのは、まさにそういうことだ。」との一節がとても印象的でした。 ちなみに...

英国労働者階級に身を置く著書がブリグジットの中心となった彼らの思いを掘り下げてトランプ現象と違いを語ります。「離脱派と残留派のように全く違う見解や信条を持った人の中でもオープンにそれを語り合う。「英国的」というのは、まさにそういうことだ。」との一節がとても印象的でした。 ちなみに、著者はトランプ現象を「ヒルビリー・エレジー」などで語られている貧しい労働者がトランプを支持したのではないと解説してます。 また、終章での「英国労働者階級の100年」は世界で最も早く労働者が登場した国だけあって読み応えがあります。

Posted byブクログ