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邪馬台国と黄泉の森 の商品レビュー

3.7

7件のお客様レビュー

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2022/01/13

サブタイトルに「推理ファイル」とあるので、ミステリに分類はしてみたが... 謎解きと言うより、作者の「蘊蓄自慢」ばかりが鼻について、正直 読んでいてあまり楽しくなかった。 何の予備知識もなしに、「邪馬台国」のタイトルに惹かれて買ってみたが、そちらは話のメインではない。一応4作の...

サブタイトルに「推理ファイル」とあるので、ミステリに分類はしてみたが... 謎解きと言うより、作者の「蘊蓄自慢」ばかりが鼻について、正直 読んでいてあまり楽しくなかった。 何の予備知識もなしに、「邪馬台国」のタイトルに惹かれて買ってみたが、そちらは話のメインではない。一応4作の「連作短編集」とも言えるが、最初と最後にメインを張る「とあるホラー漫画家の失踪と復活」を軸に据えた長編として読むこともできる。そして、どうやらこれは同じ醍醐という名のフリー編集者を主人公にした、シリーズ物の二作目らしい。そのため、醍醐氏の紹介があまりきちんとなされず、それも消化不良の一因となっているか。 が、第二作でメインとなる邪馬台国の話も、失礼を承知で言えば「自説を披露したいだけ」で、無理して「小説の体を取っている」という印象が強くて(- - 一応強烈なキャラ(という設定の)女性漫画家が、再起を賭けて邪馬台国をモチーフにした作品を描くので、その取材旅行に行く、という筋立てはありますが...読後の印象は、あくまで「俺の話を聞け」って感じで(^ ^; 全編通して、まったく「可愛げ」の無い一冊である(^ ^; 作者は、浦沢直樹氏のマンガ「Masterキートン」の原作者の一人らしいが... マニアックな知識の膨大さは、確かに原作者とかには向いているのかも。が、ご自身が「表現者」としてどうなのか、という話になると、いかがなものか、と思ってしまう。 文体は読みにくくはないが、説明臭い台詞が多く、登場人物の心の機微がさっぱり伝わって来ない。リズムも平坦な印象で、「文章で読ませる緩急」がなく、読中のワクワク感がない。小説の体を取らず、学術論文として書いた方が、邪馬台国の説などは説得力が増すのでは、という感じ(^ ^;

Posted byブクログ

2019/03/02

すごく面白かった。中篇集かと思って読んでたら、最後に全てが繋がって長篇とも読める構成で唸らされた。醜男なのに醍醐の人間的魅力が深く描かれててそこもとても良い。漫画は善たれという作者のメッセージも熱い。

Posted byブクログ

2018/10/18

邪馬台国最大の謎をメインテーマに、フリー編集者・醍醐真司が挑む封印された誘拐事件の真相。漫画界のカリスマが描くノンストップミステリー。 何気なく読む漫画のひとコマに、大きな意味が隠されている。それは映画のワンシーンや歌詞の一言などと同様に、創作者の思いが込められているからだ。作中...

邪馬台国最大の謎をメインテーマに、フリー編集者・醍醐真司が挑む封印された誘拐事件の真相。漫画界のカリスマが描くノンストップミステリー。 何気なく読む漫画のひとコマに、大きな意味が隠されている。それは映画のワンシーンや歌詞の一言などと同様に、創作者の思いが込められているからだ。作中の「信念」の定義や、善と悪に係るマンガ論など、著者の思いが伝わる作品である。

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2018/05/15

博覧強記のマンガ編集者、醍醐真司を主人公とした四作の連作短編もの。 一話完結ものなのだが、全体として一つの長編物を読んでいるような気になる。 失踪したホラーマンガ家の行方を探す第一話。そして、かつて「女帝」と呼ばれたマンガ家を、醍醐が編集者として復活させる第二話。 この二話...

博覧強記のマンガ編集者、醍醐真司を主人公とした四作の連作短編もの。 一話完結ものなのだが、全体として一つの長編物を読んでいるような気になる。 失踪したホラーマンガ家の行方を探す第一話。そして、かつて「女帝」と呼ばれたマンガ家を、醍醐が編集者として復活させる第二話。 この二話では、マンガ家の新作に、邪馬台国と卑弥呼をテーマとしてとりあげるのだが、博覧強記というキャッチフレーズにふさわしく醍醐が持論を繰り広げる。 また、映画館での醍醐と親子の奇妙な出会いを描いた第三話。 そして、四話では、一話に登場したマンガ家の子ども時代のトラウマが解き明かされる。 博覧強記の編集者というので、うっとうしい人種と想定したのだが、どちらかというと、バランスの取れた人物像で、良い意味の裏切りだった。 そもそも編集者は、厄介な作家を操らなければならないのだから、バランス感覚は優れているのだろう。 二話の邪馬台国にしろ、三話の映画話にしろ、怒涛の情報量で、殆どついていけなかったが、その蘊蓄を読んでいるだけでも面白かった。 ただ、四話の中で、「悪行」を情状酌量して、見て見ぬふりをしたほうがいいのかと迷う醍醐に対し、現代でマンガがメジャーになった理由を語った作家の「悪は悪。善は善。そこの基準だけは曲げなかった作品が多かったから。」そして、 「どんなに悲しいことになるか分かっていても心を鬼にして悪は悪と言い切る…それが、マンガを生む人間のつとめだ」という言葉が心に残る。 複雑であいまいな構図もあってしかるべきなのだが、やはり、エンタメ作品は、「正義を貫き、正義が勝つ」というわかりやすいものがいいなと思うのだ。

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2019/03/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

フリー編集者醍醐真司が主人公の第二作。一作目と三作目の後に読みました。4つの短編集で構成される内容なのですが、最後まで読むと、1つの作品ともとれる内容だと思いました。

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2018/03/19

久々の醍醐編集長、面白かった。特に、短編かと思っていたらまさかそういう風に繋がっていくとは驚き。次も読みたいね。

Posted byブクログ

2017/12/30

ストーリー展開は面白いし、邪馬台国に関わる持論の出し方も上手だと思うし、女流漫画家のキャラクターも面白いし、自分でももっと星がたくさんついてもよいと思いました。 それなのに☆3つなのは、なんだか読みにくかったからです。特に、この本の本質的な謎をめぐるパートが読みにくいのです。女流...

ストーリー展開は面白いし、邪馬台国に関わる持論の出し方も上手だと思うし、女流漫画家のキャラクターも面白いし、自分でももっと星がたくさんついてもよいと思いました。 それなのに☆3つなのは、なんだか読みにくかったからです。特に、この本の本質的な謎をめぐるパートが読みにくいのです。女流漫画家をめぐるところではあんなにそれぞれのキャラクターが面白く書き込まれているのに、それを挟むように書かれている部分では、どうも人間像がうまくつかめない。それは、きっと、話を展開させるに当たって視点が変わるから。そして、その視点となる部分の書き方がはっきりしていないからではないかと思うのです。全編通して3人称で書かれていたら、私は文句なく面白い本、というと思います。 視点の変更って、漫画なら文句なくできるところだと思うけど、文章だとけっこう丁寧な描写が必要だとも思うんです。 ストーリーテラーとしてとても面白い本だなあと思います。 違う語り口の本を読んでみたいと思います。

Posted byブクログ