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角の生えた帽子 の商品レビュー

3.9

15件のお客様レビュー

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2023/11/10

心の隙間にある暗闇を描き出す怪奇な短編9話。どれもひっそりとしたホラー感が出ていて面白く読んだ。切なさもあり苦しさもある。「悪魔の帽子」「左利きの鬼」「湿原の女神」が好みですが、特に「湿原の女神」はジーンと心に響きました。

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2023/10/27

なんとも読み応えのある短編集だった。全編仄暗い雰囲気が漂う、ゾクっとするようなホラーでした。一つ一つが濃すぎてちょっと読み進める毎に頭の中がその話でいっぱいになってしまう。他の話に比べると印象の薄い話もいくつかあったけど大満足の読み応え。 幽霊や神や得体の知れないものがわんさか...

なんとも読み応えのある短編集だった。全編仄暗い雰囲気が漂う、ゾクっとするようなホラーでした。一つ一つが濃すぎてちょっと読み進める毎に頭の中がその話でいっぱいになってしまう。他の話に比べると印象の薄い話もいくつかあったけど大満足の読み応え。 幽霊や神や得体の知れないものがわんさか出てくるけど、怖いのはきっとそこじゃない。どこか少しだけ狂ってる人間たちが醸し出す不穏な空気が怖い。完全に狂ってはいない、だけど違和感が拭い切れないあの雰囲気。見てはいけないんだけど目が離せないものを見ているような感覚でした。 女神だけ少しだけ明るくて最後に救われます。

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2023/06/16

短編9話 ホラーというほど怖くはない。 薄気味悪さと意外なラストにゾワッとくる。 リアルに映像が浮かぶ描写、登場人物の少なさ 静かに追い詰められる気味悪さ… 「世にも奇妙な物語」にでも良さげな一冊かな? 宇佐美さんのホラーなかなか良い(〃ω〃)

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2023/02/11

宇佐美まことさん 初読みです。 9話収録の短編集 どの物語も淡々と進んで行くが、じわじわと背中に恐怖が近づいて来て 心がざわざわするような感覚に陥ります。 「あなたの望み通りのものを」は「世にも奇妙な物語」の原作になりそうな予感。 印象に残ったのは「悪魔の帽子」「夏休みのケ...

宇佐美まことさん 初読みです。 9話収録の短編集 どの物語も淡々と進んで行くが、じわじわと背中に恐怖が近づいて来て 心がざわざわするような感覚に陥ります。 「あなたの望み通りのものを」は「世にも奇妙な物語」の原作になりそうな予感。 印象に残ったのは「悪魔の帽子」「夏休みのケイカク」「左利きの鬼」 おどろおどろしいホラーではなく、不穏な空気感の中に訪れる静かな恐怖を感じました。 1957年生まれの女性作家さんと言う事で、今後の作品も追ってみたいです。

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2020/10/14

ホラー短編集。どの物語にもじわじわとした不安と違和感、そして恐怖が感じられます。でも怖いばかりでもなく、和まされるようなものも中にはありました。 お気に入りは「城山界隈奇譚」。これは怖いというよりもとにかく、楽しそうだと思ってしまいました。私も塩貝さんとお友達になれそうです(笑)...

ホラー短編集。どの物語にもじわじわとした不安と違和感、そして恐怖が感じられます。でも怖いばかりでもなく、和まされるようなものも中にはありました。 お気に入りは「城山界隈奇譚」。これは怖いというよりもとにかく、楽しそうだと思ってしまいました。私も塩貝さんとお友達になれそうです(笑)。というよりぜひなりたい。 「左利きの鬼」も怖く感じられる部分はあったものの、優しさがあってどこかしらほっとさせられる素敵な物語。謎の正体が明かされる展開にも驚かされました。 一番怖いと思ったのは「あなたの望み通りのものを」。これ、嫌だなあ。嫌なんだけれど……当事者たちにとっては幸せなのでしょうか。それを突き詰めて考えるとさらに怖くなります。

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2019/06/14

少し不思議で少し怖い短編集。でもホラーや怪談という名称でひとくくりにはしたくない、読み応えともの悲しさ、時には闇を運んできます。一編目の表題作の思いがけないラストにググっとつかまれ、あとは夢中になってそれぞれ違った世界に浸りました。一番の好みはその後の気になる「夏休みのケイカク」...

少し不思議で少し怖い短編集。でもホラーや怪談という名称でひとくくりにはしたくない、読み応えともの悲しさ、時には闇を運んできます。一編目の表題作の思いがけないラストにググっとつかまれ、あとは夢中になってそれぞれ違った世界に浸りました。一番の好みはその後の気になる「夏休みのケイカク」と、妙な納得と悲しさの「左利きの鬼」。インパクトが強かったのは背筋に冷たいものが走った「あなたの望み通りのものを」。「城山界隈奇譚」「みどりの吐息」「湿原の女神」も印象深かったです。日本らしい怖さと雰囲気の美しい短編集でした。

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2019/05/21

この作者の短編を読むのは初。 不思議で怖い、9編からなる短編集。 他の作品とは少し印象が異なる。 楽しめはしたのだけれど、正直どの話も余り記憶には残らなそうだ…。 この作家の作品は断然長編の方が好み。

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2018/11/19

宇佐美まこと氏2冊目。9編からなる短編集。 前回読んだ短編集『るんびにの子供』ほど惹かれることもなく読了した。 この作品はSF風なものもあればファンタジー的なお話もありで、 人間の持つ厭らしさの描き方が薄くなった。 その中で『犬嫌い』という話が、 ごく普通に暮らしている人間の弱さ...

宇佐美まこと氏2冊目。9編からなる短編集。 前回読んだ短編集『るんびにの子供』ほど惹かれることもなく読了した。 この作品はSF風なものもあればファンタジー的なお話もありで、 人間の持つ厭らしさの描き方が薄くなった。 その中で『犬嫌い』という話が、 ごく普通に暮らしている人間の弱さや汚らしさを描いている。 これが宇佐美まこと氏作品の醍醐味なのでは。 ただ、図書館好き本好きの私にとって、『城山界隈奇譚』は、 なんだか郷愁を覚え、好きな短編。 松山を舞台にした新作を読むのが楽しみ。 松山に行きたくなる。

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2018/09/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「愚者の毒」と同じ作者だったので。 一編、一編が短いせいかあまり怖くなかった。 印象深かったのは、「左利きの鬼」。 子供と逃げている母親かと思っていたのに、 子供をさらって逃げている女だった。 だらしなく垂れた顔の肉、白髪交じりであか抜けない服装で、 おしろいを必要以上にはたいて赤い口紅をひいた中年女、 50㏄バイクでぶつかってきた女が、 鬼子母神だとも思わなかったし。 全体的にほんのりホラーで軽く読めて良かった。

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2022/07/30

残暑を吹き飛ばすには十分なヒヤリゾワリな短編集。1話、2話…と進むごとに著者の筆が冴え渡り、怖気の中にどれもせつない後味を残していく。 中でも、女の情念と哀愁が絡みつく「みどりの吐息」と母子を見守り導く密やかな存在にジンとくる「左利きの鬼」が格別。「あなたの望み通りのものを」は『...

残暑を吹き飛ばすには十分なヒヤリゾワリな短編集。1話、2話…と進むごとに著者の筆が冴え渡り、怖気の中にどれもせつない後味を残していく。 中でも、女の情念と哀愁が絡みつく「みどりの吐息」と母子を見守り導く密やかな存在にジンとくる「左利きの鬼」が格別。「あなたの望み通りのものを」は『世にも奇妙な物語』の映像化に合いそう。 ハズレなしの贅沢感で満たされる。あぁ、やみつきになる上質な読書タイムだった。

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