未必のマクベス の商品レビュー
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書店で平積み&ポップで激推しされていたので読んでみましたが、私には合いませんでした。 まず、登場人物に人間味が感じられません。クールで格好よく描いているつもりかもしれませんが、一般人なのに人を殺すことへの躊躇のなさや、殺したことに対する恐怖を感じないところ、彼氏が人を殺したというのに全く動じないところなどから、無感情・無表情な人物たちという印象を受けます。 そのため感情移入できる人がまったくおらず、命が狙われていてもハラハラしないし、先の展開を知りたいという欲求が全くわいてきません。 また、人を殺しても動じないような人たちなのに、高校の入学時に友人がマクベスの登場人物に重ねられたという些末なエピソードに囚われているのは、人物像的に整合性が取れていないように思います。そして、それが原因となって本作全体のストーリーの随所でマクベスの影響が出てくるのには、作り手の都合を強く感じてしまいます。 人間味のない人物たちと、マクベスになぞらえた設定・内容から漂う「クールでかっこいいでしょ」臭さが鼻につくのも、本作を受け入れづらい理由かもしれません。言葉は悪いですが、意識高い系中二病、という感じがしました。 世間的には評価が高く、ハマればストーリーを楽しめるのかもしれませんが、私はストーリー以前に人物が魅力的かを重視するタイプのようで、本作のようなタイプは苦手のようです。
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ここ最近読んだ中で一番面白かった。 読み終わった後に、もう一度読み返してみたいと思えるほど。 それほど圧倒的だった。
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さまざまな伏線があったりするけど、私の読解力ではあまり理解できなかった。 みなさん高評価なので、私ももう少し頭が良ければと思ってしまった。 印象に残ったフレーズを記しておきます。 旅に一番不要なものは「慣れ」だと思わないか? 貧しい人を見て、ひとときの哀れみを感じなくなる。ある...
さまざまな伏線があったりするけど、私の読解力ではあまり理解できなかった。 みなさん高評価なので、私ももう少し頭が良ければと思ってしまった。 印象に残ったフレーズを記しておきます。 旅に一番不要なものは「慣れ」だと思わないか? 貧しい人を見て、ひとときの哀れみを感じなくなる。あるいは、指が四本しかない子どもを抱えた老婆を見ても、この街では物乞いもビジネスなんだな、なんて、知ったようなことを考えてしまう。それと同じように、きれいな景色を見ても、ああこんなものか、としか思わなくなる。 だから長い旅はしない方がいい。旅に慣れてしまう前に、一旦、自分の元いた場所に帰ることは、必要だと思うんだ。
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珍しくこの本は所有したいと思える1冊だ。 マクベスに関しては無知だったが、戯曲になぞらえる構成(殺人など含む)と、主人公とそれを取り巻く女性たちの恋模様がミスマッチのようでいて青春、そして大人の恋、愛するということを教えてくれるような気がする。 亡命をすることで名前や家族、顔を失ってしまう。けれど、気持ちだけは失わない。心って便利なんだというのが印象的。 中盤、秘書の森川が鍋島であるのか?そうであればいいのに。などと妄想していると、本当にその展開に。しかし、なかなか森川=鍋島の結論が出ずヤキモキしながら読み進めた。 互いに本音を隠したまま互いを思いやる姿勢、遠く離れていても相手を思い続ける、相手の心に居残り続けること これが本当の愛なのかと。 p582 l9からの一節 それから、本当に我が儘な頼みなんだけれど、ぼくのことを忘れないでほしい。ぼくを捜し出してほしいとも言わないし、森川には、これから幸せな結末を迎える恋をしてほしいと、心から願っている。君が、これから森川佐和として歳をとっても、マクベスとレディ・マクベスだった中井優一と鍋島冬香のことを忘れないでほしい。 これがドンピシャ。
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IT企業プロトコルの中井。 異郷の地で 「あなたは王として旅を続けなければならない。」 と予言めいた言葉を告げられ ストーリーが動きだしたようで、 悲劇はもっと ずっと前から始まっていた。 読んでる間も 読んだ後も楽しめる本は 久しぶりな感じです。 まだ、旅が終わった感じがし...
IT企業プロトコルの中井。 異郷の地で 「あなたは王として旅を続けなければならない。」 と予言めいた言葉を告げられ ストーリーが動きだしたようで、 悲劇はもっと ずっと前から始まっていた。 読んでる間も 読んだ後も楽しめる本は 久しぶりな感じです。 まだ、旅が終わった感じがしないのです。
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600ページ以上の大作 舞台は香港、澳門、東南アジア 読みきれるのか?と心配だったが スタートすると 次が気になる展開の連続 魅力的な登場人物 特に女性の描写が秀逸 なによりもセンスあふれる文体が 素晴らしい やらなきゃならない仕事も差し置いて プライベートのほとんどを費やし...
600ページ以上の大作 舞台は香港、澳門、東南アジア 読みきれるのか?と心配だったが スタートすると 次が気になる展開の連続 魅力的な登場人物 特に女性の描写が秀逸 なによりもセンスあふれる文体が 素晴らしい やらなきゃならない仕事も差し置いて プライベートのほとんどを費やし 読破→満足感
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何かよくわからない始まりだなと思いつつ、マカオのカジノで大勝ちしたあたりから引き込まれていく。高校時代の思い出は、きっとこの物語の核となるだろう伏線とわかる。 突然起きることだらけで戸惑うが、後になって解明されてくるので、不自然さはない。 マクベスはよく知らないが、映画「蜘蛛の巣城」は見たので、どこに何が当てはまるのか考えながら読むのが楽しかった。
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通勤時間にだけ読むつもりだったのに、続きが気になりすぎて休日に一気に読んでしまった。 あっさり人を殺してしまう登場人物たちに共感はできないが、ストーリーはとても面白かったので、伏線を確認するためにもう一回読みたいかも。
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最近読んだ本で1番、読後寝れなくなった。読み直したいというよりも、多くの感情が心に残った。 巻き込まれた時点で悲劇的な結末を迎えるのは避けられないと悟った状態で読み進めるのは辛かった。また、伴に抱かれた想い、由紀子との別れ、鍋島への手紙は自分に重ねてしまい切なかった。 そんな悲劇の中、全てを受け入れた上で由紀子と鍋島という例外を作り出した中井に感服。
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経済小説に見せかけた、初恋小説 難しいビジネス単語が出てくるけど そこそこ理解できる シェイクスピアのマクベスが物語に重要な要素になってる こちらも内容がわからなくても読み進められる 未必:未必の故意という刑法用語の通り、意図的に実現を図るわけではないが、実現されたらされたで...
経済小説に見せかけた、初恋小説 難しいビジネス単語が出てくるけど そこそこ理解できる シェイクスピアのマクベスが物語に重要な要素になってる こちらも内容がわからなくても読み進められる 未必:未必の故意という刑法用語の通り、意図的に実現を図るわけではないが、実現されたらされたで構わない 「必ず殺そうと思ったわけではないけど、死んでしまうならそれはそれで仕方ない」のような
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