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バカになったか、日本人 の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2021/11/04

2011年から14年にかけて、著者がさまざまな雑誌に発表した、社会や政治にかんするエッセイをまとめた本です。 とりあげられている話題は、東日本大震災からはじまって、民主党政権時代から安倍政権へと移り、大阪で橋下徹が「大阪維新の会」を結成するころにいたるまでのこの国の政治などが中...

2011年から14年にかけて、著者がさまざまな雑誌に発表した、社会や政治にかんするエッセイをまとめた本です。 とりあげられている話題は、東日本大震災からはじまって、民主党政権時代から安倍政権へと移り、大阪で橋下徹が「大阪維新の会」を結成するころにいたるまでのこの国の政治などが中心です。 著者の主張やその議論のスタイルなどは、著者に心酔していることで知られる内田樹を思わせるもので、基本的にはおもしろく読みました。ただ、ところどころに視点の鋭さが示されているとはいえ、著者らしい粘り強い議論は見られないことにがっかりしてしまいました。 著者は東日本大震災のときに病気を患っており、地震のときにも不安がる余裕がなかったことから、世のなかの人びととは異なる見かたに立った理由だと述べています。しかしそこから、「いろいろなことを素っ飛ばして物事を簡略化する」という方法に気づいたといい、その有効性について語っていることには、正直なところついていけないと感じます。著者の強みは多くの人びとが「素っ飛ばして」しまう部分にしつこくこだわっていくスタイルだったはずではないかと個人的には感じていたので、本書のように簡単に割り切ってしまう議論の進めかたには、最後まで違和感がのこってしまいました。

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2020/03/01

・事実、大震災の後ー一年後だったか二年後だったか忘れましたが、経済産業省の官僚が自身のブログに「東北の復興なんか無駄だからやめてしまえ」という趣旨のことを書いて、ゴーゴーたる非難を受けました。「第二の戦後が突然やって来た」で書いた通り、津波の被害を受けた岩手県や宮城県の沿岸部は、...

・事実、大震災の後ー一年後だったか二年後だったか忘れましたが、経済産業省の官僚が自身のブログに「東北の復興なんか無駄だからやめてしまえ」という趣旨のことを書いて、ゴーゴーたる非難を受けました。「第二の戦後が突然やって来た」で書いた通り、津波の被害を受けた岩手県や宮城県の沿岸部は、過疎と高齢化が進んだ「復興に要する資金をいくら投入しても、ペイするかどうかわからない地域」です。経済成長を第一に考える経済産業省の官僚なら、「魚獲ってるジーさんたちのことなんかどうでもいいじゃないか!東北の復興なんかやめちまえ!」と言いたくなるようなところで、だから実際そう言ってしまったのでしょうが、国の切り盛りをする官僚だったら、言うべきことはもっと違っていてしかるべきだったと思いますがね。イライラを黙って我慢して「公」なることをするのが官の僚でしょうに。 ・悲しい前にくやしい。悲しんだ後でもくやしい。なぜくやしいのかと言えば、それが「どうにもならなかったこと」だから。そのどうにもならない状況を、日本人は「無常」という言葉で処理して来た。どうにもならない状況の前に膝を屈して「無常」という言葉が救ってくれたわけではないけれど、立ち直るきっかけだけは与えてくれた。どうしてかと言えば、「無常」という認識が、「それはお前のせいではない」と教えてくれて、「誰もが出遭うような悲劇の一つだから嘆くな」と言ってくれるからだろうと思う。 「無常」はなにも救わない。しかし「無常」は、一人の人間の中に留まったまま害をなす「悲しみ」を外に押し出してくれる。「それはあんただけじゃない。みんなそうだ」と言って。「大震災の記憶を風化させるな」というのは、「そのくやしさ、悲しさを心の奥で共有しよう」ということではないのかと、私は思う。 ・なにしろ「初めに結論ありき」なのだから、揺らがない。揺らぐと、「俺たちの今迄はなんだったんだ?」で、関係者一同が自己崩壊を起こしてしまうらしく、その防御作用はとても固い。でもそんなことより、「危険は危険なんだからなんとかしてくれ」であってしかるべきですけどね。 「初めに結論ありき」の国では、危機対策が中途半端にしか出来ません。なにしろ初めに「結論」と言う形で全体像を想定しちゃっているんだから、その範囲を超えた事態なると、もうなんともならない。危機に直面した現場で体を張っている人にすべてをまかせるしかなくなってしまう。「まかせる」ならまだいい表現だけど、実態は「丸投げ」に近くなる。

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2019/11/17

橋本治さんの筆がノリにのってる時に書かれた本からいきなりこれを読むと、大分歳を召されたのだと感じざるを得ない文な気がしてしまうのですが、鈍くボヤけたわたしの頭にクリアな補助線を引いてくれるには十分な鋭さであることに変わりはなかった、という感想。 日本の政治の劣化の所以を記してく...

橋本治さんの筆がノリにのってる時に書かれた本からいきなりこれを読むと、大分歳を召されたのだと感じざるを得ない文な気がしてしまうのですが、鈍くボヤけたわたしの頭にクリアな補助線を引いてくれるには十分な鋭さであることに変わりはなかった、という感想。 日本の政治の劣化の所以を記してくれた本なのですが、さればどうしたら良いのだろう?何かを大きく動かすには人一人の力が余りに無力でどうしよもなくてずるずる劣化の劣化を見過ごしてるこの無常感と言うか無情感というか。 どうしたらいいんだろう、誰もが思い、誰もが足掻いてる。多分もう取り返しがつかないところまで行きついて、外部からの危機にさらされない限り我々は何もできないんだろう。 私は…今教育という機関で、それが引き延ばされるように、考えられる力がつくように、未来が自分の思うより良いものに変わるように、足掻いてる。答えが見えないから、当面できることを、出来るだけ。 自分は無力だと、思い知らされた。

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2019/06/08

今年,2019年1月。惜しまれて亡くなった橋本治氏。 その彼が,2011年の東日本大震災の激しい揺れの中で考えたこと,感じたことからぼつぼつとを語り始め,2014年安倍政権の安保法制の強行採決あたりまでをあれやこれやと語っている。 彼も「この本の元になっている原稿は,『その時』...

今年,2019年1月。惜しまれて亡くなった橋本治氏。 その彼が,2011年の東日本大震災の激しい揺れの中で考えたこと,感じたことからぼつぼつとを語り始め,2014年安倍政権の安保法制の強行採決あたりまでをあれやこれやと語っている。 彼も「この本の元になっている原稿は,『その時』という現場に居合わせたリアルタイムの声です。」と言っているように,その時々に雑誌などに掲載された文章をまとめたものになっているが,私も「その時」を同時代として経験してきた者として,まさに「その時」がリアルに思い返され,その時の社会の緊迫感,街のにおい,人々の体臭,風の冷たさ,雨の激しさ、あるいは社会のバカバカしき雰囲気なども生々しく蘇ってきた。 とはいえ,彼の「その時」の「リアルタイムの声」は,その時に留まらぬ,社会や私たちに対する普遍的な問いかけを含んでいて,この意味で古びていない。確かに,現れてくる事象は過去のものになっていくけれど,この本はしかしいつまでも,私たちにリアルタイムの問いかけをし続ける役割を果たすだろう。「ぼくがあれを書いてから,ン十年も経ったのに,まーだそんなバカなこと続けてんの?君たちもそーとーバカだよね。いい加減に目を覚ましたら?」と。 先ごろ,ある国会議員が北方領土に訪問した折,酔っ払って,領土を戦争で取り返すしかないんじゃないかなどいう愚言を吐いて問題になっている。彼の発言がバカげているのは言うまでもないが,彼を糾弾する決議をした衆議院が,彼の行為は本院の権威と品位を失墜させたと言った。これまで長きに渡って,様々な国会議員がいろいろと品位なきことをやってきて,品位もへったくれもあったものじゃない状況が散見されたのに,ここへきて,権威やら品位やらを持ち出してきて一人の国会議員に進退を迫るということに,私は驚いたし,バカバカしいと思った。 橋本治さんなら,何と言うだろう。

Posted byブクログ

2019/03/03

20190303 先月亡くなった。これまで余り読んでなかったので今の日本をどう思っていたかの興味から読んで見た。期待通り、冷静な考察が続いていて読んでいてブレ無い。この先の日本を観たかったとは思わないが本書で実名で登場する政治家はこの本を読んで自分の進退を考える参考にしてもらいた...

20190303 先月亡くなった。これまで余り読んでなかったので今の日本をどう思っていたかの興味から読んで見た。期待通り、冷静な考察が続いていて読んでいてブレ無い。この先の日本を観たかったとは思わないが本書で実名で登場する政治家はこの本を読んで自分の進退を考える参考にしてもらいたい。

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2018/11/27

 橋本節を久々に堪能。4年ほど前の本。小型集団ですら、「日本化」している気がする。リーダーの立場は中々にないような・・。すぐモデルケースを探してしまうのも良くないが、一方で初動を自ら起こす勇気もない・・。現状打破のポイントは何か?お笑いか?退行か?などと想いをめぐらす。そして酒飲...

 橋本節を久々に堪能。4年ほど前の本。小型集団ですら、「日本化」している気がする。リーダーの立場は中々にないような・・。すぐモデルケースを探してしまうのも良くないが、一方で初動を自ら起こす勇気もない・・。現状打破のポイントは何か?お笑いか?退行か?などと想いをめぐらす。そして酒飲んで寝てしまう。

Posted byブクログ

2018/03/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

政治のことや震災のことなど忘れていることばかり。 今、読売新聞に連載されているこの方の「金色夜会」が面白いので、つられて読んだ。

Posted byブクログ