トラクターの世界史 の商品レビュー
トラクターの発展史である。そして政治体制やイデオロギーとの関係でトラクター=これからの世の中を変えていく「未来」としてどのように扱われたのかを解説しており、著者の巧みな語り口で読ませていく。めちゃ面白い。 共産主義のプロパガンダや集団農場体制でのトラクターの扱われ方が、共産味がド...
トラクターの発展史である。そして政治体制やイデオロギーとの関係でトラクター=これからの世の中を変えていく「未来」としてどのように扱われたのかを解説しており、著者の巧みな語り口で読ませていく。めちゃ面白い。 共産主義のプロパガンダや集団農場体制でのトラクターの扱われ方が、共産味がドバドバ出てて笑える。
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「世界史」「人類の歴史を変えた」となると大仰だな、といった印象だが、内容的にはまちがいではない。 トラクターの歴史から、世界諸国でどのように供給されひとびとに受け入れられてきたか、もしくは拒絶されてきたか、などが書かれている。 私自身はトラクターとは無縁である。親族に建設機械メ...
「世界史」「人類の歴史を変えた」となると大仰だな、といった印象だが、内容的にはまちがいではない。 トラクターの歴史から、世界諸国でどのように供給されひとびとに受け入れられてきたか、もしくは拒絶されてきたか、などが書かれている。 私自身はトラクターとは無縁である。親族に建設機械メーカーの人間はいるが、その程度。なので、当然ながら知らないことばかりが載っており、興味深かった。 最初期のトラクターは、労働からの解放もアピールされていたそうである。それまでは男の作業であったが女でも耕すことができる、ということで女性解放的な意味合いさえあったという。しかしそれも、ソ連はいいとしても中国ではうまくいかなかった、など国によるちがいはある。 そのようなディティールも足早ながら描かれており、丁寧な著作。
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※このレビューにはネタバレを含みます
自分と興味の方向性の違う本を人におススメ頂くのが大好きで、本書も人におススメいただいた本です。 「トラクターの世界史」・・・文字通りトラクターの登場の背景から現在、そして未来への流れについて書かれた本です。自分では絶対に手に取らない種類の本ですが、興味深い内容でとても面白かったです。 19世紀半ばごろの欧米で、蒸気機関型のトラクターや脱穀機が生産されはじめましたが、当初は重量が重く、石の橋でも重量に耐えられず崩落事故が多発し、また、爆発事故も多くトラクターは危険なものでした。 それでも人がトラクターを求め続けた理由は、役畜の世話、長時間の農作業などから解放されたかったからです。 実際にトラクターの登場により農作業は効率化され、人は時間的拘束から解放され様々な自由を手にすることが出来ました。 ただし、家畜を手放したせいで肥料を生み出さない、牧草の代わりにガソリンと潤滑油を購入品けれればならない、怪我をしやすい、というリスクが新たに浮上します。 さらに、糞尿が出ないため、農家は化学肥料も購入することになり、空いた時間で別の仕事をして稼がなかればならない羽目に陥ったり、もちろんトラクター導入のためにローンを組み、機械化貧乏の道を歩む農民も多く輩出します。 これだけでもデメリットがかなりあるという印象でしたが、話しはそれだけで終わりません。 ダストボウル(砂の器)という、化学肥料の多投とトラクターの土壌圧縮によって、土壌の団粒構造が失われ、サラサラの砂塵となり(砂漠化)、それが風にあおられて空を覆う。 当時は黒い雲、赤い雪が降り、大きな被害となったそうです。現在でも土壌浸食が起きた土地は手放され、別の土地を求める、という手法は現在に至るまで続けられていて(特にアフリカで)深刻な問題であり続けいるそうです。 現在のトラクターは農業のさらなる合理化が叫ばれる21世紀において、無人化の研究が進んでいるそうです。 人間が機械を通じて自然界や人間界とどう付き合っていくべきか考えされられました。 砂漠化、待ったなしの深刻な状況ですね・・・。
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なかなかマニアックな内容。トラクターの技術が戦車に応用されていたとは驚き。日本のトラクター界を牽引してきた方々に西日本出身者が多いのが興味深い。
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ヤンマーに繋がる人に資産家が通帳を渡して好きに使えと言ったというエピソードが載っていた。剛毅だね。 トラクターの構造を細かく説明しておらず今一内容を理解できず。 https://seisenudoku.seesaa.net/article/502398618.html
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トラクターという存在が歴史的にどういう立ち位置だったのか分かる。 「〜の歴史」という本が好きですが、この本もどストライクでした。というか、参考文献がめちゃくちゃ多いです。これほどの量があるのに、新書として読めるという点が筆者の凄まじい努力が伝わります。 トラクターが世界大戦の際...
トラクターという存在が歴史的にどういう立ち位置だったのか分かる。 「〜の歴史」という本が好きですが、この本もどストライクでした。というか、参考文献がめちゃくちゃ多いです。これほどの量があるのに、新書として読めるという点が筆者の凄まじい努力が伝わります。 トラクターが世界大戦の際に戦車に派生し、世界恐慌の一要因になり、またソ連の集団農業を進めることになる。 個人的に興味深かったことは、戦時中の人々のトラクターの見方である。 男性陣が戦場に駆り出され、農業人口が減ってしまった時に、トラクターが農作業を効率化したこと、また、トラクターという機械に慣れておくことが、戦場での応用に効くと国が考えていたこと。 世界史を一通り学んでも、何か一つのものの視点から見る世界史もすごく違っていて面白い。 次は何の歴史の本を読もうかな。
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トラクターという切り口で、世界の農業や政治の変化を語るというのが何と言っても面白い。 田舎の本家筋が農家だったので、トラクターもあったのを記憶しているが、こういう歴史があったのかと、ちょっと感動。
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『#トラクターの世界史』 ほぼ日書評 Day402 先週紹介した『農業と戦争』の著者による一冊。こちらの方が、読み物としては断然、面白い。 乗用車普及の立役者といえば、T型フォードというのは誰しも知る話だが、トラクターを普及させたのも同社であることはあまり知られていない。ち...
『#トラクターの世界史』 ほぼ日書評 Day402 先週紹介した『農業と戦争』の著者による一冊。こちらの方が、読み物としては断然、面白い。 乗用車普及の立役者といえば、T型フォードというのは誰しも知る話だが、トラクターを普及させたのも同社であることはあまり知られていない。ちなみにトラクターの発明者は時代に先駆けすぎた、それでは曳航を得られなかったが、後に洗濯機を発明して富を得たそうだ。 ともあれ、フォードのトラクター「フォードソン」は、T型にも通ずる低価格設定で、一時期、何と77%という信じがたい市場シェアを取った。 一方で、その急速な普及の背景には、第一次世界大戦に多くの男性「農業」労働者と、資材運搬目的で(犂を曳く)馬とを多数徴用されたことがある。 資本主義の落とし子ともいうべきフォードソンは、農場での生産効率向上のため、国策としてソ連が輸入したというのは歴史の皮肉か。 トラクター台数で見るとアメリカが一貫して頭抜けているが、単位面積あたりで見た場合には日本が2位を3倍ほども引き離してダントツTOPなのは興味深い。このあたりにも農協経由でないシェアリングエコノミーの参入余地が大きいのではないか。 豆知識ネタとしては、小林旭の歌で知られるヤンマーの『赤いトラクター』と、同社のテーマソング『ヤン坊マー坊』の作詞はいずれも米山正夫(三百六十五歩のマーチが代表作)によるもの。 https://amzn.to/3nRnW9r
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世界の農業従事者憧れトラクター。第一次世界大戦ではトラクターのキャタピラ技術が戦車に転用される悲しい歴史も。ランボルギーニ社がトラクターメーカーでフェラーリの会長に相手にされず対抗心でスポーツカーを作ったのは知っていましたが、米フォード、伊フィアット、仏ルノー、独ポルシェの有力自...
世界の農業従事者憧れトラクター。第一次世界大戦ではトラクターのキャタピラ技術が戦車に転用される悲しい歴史も。ランボルギーニ社がトラクターメーカーでフェラーリの会長に相手にされず対抗心でスポーツカーを作ったのは知っていましたが、米フォード、伊フィアット、仏ルノー、独ポルシェの有力自動車メーカーがトラクターを製造していたのは驚きでした。GPS無人運転技術で人手不足問題は解消できるかは微妙のようです。
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とても面白い。大げさではなく、人類の歴史を根底から変えた技術、トラクター。 馬や牛といった動物を使った耕耘で実現していた有機物の循環を断ち切り、よそから化石燃料を持ち込み、動物は単純に食べ物になった。このことの意味は大きい。 また、農業経営の形態も、家族経営から集団化経営の夢を見...
とても面白い。大げさではなく、人類の歴史を根底から変えた技術、トラクター。 馬や牛といった動物を使った耕耘で実現していた有機物の循環を断ち切り、よそから化石燃料を持ち込み、動物は単純に食べ物になった。このことの意味は大きい。 また、農業経営の形態も、家族経営から集団化経営の夢を見させたという点で、大きく変わった。 林業についても、多くの示唆を与えてくれる一冊。
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