崩れる脳を抱きしめて の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
【あらすじ】 広島から神奈川の病院に実習に来た研修医の碓氷は、脳腫瘍を患う女性・ユカリと出会う。外の世界に怯えるユカリと、過去に苛まれる碓氷。心に傷をもつふたりは次第に心を通わせていく。実習を終え広島に帰った碓氷に、ユカリの死の知らせが届く――。 彼女はなぜ死んだのか? 幻だったのか? ユカリの足跡を追い、碓氷は横浜山手を彷徨う。そして、明かされる衝撃の真実!? どんでん返しの伝道師が描く、究極の恋愛×ミステリー!! 【感想】 こんな物語は初めて読んだ。読み終えて本を胸に抱きしめた。ぐっと堪えていないと泣きそうになるくらい心を強く揺さぶるものが、この本にはたくさん秘められていた。ずっと手元に置いておきたい本だと思った。わたしはこれを大切な人に買ってもらった。だから余計にそう思ったのかもしれない。この本は一生大事にしたい、何度も何度も、繰り返し読みたい、と。 ウスイ先生とユカリが出会ったのは運命だったんたと思う。ウスイ先生は純粋で優しくて、自分を顧みずに誰かのためなら何だってする人だ。そんなウスイ先生を見ていると、その人柄の真っ直ぐさに好感を持つと同時に、少し心配にもなる。だからだろう。ユカリは、自分を蝕む病魔を気にしてないように見せて、ウスイ先生の心にあどけない笑顔を見せて近づいた。そして、その作戦は見事に成功し、ウスイ先生はユカリにどんどん惹かれていった。ユカリが、ウスイ先生を縛っていた苦しみを解き放つ手助けをしてくれた。自分も十分苦しんでいたはずなのに。わたしはそのウスイ先生に対するユカリの積極的な行動力がすごいと思ったし、こまでする理由がわからなかった。でも、事実、ユカリのその必死の努力のおかげでウスイ先生は救われた。その代わり、ウスイ先生は、ユカリという大事な存在を失った。こんな悲しすぎることってあるだろうかって思った。胸が締め付けられた。だけど、腐れ縁の冴子が何度もウスイ先生の背中を押してくれて、ユカリがどんなふうにして亡くなったのか何かを遺さなかったのか、ウスイ先生はその真相を探るために必死でいろんなところを這いずり回った。今までのウスイ先生では考えられないことだった。その血眼なところが、ユカリに対するウスイ先生の気持ちの大きさだと思った。それだけウスイ先生はユカリのことを想っていたんだなと思った。そして、すべてのことがわかった時―。ウスイ先生は自分の思いをいろんな人にぶつけ、間違いをすべて正した。そして、本当のユカリに会いに行き、想いの丈を伝えた。今までのウスイ先生には考えられないような行動力だった。それも全部、ユカリと出会ったからユカリと出会ったことで変わったことだと思った。ユカリは躊躇ったけれど、ウスイ先生は折れなかった。絶対に負けなかった。ユカリはウスイ先生の気持ちを受け入れた。その瞬間、わたしは心の奥底から幸せな気持ちで心がいっぱいになった。ウスイ先生の凄まじい愛の努力が今、満たされた気がした。ウスイ先生はこれからきっと本当に愛する人と本当の恋をすることができると思う。ユカリも同じだ。わたしも、ずっと本当の恋をしていたい。こんなふうに、お互いを求め合い、どんなことがあっても結ばれていたい。ウスイ先生とユカリがもう一度出会うことができて、本当によかったと心からそう思った。この物語に出会えて本当によかった。
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研修医と余命いくばくもない脳腫瘍患者。心に傷を持つ同士、いつしか心を通い合わせて…てな単純なラブストーリーじゃ終わらない、そりゃそうだ、知念さんだもん。 なるほど、そういうことだったのか、と膝をポン。小さな違和感は大きなトリック。そうかそうか、と大きくうなずく。一つ気になるところ...
研修医と余命いくばくもない脳腫瘍患者。心に傷を持つ同士、いつしか心を通い合わせて…てな単純なラブストーリーじゃ終わらない、そりゃそうだ、知念さんだもん。 なるほど、そういうことだったのか、と膝をポン。小さな違和感は大きなトリック。そうかそうか、と大きくうなずく。一つ気になるところはあるけれど、それはそれとして最後まで油断禁物。
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