三度目の殺人 の商品レビュー
映画は見ていないが、タイトルが気になり読んでみた。殺人の前科がある男が再び殺人を起こし、その弁護に当たる弁護人の重盛。同じ弁護士事務所の弁護士の摂津、川島とともに、三隅の動機や、事件の真相などについて調べるのに北海道へ出向く。そこで真相を追ううちに、女子高生が事件に関する何かを知...
映画は見ていないが、タイトルが気になり読んでみた。殺人の前科がある男が再び殺人を起こし、その弁護に当たる弁護人の重盛。同じ弁護士事務所の弁護士の摂津、川島とともに、三隅の動機や、事件の真相などについて調べるのに北海道へ出向く。そこで真相を追ううちに、女子高生が事件に関する何かを知っているのではないかなど、二転三転するが、三隅へ死刑判決を下され、重盛は司法制度、果たしてこれで良かったのか真相は何かなど自責の念に駆られ、人を裁くとは何かなどが突きつけられた思いだろう。
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重厚感ある心理戦…を期待していたら、淡々と月日が流れて淡々と裁判。 あんまり悲壮感もないし…弁護士の家庭環境とかたまり関係ない話も出て来てなんとかしてボリュームを出そうという感じが見えてしまった。
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映画を観て、もっと理解したいと思い読む。 まぎれもなく三隅が社長を殺害したのであり(咲江説はなくなった)そして無期懲役になる犯罪をあえて三隅の希望に従って”死刑”にしたことが”三度め”の殺人なのだろう。 でも、ここでなぜそこまで咲江をかばう?娘を不幸にしてしまった罪ほろぼし?でもじゃあ、なぜ北海道で取立てやのふたりを殺したのか?この時もなにか事情があったのか、 役所広司が人徳者にみえるからついそんな風に思ってしまう。 ほんとうの罪とは、誰を裁くのか、何を裁くのか、 いろいろ考えさせられた。
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映画の小説版として書き下ろされた作品のようなので、正確には違いますが、タグは「映画化」にしてあります。 CMを見て気になってはいますが、映画は観ていません。 強盗殺人の疑いで起訴された三隅。 被害者は解雇された勤務先の社長である山中。 怨恨の線で情状酌量を狙う弁護士の摂津・重盛・川島。 しかし、三隅は証言を二転三転するような人物で、しかも30年前にも強盗殺人事件を起こしており、現在、仮釈放中という状態。 三隅と面会する度に、翻弄される重盛。 果たしてこの事件の真相は・・・? <以下、ネタバレです。> 結局のところ、真相は分からずじまい。 謎の微笑で重盛を煙に巻く三隅。 山中社長の娘である咲江も、嘘つきの傾向が見られるために、事件についての証言も全面的には信用できない。 咲江の母も、やましい事があるために、真相を語らず。 30年前の事件でも、犯行の動機は明確になっていない事を考えると、三隅は"器"であり、誰かを助けるために殺人者となった。 ・・・と信じたい。 でも、単に"殺人衝動をもった人間"という可能性もある訳ですが。 「ここではだれも本当のことを話さない」 真実は明らかにされないまま、裁き裁かれるという現実。 法廷戦術・訴訟経済等々、ちょっと薄ら寒いものを感じますね。 なかなか面白い読み物でした。
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ミステリーを読むとき、私は最後まで真犯人やオチが分からないことが多いけれど、この話は途中でなんとなく予想がついた。 話の鍵を握る女子高生の告白が少し唐突に思えた。もしかしたら真実ではないのかもしれない…そういう疑いも読者に持ってほしいのかな。。 個人的には、読者の想像に委ねるより、作者なりの結論を描いてくれる話の方が好きなので評価は低め。
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過去にもヴェネチア国際映画祭やカンヌ国際映画祭で様々な賞を受賞し、今回の「三度目の殺人」でもヴェネチア国際映画祭コンベンション部門に出品された著者の作品。 国選弁護人として殺人犯の弁護を担当する同僚を手助けすることになった、弁護士の重盛を中心に話はすすんでいく。 ある食品加工会社の社長が夜中の河川敷で、背後からスパナで後頭部を強打され殺害され、遺体は河川敷でガソリンをかけられ焼かれ、持っていた財布も奪われる。その遺体の形はまるで意図的に十字架にされたようだった。 その殺人事件で逮捕され、自白もしている殺人犯の三隅は、30年前にも二人を強盗殺人の末、家ごと放火して燃やしてしまい、無期懲役の判決がくだり、仮釈放がでていた。検察も弁護人も殺人の有無を争うのではなく、量刑について裁判で争うことになっていた。 しかし、殺された社長の妻から殺人依頼ともとれるお金の受け渡しの証拠となるメールや、食品偽装の疑い、近親相姦等の証言や三隅の本来の生活態度をもとに、当初ほぼ確実に死刑が濃厚だと思われた量刑に無期懲役の道が見えてくる。 そんな中、これまで自白していた三隅の証言が急に変わり、無罪を主張し始める。 殺害の本当の理由は何なのか、本当は誰が殺したのか、なぜ三隅は殺害を自白していたのか、本当に裁かれないといけない人とは、誰が決めるのか。 まだ映画は見ていないけど、見てみたくなるような内容で、どんどん読み進められた。人が人を裁くとはどういうことなのか、真実の裏にある人の心情、守りたい人のことを深く考えさせられた。
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これといって心動かされたり、驚いたりするような事もなく、淡々と。終わってしまった。 訴訟経済のパートは唸るものがあったけど、それを本物っぽく思わせてくれる筆力に欠けていて入り込めなかった。映画だとまた違ったのかもしれない。
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裁判について深く考えたことがなかった。本当のことをあばくものだと思い込んでいた。 そこでは 「真実」よりも「法廷戦術」や「訴訟経済」が重要視されていたりするんだろうか?さらに、「だれを裁くのか」さえ誰かの意思が入り込む余地があるだなんて! 映像が目に浮かぶような語り口でしたが、...
裁判について深く考えたことがなかった。本当のことをあばくものだと思い込んでいた。 そこでは 「真実」よりも「法廷戦術」や「訴訟経済」が重要視されていたりするんだろうか?さらに、「だれを裁くのか」さえ誰かの意思が入り込む余地があるだなんて! 映像が目に浮かぶような語り口でしたが、映画も観てみたいです。
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真実よりも減刑のため、周りの人が描いた絵で進められていく。現実はそうなんですね。坦々と進められて、どうも物足りなかったな。書く人によってはずーんとくるものが書けるのでは。最初に映像があるっていう読み物は、こんなもんでしょうか。 真実は明かされず闇の中だ。
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