文明の衝突(上) の商品レビュー
発刊当時(1998年)、大きな話題を呼んだ国際政治学者のサミュエル・ハンティントン氏の民族や宗教や地政学に基づく未来予測書。 文明は7つ乃至は8つに分けることができ、さらに文明を西洋対非西洋という構図に整理することができ、将来的には非西洋文明にパワーシフトが進み、文明間の衝突が加...
発刊当時(1998年)、大きな話題を呼んだ国際政治学者のサミュエル・ハンティントン氏の民族や宗教や地政学に基づく未来予測書。 文明は7つ乃至は8つに分けることができ、さらに文明を西洋対非西洋という構図に整理することができ、将来的には非西洋文明にパワーシフトが進み、文明間の衝突が加速する分析をしている。 「リベラルな民主主義」が勢力を伸ばすと予想した「歴史の終わり」に対し、本書は文明間の分断を指摘し、ふたつとも多岐に渡る深い造形に基づいた論理展開で、どちらが正否ということではなく双極に大きく揺れ動き混沌としながら人類は進んでいるという印象を受ける。 30年近く前の本で特定の時点の話なので読みが外れている部分もあるが(ウクライナ、台湾、朝鮮半島など)、西洋と非西洋との文明の衝突はまさに今起こっている事であり、歴史の大局観を掴める本である。
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文明の衝突について、中世〜現在のスパンで様々な視点から論考している。 世界を捉えるいくつかのパラダイムについても比較検証しており、その中で文明パラダイムの整合性を主張している。 大枠では非常に有効な主張に思える。 簡潔にまとまっているのは『文明の衝突と21世紀の日本』
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125ページの西欧化と近代化のグラフに対する、解説が面白い。 例えば、各都市のまちのあり方が西欧化や急激なモータリゼーションを受けていると見立てたら、この先、各地域が文化をベースとしたアイデンティティの再獲得や都市間の均衡するあり方に対する方法論や課題解決策が各国の動向に重ねて...
125ページの西欧化と近代化のグラフに対する、解説が面白い。 例えば、各都市のまちのあり方が西欧化や急激なモータリゼーションを受けていると見立てたら、この先、各地域が文化をベースとしたアイデンティティの再獲得や都市間の均衡するあり方に対する方法論や課題解決策が各国の動向に重ねて見えてくることになる。 グローバリゼーションやデジタライゼーションによって地政学的な位置付けは溶けていく部分はあるだろうが、こんな読み方も面白いかもしれない。
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もう20年以上の前の本なのに、歴史を踏まえて、見事に今を予見している名著。細かな数字の予想は違っているにしても、方向性はピタリと合っている。 かつて、日本語は母国語で高等教育が受けられる稀有な言語などと言われていたが、本書で記されているように、イスラム圏ほか各地の文化圏で母国語...
もう20年以上の前の本なのに、歴史を踏まえて、見事に今を予見している名著。細かな数字の予想は違っているにしても、方向性はピタリと合っている。 かつて、日本語は母国語で高等教育が受けられる稀有な言語などと言われていたが、本書で記されているように、イスラム圏ほか各地の文化圏で母国語での高等教育がなされるようになれば、文化の多様性が世界に大きな影響を与えてくるに違いない。 2050年にはアジアのGDPが世界の50%に達するという見方もある。その時、「他国にたいして率直に批判したり評価を下しったりすることをあまりしない」というアジアの文化と「何をするべきで、何をしてはならないとか、何が正しくて何が間違っているかといったことを、相手に向かって言う権利があると思っている」西欧文化、それとはまた異なるイスラム文化はどう共存していくのだろうか。 下巻も楽しみ。
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冷戦後の世界をおもに「宗教」「民族」からなる「文明」という切り口で予言、解説。9.11から続くアフガニスタン紛争やイラク戦争を予見したものとして名高い。 個人的には本書の内容が自己成就的に達せされているようにみえるトルコに関する記述に興味を惹かれた。あとタイムリーにリトアニ...
冷戦後の世界をおもに「宗教」「民族」からなる「文明」という切り口で予言、解説。9.11から続くアフガニスタン紛争やイラク戦争を予見したものとして名高い。 個人的には本書の内容が自己成就的に達せされているようにみえるトルコに関する記述に興味を惹かれた。あとタイムリーにリトアニア(2018/10/16現在) ウクライナークリミアはEUの失政かな。
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最初にでてから20年近く経ってるから、読者はここで提示された問いの幾つかについて、既に答えが出たことを知っているわけですが、そもそも論として、欧州とアメリカ合衆国は別の文明とするべきなのではないだろうか?より正確には、カナダとアメリカ合衆国と英国で一つの文明。大陸欧州で一つの文明...
最初にでてから20年近く経ってるから、読者はここで提示された問いの幾つかについて、既に答えが出たことを知っているわけですが、そもそも論として、欧州とアメリカ合衆国は別の文明とするべきなのではないだろうか?より正確には、カナダとアメリカ合衆国と英国で一つの文明。大陸欧州で一つの文明。こうすることにより、近年(この書がでてから)起きた幾つかの出来事についての説明がより容易になるように思われる。 本書で提示されたように、ウクライナは分断国家であり、トルコはイスラム国家として再定義を推進し、そして、本書の提示とは逆に、メキシコの北米文明研への再定義はアメリカによって拒絶された。英国のEU離脱は、英国が北米=英国文明圏と大陸欧州文明圏により分断されているとした方が説明がつきやすい。 「西欧文明の東の境界線」をハプスブルク帝国と、オーストリア・ハンガリー、チェコスロバキア、ポーランド、ドイツ東部の国境地帯とする(要は、ローマカトリック&プロテスタントと東方正教会の境界)のはとても納得がいった。 あと、しょせん欧米の人から見ると、日本はそんな扱いかぁ。とか。
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元々1998年と、20年も前に書かれた本なのですが、あたかも2017年の今を書いている様な内容。怖い怖い。だって、本当に、書かれている様に物事が進んでいる。 20年前の時点で、いまが見えていたとは、サミュエル・ハンチントン恐るべし。2008年に逝去しているけど、仮に2017年を...
元々1998年と、20年も前に書かれた本なのですが、あたかも2017年の今を書いている様な内容。怖い怖い。だって、本当に、書かれている様に物事が進んでいる。 20年前の時点で、いまが見えていたとは、サミュエル・ハンチントン恐るべし。2008年に逝去しているけど、仮に2017年を彼が居たら、未来に何があるとみるのか気になります。サミュエルが見ても、2017年より先にも未来があると嬉しいな。
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