つぼみ の商品レビュー
『スコーレNo 4』のスピンオフと思い読んでいたので、4話目を読みながら「これって誰のはなし?」から抜けたせずに最後まで入り込めずにいた。思い込みはいけませんね。 スピンオフは前3話のみ。 和歌子さん、父親の元恋人、紗英の3人が主人公。 個性的な七葉や祖母、影の薄い父親が主人公の...
『スコーレNo 4』のスピンオフと思い読んでいたので、4話目を読みながら「これって誰のはなし?」から抜けたせずに最後まで入り込めずにいた。思い込みはいけませんね。 スピンオフは前3話のみ。 和歌子さん、父親の元恋人、紗英の3人が主人公。 個性的な七葉や祖母、影の薄い父親が主人公の話も読みたかったが、まさか父親の元恋人とは…。 スコーレからの物語世界が隅々まで立ち上がってくることに驚く。 スピンオフではないとわかった後半2話、とても良かった。
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図書館で借りた本。 連続した短編だと思ってたら、繋がっているのは最初の3つだけで、他の方の感想を読んだら、別の本のスピンオフなんだって。だからなんだかぼんやりして他のかと納得。本編を読んでみたくなった。
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やはり宮下奈都だ。 六の短編でできてる。 普段は意識しない無意識の底にある感情、意識というのは何層もあって、学んだけどかなり、漢字変換ややこしい 例えばアラヤシキとか。 その奥底の何気ない気持ち。 何と語彙の貧困さ!」 その自分では表現できない気持ちを きちんと文章で表してくれる...
やはり宮下奈都だ。 六の短編でできてる。 普段は意識しない無意識の底にある感情、意識というのは何層もあって、学んだけどかなり、漢字変換ややこしい 例えばアラヤシキとか。 その奥底の何気ない気持ち。 何と語彙の貧困さ!」 その自分では表現できない気持ちを きちんと文章で表してくれる 「そう、そうなのよ」わかってくれてありがとう〜 やさしいー
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短編集です。「スコーレNo4」の登場人物が出てきますが、後日談ではありませんでした。 ゲームでよくあるサイドストーリーのようなものでした。 日常のような話なのに、何故か続きを読みたくなる話でした。普段の生活の中にも物語はあると思わせてくれる作品でした。
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「スコーレNo.4」にとても感動してしまって続けて手にしたスピンオフ作品でした。スピンオフ、日本語にすると派生作品という感じになるようですが、作者にそのオリジナル作品を愛する気持ちがなければそもそも生まれなかったでしょうし、また読み手もそのオリジナル作品があったからこそ手に取ると...
「スコーレNo.4」にとても感動してしまって続けて手にしたスピンオフ作品でした。スピンオフ、日本語にすると派生作品という感じになるようですが、作者にそのオリジナル作品を愛する気持ちがなければそもそも生まれなかったでしょうし、また読み手もそのオリジナル作品があったからこそ手に取るという部分もあるでしょう。これはもう相思相愛の賜物といったところでしょうか。読者にとっては楽しい時間を過ごせることを約束された作品と言えるかもしれません。 この作品は6編から構成されていますが、予想外に「スコーレ」とつながりがあるのは最初の3遍のみでした。麻子の叔母、そして妹の紗英が登場します。街の情景の描き方など、「スコーレ」に近い雰囲気が出ていてとてもいい感じ。また、宮下さんの作品では、必ず何かお仕事風景が出てきますが、この3遍を繋いだのは活け花でした。 「スコーレ」を読んだばかりということもありますが、名前が登場した瞬間に作品世界に入っていけるのがスピンオフものの醍醐味。中でも3遍目の〈まだまだ〉が気に入りました。三人姉妹の末っ子として、一番下の立場で面倒を見てあげなきゃと思われる存在の紗英、家族からは『紗英はお豆さんだからね』といつも可愛がられている存在。世の中ではいっ時『自分探しの旅』というもの、もしくは言い方をよく聞いたことがありましたが、『私のまだ見ていない私がどこかにいるのかもしれない。でも知らない私を探したくはない。ペダルを強く踏み込みながら、それだけは思う。探すより、なりたい。こんなひとになりたいと願う。その気持ちのほうが大事だ。』紗英の考え方は真逆です。なりたいと思う自分になりたいと願う紗英。習い出した活け花でも型にはまった活け方を嫌い、あくまで自己流を目指します。でもなかなかに上手くできない自分に悩む紗英。それに対して祖母は言います。『型があるから自由になれるんだ。型があんたを助けてくれるんだよ。いちばんを突き詰めていくと、これしかない、というところに行きあたる。それが型というものだと私は思ってるよ』、こんなひとになりたいと願うのであれば、それを突き詰めたものを否定してはいけない、突き詰めたものをまず知ること、それによって辿り着いた頂点から周囲を見渡せば自ずと自分が思い描く道も見えてくる。なりたい自分も見えてくる、そういったところでしょうか。「スコーレ」ではまだ幼かったこともあって、あまり印象が強くない紗英でしたが、姉の麻子、七葉ともまた違う個性を持った存在として、独特の魅力ある存在として描かれているのを見て「スコーレ」の三姉妹の日常を思い出してしまいました。やはり、スピンオフは面白い。出来上がった作品世界がすでにそこにあるから。短編であっても、一滴そこに落とすだけで、出来上がった作品世界のちょっとした変化が楽しめる、そう感じました。 一方で、後半の3遍は全くのオリジナル作品でしたが、〈なつかしいひと〉が良かったです。とても短い作品です。なのであっという間に読み終わってしまうのに、また、途中で結末が想像できてしまうのにもかかわらず、最後のページを読むスピードがスローモーションになりました。じっくりと一文一文を味わいたくなりました。宮下さんの描くファンタジー世界。これはとても良かったです。 後半の他の2遍が私には全く響いてこなかったのが少し残念でしたが、作品全体としてとてもふんわりと優しい短編集でした。短くてもそこかしこに宮下さんならではの愛おしくなるような言葉が散りばめられていた、そんな作品でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
明日になれば忘れてしまいそうなふーんわりとした女の子らしい短編集。 最初の3話は華道に携わる女性の淡い恋物語。4話目はだめだめ弟をほっておけない仲の良い姉弟の話。5話目と6話目はわりとおもしろく読めたが、亡くなったお母さんが恋しくて新しい学校にもなじめない男の子が、本屋で出会った女の子に勇気づけられるも、その女の子はじつは母親の幼いころの亡霊だった…というのはありがちなストーリー。学生時代、仲の良かった3人組のひとりが町を出ていき、10年も便りがなかったのにその旦那さんだけがふらりと町にやってきて、あとのふたりに接触する。どうやら嫁が失踪し、捜索中なんだとか。その旦那さんに友達二人が心を乱される。よっぽどいい男なんでしょうね。て…そんなシチュエーションあるか?
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大好きな作家さんの本だからか、簡単には読み進められなかった。 何も起きてないように思える毎日が、物語なんだって感じられる宮下さんのお話が、すごく好き。 静かな寂しさとか、喪失感とか、虚無感を書くのが上手だと思う(プロに上手とか、上から目線で申し訳ないけど本当にそう思う)。 お話も...
大好きな作家さんの本だからか、簡単には読み進められなかった。 何も起きてないように思える毎日が、物語なんだって感じられる宮下さんのお話が、すごく好き。 静かな寂しさとか、喪失感とか、虚無感を書くのが上手だと思う(プロに上手とか、上から目線で申し訳ないけど本当にそう思う)。 お話も、言葉も、とても静か。『つぼみ』のなかでは「あのひとの娘」がとくによかったなぁ。 宮下さんの本を読むといつも思うのは、ここに出てくる女の子達が、幸せでありますように。不器用で卑屈だけど、愛さずにはいられない女の子達。
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半分は生け花をテーマにした話(と思っていたら別の長編のスピンオフだったようでそちらも今度読んでみます)。なじみのない業界が舞台になっていても抵抗なく読めるところがいい。 さらっとした、澄んだ文章で人間のキツい部分を描く島本理生に対して、人間の、飾らない、取り繕わない温かさを描く宮...
半分は生け花をテーマにした話(と思っていたら別の長編のスピンオフだったようでそちらも今度読んでみます)。なじみのない業界が舞台になっていても抵抗なく読めるところがいい。 さらっとした、澄んだ文章で人間のキツい部分を描く島本理生に対して、人間の、飾らない、取り繕わない温かさを描く宮下さんは、救いや希望ややさしさみたいなのを見出すことがなくても、お話が印象に残る。「晴れた日に生まれたこども」がよかった。
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何でもなかった者が何かになる変節点を描く11短編集.結局日常の延長でしかないその時が常に誰にでも訪れる.
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良かったです。「なつかしいひと」1ページ目で、ん?読んだことある?って気づいた。それだけ心に残る話だったんだろう。他のお話も良かった。朝倉くんタイプに弱い自分。
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