檸檬 の商品レビュー
うーむと思う。病気が今までワクワクしていたものを暗くさせて、今まで大切に思っていた物を爆破させたいぐらいに存在感を消し去りたいのだなぁ 少し気が重くなる作品だった。
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絵がとても綺麗。 病気だとか貧困だとか、健康だとか、 そういうので、人の幸せの価値観はガラリと変わるのだなと思った。 不吉の塊は、誰の心にもある気がする。 得体の知れない、何かわからないけれど憂鬱な気分。何かわからないから解決策も見つけられない。 多分、色んな黒いものが混ざっている。 そんな中、明るくてパキッとした黄色のレモンに惹かれたのかな。 おまけに香りまで爽やかだし。 小さな爆弾は、絵もあって気分爽快。 そんな風に、想像するのは自由だよね。実際にやったらダメだけど。
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乙女の本棚シリーズの中でも何度も読み返してしまう1冊。人々は妄想しながら生きている。会社や学校を爆破したい人に。
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青空文庫で初めて読んだときから好きな作品です。乙女の本棚シリーズのこの本は美しい挿絵もあり、絵本のように楽しめました。 檸檬の瑞々しさ、ひんやりとした温度、爽やかな香りなどが想像できます。 スーパーで檸檬を見たら、本作品を思い出します。オチも衝撃的です。
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話が簡潔にまとめられていて読みやすかった。 イラストレーターによる絵が本文のように、繊細で美しく描かれていたため、情景をイメージしやすかった。 近代文学を最後まで読み切ることは、今まで大変だったが、これは短時間で読めるため、シリーズになっている他の本も読んでみたいと思った。 気持ちに余裕がない時、何となく現実逃避したくなったり、妄想が止まらなくなったり… また現実から引き戻された時の胸が苦しくなる感じが、細かく表現されていた。 画集の上に檸檬を置き、因縁の場所が爆発されるという妄想(?)は、うんざりしている現実が吹き飛んでしまえばいいのにという主人公の思いを表現していてすごいなと思った。 また、せっかく現実と向き合う勇気を出せたのに、妄想だけで満足してしまうのも人間らしくて好きだなと思った。 嫌な現実を忘れられるくらいの檸檬なんとも言えない純粋さは、主人公が現実と向き合う勇気をくれた。 案外、勇気を出せずにいる時に、寄り添ってくれるのは檸檬のような些細なものなのかもしれないと感じた。 檸檬の美しい描写そして健康的な黄色が、読んだ後ずっと頭の中に残っている。 私も今度、八百屋で檸檬を買ってみようと思う。
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久しぶりのこのシリーズ。『檸檬』もちゃんと読んだのは初めてなのですが、ちょっと印象が変わったかも。最初の方、裏通りを歩きながら遠く離れた街にいるような錯覚を起こそうとするシーンが好き。 あと、花火や、びいどろ、南京玉の描写。いいですよね!と本のこちら側でひとり頷いてみたり。 檸檬...
久しぶりのこのシリーズ。『檸檬』もちゃんと読んだのは初めてなのですが、ちょっと印象が変わったかも。最初の方、裏通りを歩きながら遠く離れた街にいるような錯覚を起こそうとするシーンが好き。 あと、花火や、びいどろ、南京玉の描写。いいですよね!と本のこちら側でひとり頷いてみたり。 檸檬のシーンは美しいけれど、後片付けする羽目になった店員さんのストレスが…、といらんことを考えてしまったり。発表されてからこの方、多数の人が思ってるんだろうけど。
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乙女王に俺はなるっ!? (ワンピース風に) ということでまたもや乙女の本棚シリーズ。 て~~~んちょう。 まぁたあのお客さんですよ、これ見て下さい。 どうすんですか。 うちの売り物の画本をこんなに積んで、しかもその上にレモンなんか置いて。 何気取りですか。 鏡餅ごっこですか...
乙女王に俺はなるっ!? (ワンピース風に) ということでまたもや乙女の本棚シリーズ。 て~~~んちょう。 まぁたあのお客さんですよ、これ見て下さい。 どうすんですか。 うちの売り物の画本をこんなに積んで、しかもその上にレモンなんか置いて。 何気取りですか。 鏡餅ごっこですか。 だったらせめてミカンにすべきでしょうよ。 こんなんじゃみんな気味悪がって誰も買っていかなくなるじゃないですか。 しかもあの客、ニヤニヤしながら帰るんですよ~。 気持ち悪い。 来るときはあんな仏滅みたいな顔で来るのに。 何でスッキリしてるんだか。 いいですか。今度こそ出禁にして下さいね。 絶対ですよ。 店員側から見たらこんなお話しです(笑) 日本文学の壁は高いなぁ~。 さっぱりわからん。
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乙女の本棚3連発の2作目。何気にちゃんと読んだのは初めての、檸檬。 イラストも相まってとても美しくビビッドな作品でした。真っ暗なところからみずみずしい黄色い檸檬に情景が変わるところがありありと目に浮かび、だから檸檬一つで心持ちが変わる主人公の気持ちも理解できました。 それにし...
乙女の本棚3連発の2作目。何気にちゃんと読んだのは初めての、檸檬。 イラストも相まってとても美しくビビッドな作品でした。真っ暗なところからみずみずしい黄色い檸檬に情景が変わるところがありありと目に浮かび、だから檸檬一つで心持ちが変わる主人公の気持ちも理解できました。 それにしてもマジで爆弾だったんだ(文ストで知ったのが先って言う) 2024.3.24 52
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梶井基次郎文学忌、檸檬忌。 何回目かの「檸檬」は、げみさんのお陰様で今までになく理解できた気がしています。 得体の知れない不吉な塊。 焦燥や嫌悪等では言い表せないその塊から檸檬爆弾という彼の希望の象徴で解放される。 丸善は西洋の思想の表現か、贅沢の象徴かな。 ずーっと丸善は東...
梶井基次郎文学忌、檸檬忌。 何回目かの「檸檬」は、げみさんのお陰様で今までになく理解できた気がしています。 得体の知れない不吉な塊。 焦燥や嫌悪等では言い表せないその塊から檸檬爆弾という彼の希望の象徴で解放される。 丸善は西洋の思想の表現か、贅沢の象徴かな。 ずーっと丸善は東京駅のところ丸善だと思っていた。ここが檸檬爆弾の丸善ですというような紹介を読んだ気がするんですよね。丸善カフェで檸檬スウィーツもいただいたし。 げみさんの描く丸善が、本当に素敵でした。 “ずかずか”と入るも疎外感。 彼の檸檬爆弾は、確かに彼の気持ちを軽くしたようだ。 今でも丸善には檸檬を入れるカゴを用意しているらしい。悩みの種類は違ってきても 若い苦悩を解放したい読者を長く惹きつけている。
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病気になると趣が変わることはとても共感できました。 ほんの些細な小さなモノに感動や美しさを感じる事ができるようになること、つまりそれは、それだけ自分も儚く小さな存在になってしまった事を自覚したときではないかと個人的に考察します。それまで好きなものは、自分に自信があるからこそ、まだまだ自分が健在だからこそ扱えるものばかりで、命短くなった今、それらを扱える力がもうなく、むしろ、無機質なモノや儚く綺麗なモノに感動を覚えるようになったと感じました。 追求されたことは「無」。その無の頂点が主人公にとっては爆破であったから、ああいった想像をしたのかもしれないです。 個人的には、額に檸檬をあて檸檬の存在を楽しんでいるシーンが好きでした。 人が美しいと思うポイントは本当にそれぞれです。しかし、この本を読んで、個人的にびいどろおはじきを集めたくなる衝動にかられました。
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