Aではない君と の商品レビュー
一気読み。物事の良し悪しとは別に、子供がどうしてそんなことをしたのかを考えるのが親だ、という一文が深く印象に残った。読後感爽やか、ではないけど、読んでよかったなと思います。
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本当に一気読み。個人的に、薬丸岳史上一番辛い気持ちになった。重いのはいつものことで、そしてそういう薬丸さんの小説が好きなんだけど、今回はいつもと違う感じだった。 子どもが殺人という罪を犯して、そしてまったく反省しなかったら、どうしたらいいんだろうか?子どもはいないけど、考えるだけで苦しい。きっと「自分の育て方が悪かった」と思って反省するだろう。でも子どもにどうやったらその罪の重さを自覚してもらえるかっていうと…。 そして少年院から出てきた翼が、心から反省して、でも「この先、翼のことを本当にわかってくれる人とは出会えないのだ。」というモノローグは、ものすごく重い。 罪と向き合うって、こういうことか。これが殺人でなければ、なにか違うのか。
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自分の子供が殺される-もし自分にそんなことが起きてしまったら、いったいどういう風になってしまうのだろう。または殺す側だったら・・・とても想像することが出来ない。というか想像するのが怖い。それによって現実になってしまいそうな気がする。 犯罪者の身内ということでは、東野圭吾の「手紙」...
自分の子供が殺される-もし自分にそんなことが起きてしまったら、いったいどういう風になってしまうのだろう。または殺す側だったら・・・とても想像することが出来ない。というか想像するのが怖い。それによって現実になってしまいそうな気がする。 犯罪者の身内ということでは、東野圭吾の「手紙」が強く記憶に残っている。本作もまた、残るだろうか。
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子供を殺された親、かがいしやの親、こころを殺されたもの、体を殺されたもの、とても考えさせられた小説。特に第三章が良かった。
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自身の子どもが殺人事件を起こしたとき、どのように罪と向き合い、謝罪していけばよいのか?重いテーマに取り組んだ意欲作。公私ともに順調に見えた吉永圭一に、離婚した妻が引き取った息子翼から電話が入ったが、その場で出られなかった。その後翼が逮捕されたことを知らされる。事情を全く話さない翼。翼と向き合ってこず、翼の現在を全く知らない自身に気づく。次第に事実が明らかになり、翼の苦しみやそのサインを見過ごしていたことを知る。 自分やその周囲に人物は殺人事件の被害者にしかならないわけではなく、加害者にもなりうる。またちょっとしたかけ違いでそんなことが起こりうる。加害者は悪党だけがなるものではない。子供とはいえ、その人生をすべて把握できるわけではなく、未成年で殺人を犯す子供の親は、特別な子供に無関心な親ではない。誰でも起こる重大なことにどのように向き合うのか、考えさせられる小説です。
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もし、自分の子供が人を殺してしまったら・・・・。 この物語の父親のように、子供に寄り添って生きることが、私にできるだろうか。 この物語は親の成長記でもあるように感じた。 仕事と恋愛に忙しく、子供に対して無関心気味だった父親が、事件をきっかけに、自身と子供との関係を見直し「子供との関係を深めていこう」「寄り添っていこう」と努力していく。 終始、重苦しい内容だが、読んでよかったと思う。 「心を殺すのは許されるのに、どうしてからだを殺しちゃいけないの?」この言葉が、読後も頭に残っている。
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2017/7/24 読了。 人を殺すこと、親を愛すること、慈しむ心を持つこと、恐怖に縛られること、仲間を求めること、許しを請うこと… 様々な、子供の純真な想いが痛いほどに飛んでくる作品。 テンポよくスラスラ読める〜といった類の話では無いが、先が気になって止めることができない。良...
2017/7/24 読了。 人を殺すこと、親を愛すること、慈しむ心を持つこと、恐怖に縛られること、仲間を求めること、許しを請うこと… 様々な、子供の純真な想いが痛いほどに飛んでくる作品。 テンポよくスラスラ読める〜といった類の話では無いが、先が気になって止めることができない。良作。 『物事のよし悪しとは別に、子供がどうしてそんなことをしたのかを考えるのが親だ』
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201707/「心とからだと、どちらを殺したほうが悪いの?」という問いに薬丸岳が今作で出した結末。吉川文学新人賞受賞作の今作、京極夏彦の選評「提起された問題は、読み手の許に届き、読者それぞれが『つけられない結末』を共有できる」が見事に言い表してる通り。どの登場人物達の立場になって...
201707/「心とからだと、どちらを殺したほうが悪いの?」という問いに薬丸岳が今作で出した結末。吉川文学新人賞受賞作の今作、京極夏彦の選評「提起された問題は、読み手の許に届き、読者それぞれが『つけられない結末』を共有できる」が見事に言い表してる通り。どの登場人物達の立場になってもつらいし、理解できても感情では納得できないこともあり、それでもページめくる手は止められなかった。薬丸岳、毎回思うけど、とことんすごい作家さんだ。
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本屋で何気なく手に取った本。 ページをめくる手が止まらなくて、短時間で読み終えてしまいました。 自分が吉永だったらどうするか、翼だったらどう思うか……、そんなことを考えながら読みました。 吉永の父親が言った「物事のよし悪しとは別に、子供がどうしてそんなことをしたのかを考えるのが親...
本屋で何気なく手に取った本。 ページをめくる手が止まらなくて、短時間で読み終えてしまいました。 自分が吉永だったらどうするか、翼だったらどう思うか……、そんなことを考えながら読みました。 吉永の父親が言った「物事のよし悪しとは別に、子供がどうしてそんなことをしたのかを考えるのが親だ」。 この言葉が胸にきました。
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胸を打つ吉川英治文学新人賞受賞作 あの晩、あの電話に出ていたら。同級生の殺人容疑で十四歳の息子・翼が逮捕された。親や弁護士の問いに口を閉ざす翼は事件の直前、父親に電話していた。真相は語られないまま、親子は少年審判の日を迎えるが……。
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