書店員X の商品レビュー
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「文庫X」という企画で、あるノンフィクション本をベストセラーにし、全国的なムーブメントを引き起こした地方の書店員の話。 文庫Xは自分も実際に購入して読んでいたのと、著者の勤めるさわや書店が好きなので読んでみた。 前半部分は文庫Xの誕生にまつわるエピソード。文庫Xは書名や内容を伏せて売るという売り方で、その斬新な方法も着目されたが、この本だったから上手くいったということが強調されていた。 後半は、前半のエピソードをもとにした、常識にとらわれるな、という著者からのメッセージ。ただ、個人的には、前半部分とあまり繋がっていないというか、抽象的な話が多いような気がして、退屈に感じてしまった。 何にせよ、さわや書店、盛岡にお立ち寄りの際は一度、ぜひ。
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図書館にて。 ブクログで私の本の感想にいいねを押してくれた方の本棚にあった本。 もともと文庫Xについて当時聞いたことがあり、その時の話ならぜひ読んでみたいと思って注文してみた。 この本は確かに文庫Xの企画の話から始まるが、そこから始まる本の売り方選び方、物事のとらえ方、生き方に至るまでわかりやすい言葉で率直に語られている。 この方の器用とはいえない今までの生き方の中に、本に対する真摯な姿勢が感じられて、信用できるし安心する。 まず文庫Xにあの本を選ぶということがもう…。 図書館で借りた本として読んだが、この「書店員X」は「文庫X(本当の書名は自主規制)」とともに絶対に手に入れようと思っている。 余談だが、文庫Xとして売られた本が参考文献の一つとなっているドラマが現在放送中だ。 内容が内容だけにドラマ化されるには相当な苦労もあったようだし、放送中の現在も圧力がかかっているなどと噂されているが、実際見ていると思い切った内容であるし、制作側の覚悟が感じられる。 これは文庫Xとなった本の著者の心意気とつながるものであるし、それをどうしても売りたいと思った書店員Xの著者長江さんの思いにも、読者の私たちがそれぞれの本を読んで感じた思いとも全部リンクしていると思う。 この本について誰かとほとんど語り合ったことはないが、言葉を交わしたことのないたくさんの人と同じ気持ちを共有していると思える。 本はやっぱりすばらしい。
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当時書店員だった私がそんな売り方が?と羨望と悔しさを感じていた文庫Xの舞台裏的な軽い本を想像して手に取ったのですが、世の中の常識や先入観にいつのまにかがんじがらめになりあたりまえと思っている事は果たして本当にあたりまえなのか?そもそもあたりまえとは何なのか?本文中に幾度となく出て...
当時書店員だった私がそんな売り方が?と羨望と悔しさを感じていた文庫Xの舞台裏的な軽い本を想像して手に取ったのですが、世の中の常識や先入観にいつのまにかがんじがらめになりあたりまえと思っている事は果たして本当にあたりまえなのか?そもそもあたりまえとは何なのか?本文中に幾度となく出てくる「常識」「先入観」「自由」という事について常に考え続けさせられる本であった。
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自分とは異なる考え方を持っていて新鮮だったし、常識にとらわれないこと、自由に生きることについて新しい視点を持てたと感じた。 清水潔さんと長江さんのオススメの本をぜひ読んでみたいと思った。
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2016年、<文庫X>という、書名や著者名、ジャンルすら隠し、書店員のその本を推すコメントだけで本を売る、さわや書店の新しい本の売り方は、全国の書店員を巻き込み日本中に広がった。その仕掛人の初著作。
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文章で埋め尽くしたカバーで表紙を隠して何の本かわからない状態で販売していた「文庫X」を仕掛けた書店員さんの本です。 もちろん「文庫X」のことも語られているのですが、中心はこの長江さんという書店員さんの考え方です。私はこの考え方にとても共感しました。今の「社会」の中でどう生きてい...
文章で埋め尽くしたカバーで表紙を隠して何の本かわからない状態で販売していた「文庫X」を仕掛けた書店員さんの本です。 もちろん「文庫X」のことも語られているのですが、中心はこの長江さんという書店員さんの考え方です。私はこの考え方にとても共感しました。今の「社会」の中でどう生きていくか、考えさせられます。他人と同じじゃなくてもいいじゃないか。そういうことです。 「わからない」と言って、自分から離れたもの・ことを遠ざけるのは、かなり残念な状態だと私も思います。自戒も込めつつ。
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読むべき本かといわれると人による。だが、出来がいい本かといわれると間違いなくいい本。というか、著者の書店員・長江貴士100%という内容。
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昨年、書店業界を席巻した「文庫X」。その仕掛け人が、独自の発想法や今後の小売のあり方、行き辛さを抱えた人々へメッセージを語る。
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「文庫X」は、知っていたが、買わずに終わってしまった。 このため、文庫Xの中身がなんだったのか?を知らなかった。 そして、さわや書店の存在も、長江貴士さんという書店員さんのことも知らなかった。 偶然、図書館で手にした本をパラパラしてみたら、文庫Xの話で、面白そうだなーと読んで...
「文庫X」は、知っていたが、買わずに終わってしまった。 このため、文庫Xの中身がなんだったのか?を知らなかった。 そして、さわや書店の存在も、長江貴士さんという書店員さんのことも知らなかった。 偶然、図書館で手にした本をパラパラしてみたら、文庫Xの話で、面白そうだなーと読んでみた。 第1章の主役は、文庫X。 あの頃、本屋でそれを目に留めておきながらも、「中身がわからないのは怖い」と避けてしまった自分に後悔した。 この波に乗りたかったなーと切に思った。 第2章から先は、哲学的な部分が多いかな。という印象をうけた。 第2章「普通」からの逸脱 「逃げる」を肯定する生き方 第3章 世の中を疑ってみる 第4章 「常識」や「先入観」を越えた先の「自由」 自分を含め、人間は「先入観」にとらわれて生きている。 そのために、知らぬ間に自分で色んな壁を作ってしまっている。 その「先入観」を越えた先に、自由があって、生きやすさがある。 そんなニュアンスを読み取り、少し楽な気分になったし、「あー、あの時のこれが、先入観を超えた時だなー」と思えるものを自らの経験の中に見つけて、喜んだ。 とりあえず、次は、文庫Xの中身を読んでみたいと思う。
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さわや書店という盛岡の名物書店におけるキャンペーン「文庫X」は、文庫のバーコード以外をあえてお手製の推薦文を書いたブックカバーで隠し、売ることで、爆発的な売り上げを上げた。 その「文庫X」を仕掛けたのが筆者。 あえてカバーをすることで本の正体が隠れ、カバーがかかっていなかったら...
さわや書店という盛岡の名物書店におけるキャンペーン「文庫X」は、文庫のバーコード以外をあえてお手製の推薦文を書いたブックカバーで隠し、売ることで、爆発的な売り上げを上げた。 その「文庫X」を仕掛けたのが筆者。 あえてカバーをすることで本の正体が隠れ、カバーがかかっていなかったら、普段ノンフィクションを読まないような人にまで本を買わせることができた。書店でしか買えない、希少価値、プレミア感も醸し出したのであろう。 第一章の「文庫X」とはなんだったのか? は文庫Xの現象に対する当事者としての現場感がひしひしと伝わり面白い。 なにより、さわや書店の自由な社風が魅力的。 今の書店が本を売る大変さ、けれどもその逆境があるからこそ、このような本を魅力的に見せる様々なチャレンジがされるのだなと感じた。 第二、三、四章は、作者の主要のようなものが書かれているが、正直「文庫X」という現象と関係はあるが、作者個人の思いが徒然に語られている印象。 先入観、自由、共感など、一般的で抽象的な言葉が使われているが、この本で語られている内容においては、筆者なりの言葉の定義があるように見受けられたが、その掘り下げが、様々な他の本の引用であったり、特に定義について明確なものがないまま、一般的に語られたりしている印象があり、少し散漫な印象を受けた。 本文中にも「この新書を書くのにかけた稼働は5日間程度」とあり、やはりもう少し遂行して書けば、もっと多くのことを簡潔に書けたのではないかと惜しい気がする。 ただ、文庫Xの中身も読んでみようと強く思ったので、このプロモーション(=筆者の熱意)はそれだけ魅力があるということだと思う。
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