月光のスティグマ の商品レビュー
物理の本を読んでいたら疲れ、本棚を見上げたら中山七里の本が目に入ったので読みました。数年前に読んだ本なのに、読み進めても筋を思い出さないので、それなりに面白く読めました。阪神大震災と東日本大地震の両方にまたがるストリーなのであるが、災害支援の非営利法人を利用した瀆職が絡んでゆく...
物理の本を読んでいたら疲れ、本棚を見上げたら中山七里の本が目に入ったので読みました。数年前に読んだ本なのに、読み進めても筋を思い出さないので、それなりに面白く読めました。阪神大震災と東日本大地震の両方にまたがるストリーなのであるが、災害支援の非営利法人を利用した瀆職が絡んでゆく。 この作者はサスペンスというよりストーリーの奇抜さが売物なので、飽きませんが、そのストーリーにリアリズムがないのですぐに忘れてしまうのだ。
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双子の美人姉妹と主人公の幼い頃の恋愛(初恋)、震災の恐ろしさ、主人公の兄殺しの犯人(双子の姉妹のどちらか)、特捜検事としての潜入捜査(ある政治家の資金集めについての証拠集め)、その資金集めに秘書として加担する初恋相手、その政治家と初恋相手の不倫関係への嫉妬、テロの恐ろしさ、と一つ...
双子の美人姉妹と主人公の幼い頃の恋愛(初恋)、震災の恐ろしさ、主人公の兄殺しの犯人(双子の姉妹のどちらか)、特捜検事としての潜入捜査(ある政治家の資金集めについての証拠集め)、その資金集めに秘書として加担する初恋相手、その政治家と初恋相手の不倫関係への嫉妬、テロの恐ろしさ、と一つの話に盛りだくさんだった。 キレイな話じゃないけど、その分リアリティがあった。大人の男と女ってお互いに打算もあるし、その中に純粋な恋愛感情や尊敬の念もあるし、白黒はっきりする関係だけじゃないよなーというリアリティとか。震災やテロリストと遭遇してしまったときのリアリティとか。 最終的に全部が回収されてスッキリして、読み終わってみれば面白かったなと思えるけど、再読はしない。 売る
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アフォリズムの表現が秀逸。 展開が早く要素が盛り沢山で、解説に記載のあった、まさしくミステリートレインであった。
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冒頭部分を読んでから読むのを後回しにしていた作品。他の方々も仰るように、殺人事件、2度の大震災、義捐金に端を発した政治家の汚職事件、最後はテロ事件が発生と盛り沢山のとても濃い内容でした。そこに幼馴染の美人女性に対する主人公の恋慕の情が絡んできて、(解説にあったように)何処に到着す...
冒頭部分を読んでから読むのを後回しにしていた作品。他の方々も仰るように、殺人事件、2度の大震災、義捐金に端を発した政治家の汚職事件、最後はテロ事件が発生と盛り沢山のとても濃い内容でした。そこに幼馴染の美人女性に対する主人公の恋慕の情が絡んできて、(解説にあったように)何処に到着するのか分からないミステリートレインに乗ったかのようでした。 中山七里さんの作品は四字熟語が多用されていますが、読み易い文章と内容が面白い作品が多いので好きなのですが、この作品が好みの作品か好みの作品ではないかと問われたら、好みではないと言えるかもしれません。個人的には読了後に爽快感が味わえる作品の方が好きです。
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解説に書かれている『行き先不明のミステリートレイン』がピッタリだ。 まさかこんな結末になるとは、誰も予想できないのではないだろうか。 殺人、震災、政治問題、盛りだくさんの内容のサスペンス小説を堪能できた。 スティグマとは、社会の多数者が少数者に押し付けたネガティブな刻印のことであ...
解説に書かれている『行き先不明のミステリートレイン』がピッタリだ。 まさかこんな結末になるとは、誰も予想できないのではないだろうか。 殺人、震災、政治問題、盛りだくさんの内容のサスペンス小説を堪能できた。 スティグマとは、社会の多数者が少数者に押し付けたネガティブな刻印のことである。(409ページ 解説より)
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本作の特徴は、前半は淡い恋愛模様、中盤にかけては 犯罪の匂いが漂いだし、最終局面では政治も絡んだ愛憎渦巻く刑事ものに豹変していきます。 読む手が止まらないとはまさにこのことだな、と。 純粋で真っ白に澄んでいたものも、たった一つの出来事をきっかけにその色を濁していく。本質は変わ...
本作の特徴は、前半は淡い恋愛模様、中盤にかけては 犯罪の匂いが漂いだし、最終局面では政治も絡んだ愛憎渦巻く刑事ものに豹変していきます。 読む手が止まらないとはまさにこのことだな、と。 純粋で真っ白に澄んでいたものも、たった一つの出来事をきっかけにその色を濁していく。本質は変わらないとしても本質をとりまく自分がそうなっていく。 大切なもののためであれば、なんでもできてしまうのが人間のストロングポイントではある。それが例え、世間一般で許されないと分かっていることでさえも。 読むたびに切なくて切なくて、でもなぜか主人公やヒロインに感情移入して、同情したり、嫉妬したり憎んだり、+にも-にも感情を揺さぶられる作品でした。 読めてよかったし、読んでしまった。そう思いました。
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「総理にされた男」を読んだ時のコメントで、本書と内容がリンクしてますよって教えて貰って、一気読みしました。こちらは、ミステリーっていうかサスペンス。両方を一度に構想した筆者はすごいです。
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双子の美人幼馴染に振り回される主人公の板挟み三角関係を描いた厨二設定の青春ラブストーリー。へぇ、こんなのも書くんやと思って読み進めるとそんなわけ無かった。 大人になって急激な路線変更。 この作者は主人公を虐めるのが上手い、どうすれば困るのか、どうすればもっと苦しめられるのか。 こ...
双子の美人幼馴染に振り回される主人公の板挟み三角関係を描いた厨二設定の青春ラブストーリー。へぇ、こんなのも書くんやと思って読み進めるとそんなわけ無かった。 大人になって急激な路線変更。 この作者は主人公を虐めるのが上手い、どうすれば困るのか、どうすればもっと苦しめられるのか。 これでもかと言うほど辛い展開が主人公を待ち受ける。 それに反する様に時折織り込まれる生々しいエロ展開。 冒頭のお医者さんごっこは電車の中で読んでいて気まずかった。 ラストの種明かしは流石の七里。 僕の人生の作者がこの人でなくて良かったと本気で思った。
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幼馴染の日人双子姉妹と、隣家の少年。スティグマを背負うことになった彼女と、15年後に政治家秘書と検事と言う立場で再会する。騙し、傷つけあいながら、お互い惹かれている気持ちを隠す事が困難に。。 阪神淡路地震、東日本大震災と、実際に起こった天災の裏で、どこかの街でこのような事があっ...
幼馴染の日人双子姉妹と、隣家の少年。スティグマを背負うことになった彼女と、15年後に政治家秘書と検事と言う立場で再会する。騙し、傷つけあいながら、お互い惹かれている気持ちを隠す事が困難に。。 阪神淡路地震、東日本大震災と、実際に起こった天災の裏で、どこかの街でこのような事があったかもしれないと思わず思ってしまうほど情景がリアルに描かれている。また、アフォリズムの様な表現が多く、次のページを捲りたい気持ちと、表現を味わいたい気持ちが混在する骨太の作品だった。 「人間は感情の動物だが、感情の中で一番持続するものは、怨嗟と嫉妬だ。同情や義憤はさぼど長持ちしない」この表現には、うなってしまった。
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どこ行くんですか?と読者置いてきぼり状態だった本書。うーん、やはり著者のunlimited作品は当たりが少ないのかな。後半では美しい双子の姉妹も大震災の経験も吹っ飛んでしまってもったいない。何をどうしたかったのか、ツッコミどころは数知れず。『総理にされた男』とのリンクもほぼ覚え...
どこ行くんですか?と読者置いてきぼり状態だった本書。うーん、やはり著者のunlimited作品は当たりが少ないのかな。後半では美しい双子の姉妹も大震災の経験も吹っ飛んでしまってもったいない。何をどうしたかったのか、ツッコミどころは数知れず。『総理にされた男』とのリンクもほぼ覚えていなかったので気づかず。震災の描写は臨場感があり恐怖を覚えるほどだったのに。小説でたまにある物語を盛り上げるための軽めのテロが大嫌い。シリーズものは定評があるので面白いのかな。
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