福袋 の商品レビュー
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お江戸の市井を舞台にした短編8編。 ぞっこん/千両役者/晴れ湯/莫連あやめ/福袋/暮れ花火/後の祭/ひってん ぞっこん、がいちばん好きかな、筆供養を前にした筆が語り部の物語。ラストも上向きで好き。 千両役者は、売れない端役にくすぶる男の話。思い通りにいかない人生、さあどうなる、という幕切れ、これからを想像する余韻が多くて◎。 晴れ湯、は銭湯に生まれたお晴が主役。ダメ亭主とお竹の夫婦の妙みたいなのも味がある。 莫連あやめ、はちょっと漫画ちっくだけど、気持ちいいねえ、こんな時代の若い娘の啖呵は胸がすく。 福袋、はちょっとダーク。大食いの出戻り姉を持て余し、利己に囚われている主人公は愚か。 暮れ花火、はすこし色っぽい話。これはビジュアルもすごく画になりそうだから肉付けすれば映画になりそう。男と女の話。 後の祭、はちょっとコミカル。神田祭が舞台。神経質な主人公徳兵衛とおっとりの妻お麦の対比が好き。ラスト1文できれいに落とされてて、さすがというかんじ。 ひってん、は貧乏長屋のその日暮らしの若者ふたりの話。それぞれ生き方が分かれていくけれど、どちらがいいかなんて、誰にも正解は出せないよね。どちらに与したわけでもない描写が粋。深い余韻があるお話。 この方の作品はほんとハズレなし、面白かった。
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冒頭「ぞっこん」、筆が主人公ってすぐわからず、ちょっと混乱。 気に入ったのは「暮れ花火」。羽織の裏地専門の絵師ってのが職業として本当に成立したのかはともかく、格好良いなあ。ただ、このおようさんて、巷で良く見かける「葛飾応為」キャラと結構かぶる。まあ大分艶っぽいが。うじゃけた瓜とか。きゃっ。
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図書館で借りたもの。 初読みの作家さん。 その日暮らしの気楽さ、商売のさまざま、歌舞伎の流儀、祭の熱気、男女の仲……喜怒哀楽にあふれた庶民の8つの物語。 湯屋の話「晴れ湯」が面白かった。 「福袋」は、昔話にありそうな感じ。 他の作品も読んでみたいな。
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短編集。江戸の市井の人々のお話。 まかてさんの話を読むと江戸にはそういう職業の人がいたのね、と思うことがよくあります。そしてその中で起きる騒動や、ほろりとした人情話に胸がほっこりします。でも時々、苦い結末の話もあり、それが思うままにいかない世の中を思わせてくれて、ほろ苦さに癒され...
短編集。江戸の市井の人々のお話。 まかてさんの話を読むと江戸にはそういう職業の人がいたのね、と思うことがよくあります。そしてその中で起きる騒動や、ほろりとした人情話に胸がほっこりします。でも時々、苦い結末の話もあり、それが思うままにいかない世の中を思わせてくれて、ほろ苦さに癒されることもあります。まかてさんの話には人々への愛情があり、そんなまかてさんの話が好きだなぁと読む度に思います。 この本では『晴れ湯』や『莫蓮あやめ』が良かったです。
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江戸っ子の心意気と庶民の生活を描いた、珠玉の短編集。 これまで長編しか読んでいなかったまかてさんですが、短編なのに、ギュッと凝縮された江戸のエッセンスの濃さ!たちまち江戸へ連れて行かれます。そのため、ちょっと奇をてらった「ぞっこん」が最初でない方がよかったような・・・。 役者、銭...
江戸っ子の心意気と庶民の生活を描いた、珠玉の短編集。 これまで長編しか読んでいなかったまかてさんですが、短編なのに、ギュッと凝縮された江戸のエッセンスの濃さ!たちまち江戸へ連れて行かれます。そのため、ちょっと奇をてらった「ぞっこん」が最初でない方がよかったような・・・。 役者、銭湯、絵師に古着屋、江戸の100円ショップ?あり。江戸の人々が、生き生きと描かれている、落語のような人情話。どの話も面白かった!
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江戸の庶民の心意気を描いた短編集。 楽しいですね。一気に読了。 時代小説の中でも人情ものに分類されるでしょうが「沁み入る」という感じではなく、いい意味でさらりと読み飛ばす感じです。かといって書き散らかされた感じでなく、ちゃんと考えられたストーリーです。 やむを得ぬ事情からお上の前で自棄になって踊った無粋な家主が、祭りを終えると元の姿に戻っている姿(後の祭)。今は商人となった気楽なその日暮らしの若者が、昔の住所を訪ねてその日暮らしの気楽さを懐かしむ一方で、今の生き方を肯定する話(ひってん)。どの話も登場人物たちがみんな前向きなのが良いですね。
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いつものことだが 朝井まかてさんの描く人物は どの人も 優しい 江戸の町に暮らす 庶民の息遣いが聞こえてくる 江戸っ子の その日暮らしの 粋と了見がここかしこに描かれる 足を地べたにつけて おてんとさんの下で生きている 庶民のしたたかな暮らしが描かれる 短編集なのに けっこう長...
いつものことだが 朝井まかてさんの描く人物は どの人も 優しい 江戸の町に暮らす 庶民の息遣いが聞こえてくる 江戸っ子の その日暮らしの 粋と了見がここかしこに描かれる 足を地べたにつけて おてんとさんの下で生きている 庶民のしたたかな暮らしが描かれる 短編集なのに けっこう長い物語を読み終えたような 満足感が漂う
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江戸時代の江戸を舞台に、この時代をこよなく愛する著者が描き出す、喜怒哀楽にあふれた庶民の物語。 その日暮らしの気楽さ、商売のさまざま、歌舞伎の流儀、祭の熱気、男女の仲……。朝井亭「読む落語」だよ、寄っといで!商人も職人も、その日暮らしの貧乏人も、江戸の町は賑やかで、笑いと涙にあふ...
江戸時代の江戸を舞台に、この時代をこよなく愛する著者が描き出す、喜怒哀楽にあふれた庶民の物語。 その日暮らしの気楽さ、商売のさまざま、歌舞伎の流儀、祭の熱気、男女の仲……。朝井亭「読む落語」だよ、寄っといで!商人も職人も、その日暮らしの貧乏人も、江戸の町は賑やかで、笑いと涙にあふれてる。江戸庶民の暮らしを綴る珠玉の時代小説短編集。
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チャキチャキの江戸っ子達の日常を描いた短編集。 まかてさん流の小粋な言い回しは相変わらず心地好い。 絶妙なリズムのある文体は、まるでベテランの落語家さんの小噺を聴いているみたい。 またどの短編もオチが実に見事でニヤリとなったりホロリとなったり。 まかてさんお得意のスカッとした清々...
チャキチャキの江戸っ子達の日常を描いた短編集。 まかてさん流の小粋な言い回しは相変わらず心地好い。 絶妙なリズムのある文体は、まるでベテランの落語家さんの小噺を聴いているみたい。 またどの短編もオチが実に見事でニヤリとなったりホロリとなったり。 まかてさんお得意のスカッとした清々しさにこちらまで笑顔になれる! 特に湯屋のお晴、浅草のお琴、絵師のおようの気っ風のいい江戸弁や所作には惚れ惚れする。 次の話はどんな話なのか、「福袋」を開ける時のようなワクワクしながらの楽しい読書だった。
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1959年大阪生まれの朝井さんの本名が気になる。「まかて」って漢字だとどう書くだろう?~「ぞっこん」御前と呼ばれる筆が供養前に語る寄席文字を生業とする筆耕屋の話。「千両役者」大部屋役者に初めて付いた贔屓筋はしがない辛子屋。ひょんなことから大役が廻ってきて衣装を用意してくれたのはその贔屓だったが、評判になるか。手鎖を受けるか。「晴れ湯」三助が逃げて代役を買って出たのは十歳のお晴だが、遊び人の父親が連れてきた小僧があっという間に仕事を覚えて辞めたのは浮世風呂を読んだからだった。「漠連あやめ」古着屋のあやめは兄嫁のお琴が気に入らないが、何気なく渡された男物を宛ててみたら評判になり、漠連として評判になって気に入らない大店の娘・お八重を撃退したのは浅草では有名な漠連だったお琴だった。「福袋」乾物屋の娘が持参金の戻りなしに帰ってきたのは大食いの所為だが、迎えた弟自体も持参金を付けて嫁を里に戻したいため、姉を大食い競争に出し、思わぬ出世を遂げる。「暮れ花火」おようは羽織裏に絵を描く生業だが、深川芸者が黒羽織に描かせたいのは笑い絵で、修行中に描いた笑い絵を見せられて、昔の男を思い出しただけでなく、断りに行った先で昔の男にある羽目になる。「後の祭」籤引きで神田祭のお祭掛になった家主の徳兵衛に知恵を貸し、お伽噺で盛り上げる付祭になってしまったのも、困った事態に助けになったのも厄介な店子の平吉だった。「ひってん」金がなければ車を押して駄賃を稼いでその日を過ごす『ひってん』(貧乏)長屋の寅次と卯吉は行き倒れを拾って、礼代わりに貰った櫛を両国で売ろうとするが、工夫がなくて売れず、已めてしまおうという寅次に腹を立てた卯吉は長屋を飛び出し、十九文屋を成功させる~共通するのは世の中の景気が悪くて仕方ないっていう庶民感情。59年生まれで世に出るまで何していたんだろう? 可愛い絵が付いて売れる要素はあるけど、短編集なんで、ちょっとがっかり。直木賞受賞作の「恋歌」は長編なのだろうか? なるほど、表題作が秀逸だ。大阪の人なのに、江戸の話なんだね。十九文屋は今の百円ショップだね。一文25円だとすると、500円のワンコインショップかぁ
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