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花の命はノー・フューチャー DELUXE EDITION の商品レビュー

4.1

29件のお客様レビュー

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2020/04/19

デビュー作。著者も「若書き」と言っているが、特に始めの方は勢いがある。言葉遣いは悪いけど、これはワーキングクラスの誇りを敢えてこういう表現にしたのだろう。 『僕はイエローで‥‥』の方が万人向けだが、こちらも同じ魂で書かれた本である。 著者のような生き方をする人は少ないけどいる。あ...

デビュー作。著者も「若書き」と言っているが、特に始めの方は勢いがある。言葉遣いは悪いけど、これはワーキングクラスの誇りを敢えてこういう表現にしたのだろう。 『僕はイエローで‥‥』の方が万人向けだが、こちらも同じ魂で書かれた本である。 著者のような生き方をする人は少ないけどいる。ああ、日本人社会では窮屈で生きられないだろうなあ、という日本人はいる。が、みんなが文才があるわけじゃない。 文才にもいろいろあるけど、この人はさっぱりとしてキリッとしてるのがいい。爽快。決して上からものを言わない。でも視野は広くて懐は深い。 『僕はイエローで‥‥』もそうだけど、多様化とか国際化とか言ってる頭の硬い役所の人なんかが読むといいと思う。 「清貧。などというのはあれは趣味だ。貧乏とは、足りないことで負けてることで醜いことだ。自分から負けることを選んでいるような趣味の問題野郎どもに、勝ちたくても負け、必死で勝とうと努力するのにやはり負け、負けたくないのに負け続けている人間の気持ちがわかるか。ちっとも負けてないやつに限って敗北の真髄なんてものを語りたがる。そんなに好きなら貴様も降りてきやがれ。」(P185) 「だが、生きる甲斐がなくても生きているからこそ、人間ってのは偉いんじゃないだろうか。最後には各人が自業自得の十字架にかかって惨死するだけの人生。それを知っていながら、そこに一日一日近付いていることを知っていながら、それでも酒を飲んだり、エルヴィスで腰を振ったりしながら生きようとするからこそ、人間の生には意味がある。」(P191) 「他人に悪態をついたり、他人のあげ足を取ったりするのは、はっきり言って、大人でも嬉し楽しいものだ。だが、大人と呼ばれる人間(歳とは関係なく)がそれをしなかったり、限界というものをわきまえていたりするのは、自分も傷ついた経験があるからだ。しかし、子供(しつこいようだが、年齢とは無関係)は、人生経験の乏しいバカ故にその楽しみや喜びをマキシマムに追求しようとする。」(P203) 「家庭とは、個人が、個人の責任でもって個人的に幸福になろうとしている人々のユニット」(P239) 「パキスタン人の美しい男性に恋をした英国人のひょろっとした青年が失恋して痛飲して道端で吐いている背中を日本の豚骨ラーメンの街から来たババアがさすってる。民際的ってのは、こういうことじゃねえのか。」(P272)

Posted byブクログ

2020/04/06

書き方も、価値観も世界も環境も始めて知るもので、とても興味深くて面白かった。と言っても、重い話でもなく、ただ日常を滑稽に書いているから、軽くて読みやすいし、ネガティブなことでも面白く読めた。

Posted byブクログ

2019/11/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

在英の女性コラムニストによるブライトンでの生活を書いたエッセイなんてのと全然違う。 貧民街での暮らし、イギリスの病院保険制度、持たざる者のノーフューチャーな生き方等々。 貧民暮らしを開き直って酒飲んでガハハと生きながら考察して本にまとめるなんて、しかも結構読ませる。才能あるんだな。

Posted byブクログ

2019/11/01

英国在住のコラムニストによる1990年代の英国での生活を記したエッセイ集の文庫版。 オリジナルを出版した時の会社は潰れたとのこと。 文庫版はオリジナルエッセイの後日譚が追加されていたり、未発表原稿や書下ろしも載っているので読み応えあり。 著者は飲んだくれでセックスピストルズが大好...

英国在住のコラムニストによる1990年代の英国での生活を記したエッセイ集の文庫版。 オリジナルを出版した時の会社は潰れたとのこと。 文庫版はオリジナルエッセイの後日譚が追加されていたり、未発表原稿や書下ろしも載っているので読み応えあり。 著者は飲んだくれでセックスピストルズが大好き、ということからもわかるように、豪快な語り口調が魅力。 ただ、単に豪快なだけでなく、酔っぱらいながらも自己の生活や周りの人の生きざまに対する観察眼と考察は鋭く、硬軟取り混ぜた内容をサラッとかけるのがこの人の強みだと感じた。

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2019/07/09

テンポの良い文章で、スラスラ読めるエッセイ。 イギリスの労働階級の人達の生活が垣間見れますが、その中でも女性の強さを感じました。

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2019/07/03

読売書評を見て購入。ちょっとだけ読んでみているところだけど、なんて小気味のよい文章! 視点が違うと見えてくるものが違う。こんなイギリスの姿初めて知る驚き。

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2018/10/28

著者がブログ上で2004年から2005年に掲載したエッセイに、その後にやはりブログ上に掲載した2006年までのエッセイと、書下ろし原稿を加えた「デラックスエディション」。現在著者は英国在住の保育士という立場をベースに広くサブカルチャーから政治経済まで語ってくれているが、この本に収...

著者がブログ上で2004年から2005年に掲載したエッセイに、その後にやはりブログ上に掲載した2006年までのエッセイと、書下ろし原稿を加えた「デラックスエディション」。現在著者は英国在住の保育士という立場をベースに広くサブカルチャーから政治経済まで語ってくれているが、この本に収録された頃、彼女はまだ保育士でもなく、子どももおらず、職業として評論家のようなこともしていない。それでも彼女が友人や知り合いを見る眼差しから、英国社会が浮かび上がってくる。英国というのは階級社会というから政治的な社会なのが、外国人が見ることで政治性が明らかになるのだろうか。 とはいえ、本書のエッセイの中身は、現在の活動内容よりはずいぶん私的で、社会とのつながりは希薄なようにも思える。その分、酔ってセックス・ピストルズを聞いたりといった著者のパーソナリティーが色濃く感じられるともいえる。そして、どうしようもない、地べたの人々、街への愛情も、やはり色濃く感じられる。

Posted byブクログ

2018/05/28

2017.6.27 リズムがある文章でホント読んでて気持ちがいい。ブライトンの市井の人が大変魅力的です。

Posted byブクログ

2017/06/21

世代も違うし育った環境も住んでる場所も違うけどシンパシーしか感じない。若い時にパンクにやられたという経験は、それだけで人格アンド思想形成の土台になるんやな。 全ての、元パンクス、必読。 〜ジャージはジャージじゃ。あほんだら。

Posted byブクログ