電機メーカーが消える日 の商品レビュー
日本の大手IT企業がなぜダメになったかをつづった本。 親方日の丸でやってきたところがダメになったのは当然として、それ以外にも海外ベンダーとの部材競争で負けたり色々な理由があることあることがわかった。 そしてIT企業の一員としては、将来が見えず悲しくなった。
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国に甘えていた構図の電電ファミリーと電力ファミリー関連事業が国際競争力を失ったのではなく、もとより無いということがよく理解できた。 しかし、ではどうしろと?というと難しい。要は強みのある分野かつ市場拡大が見込まれる分野への集中投資、というのが答えなのだろうが、どこもそれを一生懸命...
国に甘えていた構図の電電ファミリーと電力ファミリー関連事業が国際競争力を失ったのではなく、もとより無いということがよく理解できた。 しかし、ではどうしろと?というと難しい。要は強みのある分野かつ市場拡大が見込まれる分野への集中投資、というのが答えなのだろうが、どこもそれを一生懸命やってきた。そして大抵裏目に出ている。 経営者の戦略的判断の質、というしかないのだろうか。
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各電機メーカーの成り立ち 電力、NTTと関係が深い会社、東芝、富士通、NEC ノキア、フィリップス 原発リスク パナソニックは三洋と電工がメイン
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東芝をはじめ各電機メーカーの歴史を紐解き、過去の失敗をつまびらかにしている。 過渡期にある今、経営者はどう進むべきか。過去から学ぶべきだ。そして技術者はやはり技術を追求すべきだと感じた。
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"日本の電機産業が歩んできた道をメーカー別に振り返り、好調とは言えない各社の現状を分析した本。本書を読んでいると、あたかも当事者から聞いたようなコメントがいくつかちりばめられているが、著者は取材で得た情報なのだろうか?あとがきには、取材によるもだと記載がある。 本書をそ...
"日本の電機産業が歩んできた道をメーカー別に振り返り、好調とは言えない各社の現状を分析した本。本書を読んでいると、あたかも当事者から聞いたようなコメントがいくつかちりばめられているが、著者は取材で得た情報なのだろうか?あとがきには、取材によるもだと記載がある。 本書をそのまま受け入れれば、もはや技術大国という名は返上しなくてはならないかもしれない。アジアのコンペチターの方が、技術力でも販売力でも上を歩いている。 しかし、こうした現状で敗北が決まったわけではない。優秀な人材があまたある我が国のエンジニアの知恵を結集すれば、活路は見いだせないはずはない。 だが、世界でビジネスを戦うには、すべての企業が帯に短したすきに長しかもしれない。得意な分野でライフスタイルを一新するようなイノベーションを起こし世界中の人が喜ぶサービスを生み出す企業はどの企業になるか期待したい。 とはいえ、本書を読む限りはここまで楽観できないのは事実。この産業に長くいるが、当事者として、身に染みる話ばかりが語られているように感じるのは、過去しか語られていないから。今、各メーカーが何に注力し、どんなことをしようとしているかはこれからの物語。さぁ、動きだそう、電機産業。"
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東芝だけでなく、電機メーカーの危機を論じる本。「なるほど」という印象である。電電グループ、電力グループといった傘の下で生きていて、定められた仕様通りに物を作れば、コストをカバーするお金を出してくれる環境で育ってきた企業群である。その社風は、今も基本的には変わっていないのだろうと思...
東芝だけでなく、電機メーカーの危機を論じる本。「なるほど」という印象である。電電グループ、電力グループといった傘の下で生きていて、定められた仕様通りに物を作れば、コストをカバーするお金を出してくれる環境で育ってきた企業群である。その社風は、今も基本的には変わっていないのだろうと思った。その結果、考えなくても待っていれば仕事が来るといった社員が多いのだろうと思う。
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タイトルは刺激的ですが、東芝に限らず電機メーカーの凋落を非常にわかりやすく解説しています。 端的に言えば、「電機メーカーの収益構造は、東電の電気料金、NTTの通信料金という税金に頼った社会主義的な下請け」ということだと思います。 競争がなく、国内しか見ないやり方が、自由化でいきな...
タイトルは刺激的ですが、東芝に限らず電機メーカーの凋落を非常にわかりやすく解説しています。 端的に言えば、「電機メーカーの収益構造は、東電の電気料金、NTTの通信料金という税金に頼った社会主義的な下請け」ということだと思います。 競争がなく、国内しか見ないやり方が、自由化でいきなり世界との戦いにさらされ叩きのめされた。その最も寵愛を受けてきた企業の筆頭が弊社です。 https://www.amazon.co.jp/%E6%9D%B1%E8%8A%9D%E8%A7%A3%E4%BD%93-%E9%9B%BB%E6%A9%9F%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%81%8C%E6%B6%88%E3%81%88%E3%82%8B%E6%97%A5-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E5%A4%A7%E8%A5%BF%E5%BA%B7%E4%B9%8B-ebook/dp/B071467JVS/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1503881007&sr=8-1&keywords=%E9%9B%BB%E6%B0%97%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%81%8C%E6%B6%88%E3%81%88%E3%82%8B%E6%97%A5
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以前、大西さんの本『会社が消えた日』の内容が非常によかったので、この本を手に取った。 日本の主要電機メーカーが、いかに国からの保護で温々と事業を継続できたかがよくわかった。
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刺激的なタイトルの通り、 内容もなかなか刺激的。 日経新聞で長く取材を続けて来た筆者からみた日本型総合電機の衰退の歴史が綴られている。 東芝、シャープ、NEC、ソニー、パナソニック、日立、三菱電機、富士通 どの会社にも至極手厳しい論調で、 評価されてるのは唯一三菱...
刺激的なタイトルの通り、 内容もなかなか刺激的。 日経新聞で長く取材を続けて来た筆者からみた日本型総合電機の衰退の歴史が綴られている。 東芝、シャープ、NEC、ソニー、パナソニック、日立、三菱電機、富士通 どの会社にも至極手厳しい論調で、 評価されてるのは唯一三菱電機だけ。 筆者の指摘はよく言われていることで、 バブル崩壊や、アジアメーカーの台頭、東電、NTTとのファミリービジネスの崩壊などの事業環境の変化に対し、適切な事業のリストラクチャリングが出来なかったこと。 どの会社も技術へのこだわりや社内政治にしがみついてしまい、気がついた時には後の祭りになっているというパターン。 さすがに各社ともに遅蒔きながら状況は認識していると思うのでここからどう巻き返すかだけど、残念ながらこの本にはそんな話は殆ど書いていない。逆に会社は潰れても技術者は残る。それで良いではないか!という、当たり前だけど身も蓋もない話で締めくくる。 これには筆者の諦めの気持ちが透けて見えて悲しくなった。
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日本の電機メーカーの多くは、電電公社から仕事をもらっていた電電ファミリーと、電力会社から仕事をもらっていた電力ファミリーに属する。通信、電力が自由化され、そのような下請け的な仕事が減ってきたところに、グローバル競争、新興国の台頭の大きな波を受け、起業として凋落していった。本書では...
日本の電機メーカーの多くは、電電公社から仕事をもらっていた電電ファミリーと、電力会社から仕事をもらっていた電力ファミリーに属する。通信、電力が自由化され、そのような下請け的な仕事が減ってきたところに、グローバル競争、新興国の台頭の大きな波を受け、起業として凋落していった。本書では、大きな時代の変化に対応できなかった経営者たちの姿を、太平洋戦争での敗戦の原因となった指導者たちの姿と照らし合わせながら描いたという。 過去の成功モデルから離れられず、市場の変化に対応するより、社内の抗争に力を注ぐ姿は確かに多くの日本企業にみられたものだとは思うが、はたして日本だけに特有なものだろうか?IBMなど欧米の大企業でも同様なことは起きた。だが、ノキア、フィリップスなど、柔軟に迅速にビジネスを変え、復活した企業も多い。日本でも、JT、富士フィルムなど成功例も多い。電機メーカーの苦境は、過去のファミリーの中でのビジネスの甘さから抜け出せていないことが根本原因なのだろう。しかし、本当に発想を変えることができ、経営が変われば、まだチャンスはあるはずと信じたい。
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