みみずくは黄昏に飛びたつ の商品レビュー
「騎士団長殺し」を読む前にこの本読んで良かったのか。逆だった。「騎士団長殺し」読み終えてまた読み返したい。 川上未映子さんもすごい。
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フィクション嫌いの人に読んでもらいたい。こんなに真剣に真摯に創作して完成するのが小説なんですよ、ということがわかはずだから。 小説家という職業の人たちがこの世に存在する意味が、人は何故、食事を摂らなきゃいけないのか、というのと同じなのではないかと思わせてくれる対談でした。 実は...
フィクション嫌いの人に読んでもらいたい。こんなに真剣に真摯に創作して完成するのが小説なんですよ、ということがわかはずだから。 小説家という職業の人たちがこの世に存在する意味が、人は何故、食事を摂らなきゃいけないのか、というのと同じなのではないかと思わせてくれる対談でした。 実は、私は発表されて間もない小説を読むことができない。それは、刊行ほやほやの作品は、あまりにも今と連動していて、自分の中で消化できていないから。或いは、小説家が世の中から嗅ぎとって言葉にしていることが、あまりにも鋭すぎる先見の明を感じるから。でも、そうなる理由もぼんやりと感じ取ることができたと思うし、自分に合うスタイルで本を読み続ければよいのかな、とホッと一息。 村上春樹作品の再読を始めようかな。 そして、そろそろ1Q84を読んでもよいかな。
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ノーベル賞絡みの下世話な祭りや、若い頃周りにいた青臭いナルシストのハルキストの影響で、私の村上春樹像は偏見に満ちた酷い物でした。だから作品もつまみ食いする程度。そんな知見の狭い私には目から鱗のインタビュー本でした。村上春樹さんご自身のイメージがガラリと変わり、そこにいたのはとても...
ノーベル賞絡みの下世話な祭りや、若い頃周りにいた青臭いナルシストのハルキストの影響で、私の村上春樹像は偏見に満ちた酷い物でした。だから作品もつまみ食いする程度。そんな知見の狭い私には目から鱗のインタビュー本でした。村上春樹さんご自身のイメージがガラリと変わり、そこにいたのはとても自由で誠意のある天才作家でした。今までの偏見は捨てて、今後はどんどん読んでみよう。作品を分析するようなことはせず、書いた本人のように自由な感性で受け入れようと思いました。川上さんの鋭いインタビュアーっぷりもお見事。
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19才のとき、奇跡的に2日続けて村上春樹朗読会のチケットを手に入れたという芥川賞作家の川上未映子による4回のインタビュー。さすがの春樹ファン、質問も深く鋭い。 ただ、それに対する春樹さんの答えっぷりがまた良い。「そんな事言ったっけ?」「それは全くない」「へぇ、そうなんだ」 そうは...
19才のとき、奇跡的に2日続けて村上春樹朗読会のチケットを手に入れたという芥川賞作家の川上未映子による4回のインタビュー。さすがの春樹ファン、質問も深く鋭い。 ただ、それに対する春樹さんの答えっぷりがまた良い。「そんな事言ったっけ?」「それは全くない」「へぇ、そうなんだ」 そうは言っても語り出せば最新作『騎士団長殺し』の話や過去の作品について内容は濃く、感心したり驚いたりとても楽しめた。二人のやりとりを読んで改めて読み返したいタイトルが続出。困った。 ○どこの出版社に原稿を渡すかは、書き終えてから決める。これにはちょっとびっくり!
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[語り語られ,書き書かれ]小説家である川上未映子が,小説家である村上春樹に対して行った4回にわたるインタビューを書籍化した作品。書くことについて,男女の性について,そして村上氏による新作の『騎士団長殺し』について,突っ込んだ対話が重ねられています。 インタビュアーの川上氏が村...
[語り語られ,書き書かれ]小説家である川上未映子が,小説家である村上春樹に対して行った4回にわたるインタビューを書籍化した作品。書くことについて,男女の性について,そして村上氏による新作の『騎士団長殺し』について,突っ込んだ対話が重ねられています。 インタビュアーの川上氏が村上春樹のファンであることもあり,かなり前のめりに質問している様子がところどころで垣間見えるのですが,その熱が村上氏にも伝わるのか,とても活き活きした対話であるように感じました。また,投げかける質問も興味深ければ,それに対する回答ももちろん興味深いので,一言一句を堪能しながらも,あっという間に読み切ってしまう一冊です。 〜リズムが死んじゃうんだよね。僕がいつも言うことだけど,優れたパーカッショニストは,一番大事な音を叩かない。それはすごく大事なことです。〜 『騎士団長殺し』を読んでから本作を手に取るのが断然オススメ☆5つ
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印象的な箇所のまとめ ・ものを作る人って、やはり自分にしか作れないものを追求するのが何より大事になってくる。 ・自分が見定めた対象と全面的に関わり合うこと、そのコミットメントの深さが大切。 ・深さというのはどうしても必要。その深さを支えきれるだけの胆力がないと、どこにも行けない。 ・家の地下二階で起きていることを書く ・できるだけわかりやすい言葉で、できるだけわかりにくいことを話す。 ・言いたいことを直接言わないというのが小説の基本。 ・ストーリーは向こうからやって来る。文体は向こうからは来てくれない。自分の手でこしらえなきゃいけない。そして日々進化させていかなくちゃいけない。 ・地下1階はエゴ。地下2階はエゴの下にあるもの。 ・小島信夫「抱擁家族」おすすめ。 ・物語は5つか6つのパターンを繰り返す。それでも前進していると感じるのは文章のおかげ。文章が全て文章が新しくなれば、あるいは進化していけば、何度同じ物語を書こうと新しい物語になる。 ・文章を磨き上げるという行為の中にある一瞬、体験こそが、自分にとっての小説家としての喜び。 ・小説的な面白さ、発想、構築の面白さよりまずは文章が先。 ・文体が大事。日本の文芸誌は文体について考えていないというか評価していない。文体は読んで数ページでわかる。(日本の純文学が評価する文体と村上春樹の評価する文体は違う) ・ドラマ、対立、葛藤を作る。そして比喩を入れる。読者が読み飛ばせない文章になる。 ・読者にとっても面白いものになるという確信がないと長編小説は書けない。
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さすが川上未映子、見事に村上春樹の懐に飛び込んでしまいには村上邸にまでお呼ばれ?されてありとあらゆることを、 率直に真摯に訊いて、他のインタヴュアーじゃ、こうはならなかったと思う。 春樹氏が書きたいことがなくなった晩年にはジャズクラブをやりたいって、絶対ものすごくファンたちが殺到して大変なことになるよ。あっ、会員制か…ものすごいセレブしか入れないような…? 川上未映子が絶賛する”TVピープル”の中に収録されている ”眠り”読みたくなる。 そこに出てくる女性が今までの概念を覆す”新しい女性”で とにかく素晴らしい体験でした。とある。 相変わらず頭の中が活字で溢れていてその並外れた記憶力にも驚かされる。 村上春樹ファン、必読の一冊。
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最高。 村上春樹よりも村上小説に詳しい川上未映子。 鋭い質問に村上春樹もかなり正直に答えているように見える。 物語は意味ではないし、文章そのものである。 今後の小説の読み方の指針になる。
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川上さんが想定以上に村上さんに突っ込んだ質問をしていた。村上作品を深くよんでいるなあ。楽しくふむふむ読んだ。 非リアリズムと地下二階、地下一階はクヨクヨ室で、そこは目を伏せて通ること 村上作品を内面的に読書すること 太った郵便配達人 プラトンの話(おかしかった) しかし村上さ...
川上さんが想定以上に村上さんに突っ込んだ質問をしていた。村上作品を深くよんでいるなあ。楽しくふむふむ読んだ。 非リアリズムと地下二階、地下一階はクヨクヨ室で、そこは目を伏せて通ること 村上作品を内面的に読書すること 太った郵便配達人 プラトンの話(おかしかった) しかし村上さんも鋭い問いをうまくかわしているようなとこもあったのが惜しかった(登場する女性についてなど)ような気がするが、それが村上さんなのかも。
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物創りをする人の話を読んだり観たりするのが好きで、さらに今回は訊き手も常に注目している川上さんだったので、訊く側の視点もかなりおもしろかったし、なんだか小説の中にいるように読み進みました。時間を味方につける、キャビネットと抽斗、女の子に手を引かれたことのある記憶。村上氏の人となり...
物創りをする人の話を読んだり観たりするのが好きで、さらに今回は訊き手も常に注目している川上さんだったので、訊く側の視点もかなりおもしろかったし、なんだか小説の中にいるように読み進みました。時間を味方につける、キャビネットと抽斗、女の子に手を引かれたことのある記憶。村上氏の人となりももちろん興味深かったですが、やはり「職業としての」やり方、自然なことのようでやはりきちんと自分の中で何かを決めて考えて創り出し、創り終えている過程などが、覚書のように心に残りました。
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